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-pendant-
作者: aya ◆jn0pAfc8mM (総ページ数: 11ページ)
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作者: aya ◆jn0pAfc8mM (総ページ数: 11ページ)
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*4*
「雨、止まないね」
沈黙に痺れを切らしたのか、咲耶はそう話しかけて来る。
君は頷いた。
「雨は嫌いじゃないけど、外に出られないからねえ……」
一度喋りだすと、咲耶は止まらなくなった。
確かに君も、雨は嫌いではなかった。理由は忘れたが。
「だってね、前に雨降った時……」
咲耶の話を聞き流していると、両親の事が目に浮かんだ。
君は聞いている姿勢だけとりながら、自分の親を思う。
実際は、親ではない。
もうこの世に、本当の両親は存在しなかった。
幼稚園生の時、飲酒運転の車に突っ込まれて。
しかし、悲しんだ事はない。
物心ついた時から親はいなかったし、代わりの人を両親だと思い込んでいた。
いつそれが両親の代わりであると気付いたのか。
それは、忘れたのだが。
それなりの理由があって両親が別にいた事を知ったはずだが、記憶はなかった。
「そう言えばね……」
ついに咲耶の話は、雨と関係ない方向へ。
適当に相づちを入れながら、ない記憶を辿る。
親のどちらかが口を滑らせたのか?
「確か……あ、大丈夫だけど……うん、それで……」
君はただ、考える。退屈を紛らわせる為に。
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