完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

FAIRYTAIL  終焉の少女  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 23ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL ルーシィ・ハートフィリア 二次創作 微グロ 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~

*1*


第一章【始まり】


「…酒臭いわ………。」

兆年孤独唄の事件が終わり、完璧に宴モードだったフェアリーテイル。
おまけに『だった』と過去形なのは、目の前の光景が地獄絵図だからだ。

中心に倒れているのは、ナツとグレイ。

「ルーシィさん、おはようございます。」

とことこと歩いてくるのは、ウェンディだ。
彼女はまだ幼いので、当然だが酒も飲まない。
ロメオはおそらく、大人に飲まされたのだろう。

「おはよ、ウェンディ。…これ何があったの…?」

目の前は誰一人と立っておらず、大きいいびき声が聞こえるだけだ。
というか宴は5日間、ぶっ通しで行われたとウェンディは言う。

「…だから、ナツとグレイの服ぐしょぐしょなのね。」

グレイが海に落ちたとき、ナツも助けるために海に落ちた。
やはり、何だかんだいってもグレイが心配なのだろう。
兄弟(にしては仲が悪すぎるが)のような二人に、ルーシィは苦笑する。

「でもこれ、海の水だけじゃないでしょ。」

ナツのマフラーの匂いをかぐと、強烈な酒の匂いがする。
思わず「うえっ」と、乙女にあるまじき声を出してしまった。
ああ、はしたない。

「あはは…、そういえばルーシィさん。面白い依頼がありましたよ?」
「え?なになに、どんなの?」

そっと誰かの体を踏まないように、つま先歩きをする。
間違えてドロイの肉のついた足を踏んでしまった、許せドロイ。
「ぬおっ」とぐぐもった声があがるが、すぐにいびきに変わった。

「…『大切な者を保護してください』?人、なのかしら。」

それなら、SPという事になるだろう。
最強チームを起こそうとするが、何だか変に幸せな気分になる。
事件なんてない、いつもと平和なこのギルド。
それがなんだか、嬉しかった。
だがルーシィのその気持ちも、一瞬で無に変える。
なぜなら。


グレイが寝返りで、ナツの体の上に乗っかり。
それにナツがキレて、グレイを殴り。
目が覚めたグレイは、ナツに殴りかかる瞬間エルフマンの顔を踏み。
エルフマンが怒り、喧嘩に混ざろうとするとエルザの足を踏み。


そっから、最悪なピタゴラスイッチが始まった。

「…幸せな時間を返してええええええ!!!!」

こうして、いつもの騒がしいフェアリーテイルが戻ってきたのだ。




――――


兆年孤独唄の事件…グレイが生贄になって、世界が危機に陥りそうだった。
         解決したが、流れ星のようにグレイが降ってきて、ナツが助ける。


1 > 2