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*2*
あの後、全員盛大なお説教を受けた。
ルーシィは関係ないのだが、何故か説教されている。
「うぅ…、アタシ悪くないのに…!」
「まーまー、チャラにしよーぜ!お前の気になる依頼ついてってやるからさ!」
「アンタね…、まぁいいわ。」
ナツの腹立つ言葉を抱えて、エルザに依頼の内容を話す。
いいだろう、とエルザは欠伸交じりに了承した。
「五日間、まともに仕事に行っていなかった。…服を着替えろ。」
つん、と酒の匂いがしたのだろうか。
ぐしょぐしょの服のままの、ナツとグレイを指摘する。
「うお、きたねぇな!」
「臭ぇ…!」
すぐさまナツとグレイは家に帰り、服を着替えまた戻ってくる。
というか早すぎる、まだ一分も経っていない。
「…ナツ、マフラーも臭いぞ。」
「外したくねぇ!」
じゃあ、水洗いして来い。
思いきりすごまれて、ナツはしぶしぶ洗い場でマフラーを濡らした。
―アイリスの町―
「ここなの、か?」
「そうみたい、依頼書の地図はそう書かれてる…。」
ルーシィが地図を見ながら歩いていると、空から声が聞こえた。
ふいに、ライトノベルみたいなあれかとルーシィは心の中でツッコむ。
そのツッコミもどうなのだろう。
「……ぁぁぁあああああああああ!!」
空から降るのは、人。
落下地点はルーシィどんぴしゃだ。
サッと避け、落ちてきた人―男だろうか。
見事に着陸して見せた。
「びっくりしたー。ミラーリ、こいつか?」
奥から歩いてくるのは、背の小さい女だ。
繊細な銀髪が、ゆれる。
「アーティ、よくや…ったと言うとでも思ったか?馬鹿。」
「うわ、酷い。」
男、『アーティ』は『ミラーリ』の言う事に嘘っぽく嘆く。
というか、絶対嘘泣きだ。
「…こげ色の瞳に、金髪…。こいつ、だな。」
「早いところ情報収集しようぜ。おーい、お前等も出てこいよ。」
アーティのセリフと同時に、3人ほど男女がでてくる。
「あ、自己紹介だな。」
忘れてた。
アーティは呑気に笑い、自分を指差した。
「俺、アーティ。」
簡潔すぎる自己紹介にミラーリはため息をつき、アーティの頭を叩いた。
「馬鹿、…失礼しました。私達は、王国直立傭兵部隊です。私は第一隊隊長、ミラーリ。」
「俺は、アーティ。副隊長、な。この黒いローブの奴は、全部不明。」
「私は、キアーヴェ。星霊魔導士だ!」
「自分は、…カルガ。もうなんだか、おぞましい虫魔法です。」
何なんだ、こいつら。
全員そう思ったが、これが最強チームの。
ルーシィの未来が崩れそうになる原因かも知れないことを、知らなかった。