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*3*
第二章【とある男】
「何か知らないが、ウチに用か?」
王国直々の部隊というのに、ナツの態度は相変わらずだ。
まぁまぁと、ルーシィがナツをなだめる。
いや、怒ってはいないのだが。
「……。」
「うおっ、お前いたのかよ。」
黒いローブが、何時の間にかアーティの後ろに居た。
もとが影が薄いのだろうか。
「行くぞ、お前等。」
ミラーリの凛々しい声に、全員が頷く。
「目的は、ルーシィ・ハートフィリア嬢の捕獲だ。」
「ええ!?」
「ルーシィを!?」
さすがにこれは、全員が驚いた。
何故ルーシィを狙うのか。
まぁ、そんな事を考えず走る馬鹿はいる。
「ルーシィはわたさねぇええええ!」
ナツはアーティに向けて、拳(炎付き)を振り下ろす。
それを軽々と避け、アーティは息を吸い込んだ。
「…昌竜の、咆哮!!!」
「!?滅竜魔導士!」
負けじとナツもブレスを避け、腕に炎を纏う。
「火竜の、鉄拳!!!」
「っうぉ、あぶね!」
ギリギリ避け、すぐにアーティは後ろに引いた。
キアーヴェは、チャラリと鍵を出す。
それは、確か――
「な!?なんでアンタが、アイリの鍵を!」
兆年孤独唄のとき、アイリが人形になり残した鍵。グレイが渡してくれて、大切に保管してあったのに。
「契約してなかったみたいだし、勝手に部屋入らせてもらった。情報収集の為に。」
先ほどから、情報収集とは何なんだ。
ルーシィは不安をしたらせながら、エルザが「離れろ」と指を指したほうへと向かった。
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