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ヘッドフォンアクター
作者: 弥生  (総ページ数: 22ページ)
関連タグ: カゲロウプロジェクト 
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*11*



011「ループイヤホン」




炎天下の夏、俺は外へ投げ出す。
白いイヤホンを耳にあて、人の会話をたちきる。


以上な猛暑は体力だけでなく神経までも奪い去っていくようだ。大通りの公園。明るい子供たちがはしゃぐなか二人はベンチの影に座っていた。




「いやぁ…あっついねぇ」

「死にそうだ…帰っていいか?」

「えー連れないなぁ、シンタロー君」



俺はカノと会話をしていた。

目を隠すようなカノのフードは日差しを遮っているが少し暑いんじゃないか…と思ったりしていた。


目の前の少女が転ぶ。擦り傷を膝に覆い、鳴き始めてしまった。即様、違う子供たちが励ますように囲む。


「ほんっと、よくできてるよね。人間関係もバッチしじゃない?」


ニヤリとした顔でカノが目を合わす。


「そうか…?俺には「なにしてんだよ」しか見えないが、っていうか人間なんてそんなもんだろ」

「うっわ…!流石、クスッ…将来が楽しみだよ」

「なんでお前が楽しんでんだよ?!…まぁ、NPCといえど感情はあるんだろうな…まともなやつも」



蒼く清んだ空を見上げシンタローは笑う。
カノは少し真剣な表情で驚いていたが、即様、いつものように笑いだした。

「さいっこう」と聞こえるが気にしない。




「にしても…不自然だな」

「何が…?」

「いや、俺達を襲ったやつ…ZEROっていったか、あいつのような殺気を放ってるやつがいない。現に目の前で遊んでるじゃないか」



そう、NPCが敵なら俺達なんてすぐにゲームオーバーだ。


リセットされたビルを眺め、唾を飲む。

ふと、自分の脳裏にある「妄想」が述べられた。


「あいつは…NPCじゃない?」

「…………なるほどね…なら合点がいく」




つまりはこうだ。

1つに…NPCは敵じゃない
2つに…ZEROは人間
そしてラスト3つ目…………もしかしたら出入り口がある


3つ目の理由はこうだ。

ZEROは何故、リセットと同時に襲ってきた?

偶然?違う、リセットしなければ入れなかった。

このゲーム、【ヘッドフォンアクター】に

次にどうやって来たか?

もし人間なら、エンドを知ってるはず。

ニューゲームなどがあるように、必ず【エンド】が存在するはずだ。

ならZEROは…………出入り口を知ってる。





「なーるほど…!し、シンタロー君って頭いい?!…」

「そっちかよ…!?、それより用事、すませようぜ」

「そうだね、そろそろ行こうか…」




シンタローとカノは今から…あそこにいく。

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