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ヘッドフォンアクター
作者: 弥生  (総ページ数: 22ページ)
関連タグ: カゲロウプロジェクト 
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10~ 20~

*20*

022「巡らせる能力」






セトの事件から三日。
アジト全員はなんの事件もなく、そして現実への帰還情報すらつかめていなかった。

今わかっていることと言えば…不思議な文字。【地】と【30】…それと、アヤノがコノハに託されたと言っている赤い鍵。そしてこのゲームの恐らく張本人ZERO。


と言ったところだろうか?




おおよそはついていても根拠がない。


出ることの出来ないデスゲームなんてことは…ないと願うばかりだ。




「アヤノ。その鍵、そんときのコノハから聞いてねぇのか?」

「うん、すぐに行っちゃってさ。なにも言わなかったよ」


アジトで二人きり。
シンタローとアヤノはテーブルを中心にして手がかりを練っていた。他は探索に出かけている。


シンタローは麦茶をグッと飲み干し、思考を巡らせる。

だが、思い付く付しなどはなく、ただ暑いなぁと思うくらいだった。



「そーいや、アヤノはなんでこっちのこと…………コノハに聞いたんだよな?どうやってこっちに来たんだ?」


シンタローの質問は的確だった。当然と言えば当然だが、今こんな質問は普通思い付かないだろう。


「それがね、その鍵を握りしめたらこっちに来ちゃって…それから…えっとシュウヤ達も巻き添えになってて…私は、不思議な空間で…」


アヤノの言葉が途切れる。
シンタローは不思議そうな顔で見つめるが…


「えへへ、忘れちゃった…ゴメン」

「昔からアホだもんな。しゃーねぇよ」

「アホは言い過ぎだよ…!もう、知らない」


少し言い過ぎた…とシンタローは汗を長し、頬を掻く。少し時計の針が動くリズムを刻み、ドアがおもっきりバタッ言うおとがした。



「シンタローさん!姉ちゃん!大変っす、ZEROがまた現れたんす!」

血相を変えたセトだった。
事態は深刻らしく汗がすごい。


「行こ!シンタロー。誰も失っちゃいけない!」

「あ、あぁ…」



何かの規則性?ZEROは…………人間なのか?
疑いを思いに凝らして駆け出すシンタローを陽炎はソッと微笑み始めていた。




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