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ヘッドフォンアクター
作者: 弥生  (総ページ数: 22ページ)
関連タグ: カゲロウプロジェクト 
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10~ 20~

*10*



010「ネットプレイヤーキャバシリー」






NPC…………ゲームの世界などで存在するコンピューターキャラクターのようなもの。一種のイベントや適役にもNPCは多く使われている。



この世界のNPCは…………




「はぁ!?NPC全てが適役…!!」

「ふぇ…こ、こっちのシンタローも怖いよぉ…」


目の前の現実に少し焦ってしまい、先程助けてくれた少女……マリーにぶつけてしまっていた。

にしても…こんな少女まで能力を。



「マリーの能力は【目を合わせる】と呼んでる。目を合わせた対象者を一定時間のみ石にするんだ」

「い、石?!…………お前らよりか強力っぽいな」

「で、でも動きを少し止めるだけだよ…?」


なにはともあれ助かった。ほんとに感謝だな。



逃げてきた場所はへんな倉庫のような場所。

藁が多くあり、スコップやノコギリなどの小道具がある。牛の小屋のようだ。幸い誰も使っていないようで壊れたものが多い。



「それで、これからどうする?NPCってのが敵なら探索なんて自殺行為だよ?」


確かにカノの言う通りだ。無駄に命を投げるも同然だろう。

っていってもこのままでは餓死がおちだ。


「一旦、俺の能力で街へ出てみる」

「大丈夫っすか?もし効かなかったりしたら…」

「それはないよ、だって、さっきのやつはシンタロー君のみを狙ってたでしょ?それに僕の救援を気づけなかったしね」


カノは頭がいい。尚更だがこいつは…いや、ないか。


「で、でもこの街のことわかるの?」


貴音が暗い表情でキドの目を見る。


『それは心配ございません…!マップならインプット出来ましたよ、街の構造のだいたいはわかりました』

「ナイスだ、エネ、じゃぁ、セト、マリー、ついてきてくれ」

「了解っす…!」

「で、出掛けるの…?わかった」


そういってキド、セト、マリー、エネは小屋を後にした。

そのあとは何故かシンタローはカノに呼び出されていた。真剣な話かと思うのは何故か勘違いと思えるのは気のせいだろうか?カノが相手だとなんつーか、慎重になれないって感じだな。



「貴音ちゃんも、コノハも、今は寝てるしね。僕は出掛けようと思うんだけど…シンタロー君くる?」

「大丈夫なのか?俺たちもだが、こいつらも…」

「うーん、大丈夫じゃないかぁ…よく考えてみなよ、奴らがNPCなら…………?」


カノの問いにハッとなる。


「NPCは一定範囲か、決まった場所にしか…動かない」

「せーかい、ここへ来て約1時間はたってる。NPCなら休むこともないし、来ないってことなら、この場所はインプットされていない」


一理ある。が…………


「特殊なNPCかい?」


鋭い。シンタローが考えていることをズバリ当ててくる。そう、特殊なNPC。普段雑魚キャラでも、あることを起こしたりすれば行動が変わるってやつだ。


「そのときは…そうだなぁ、コノハが何とかするんじゃない?」


えっ…?なんでコノハに関係が…

カノはニヤリと笑い、口を横に尖らせながら悪魔のような顔でクスクスと笑った。


「さぁ…少し進もうか…」


カノの後ろ姿は不自然に揺らめいていた。






『少年、そろそろ目を冷まそうか』

「お前…………誰だよ」

『【目を焼きつける】のだ。少年。そして改めよ』

「ぐっ…ぁあ…!あぁぁあ…!!」

『さぁ…繰り返そうか、全てを…な』




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