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ヘッドフォンアクター
作者: 弥生  (総ページ数: 22ページ)
関連タグ: カゲロウプロジェクト 
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10~ 20~

*21*

お久しぶりの弥生です!
この度は…まぁ見てくださってた方は、すみません!
最後って思って考えてたら放置に…


今回で最終章です!
正直ここまで、できるなんて思ってませんでした。

ではいきます!




最終話「ヘッドフォンアクターエンド」









…………倒れている仲間。
キドにカノ、マリーに貴音。

駆けつけたシンタローにアヤノ。
そして首を閉められているセト。コノハ。


「ZERO…お前」

「やぁ…シンタロー。楽しい一時は終わりにしよう。今からお前らが味わう絶望とともに」


立ち止まるシンタロー。
悲しいことに足が動かない。
歯を食い縛り見つめることしか出来ない。

俺は…弱い。



「…………シンタロー!諦めちゃ駄目!皆が待ってるんだよ!?ここで諦めるなんて…やだよ!」


アヤノの声が響き渡る。
思考を…………脳裏を焦がし、奥の奥まで考える。


「30秒。クリア条件は30秒…地面に…意識を持って立っていること。それがクリア条件」



そう…………あの文字はこんな単純なことでいい。
ここはゲームの世界。やっとわかった。
ゲームというのは完璧ではない。
チートや違法ルート。それぞれの反則なやり方でもクリアはクリア。


クリア方法はもとから探すものじゃない。自分で決める。それがクリア条件。



「…………皆…俺に目をくれ!全員でこいつを倒す」

「シンタロー…」

「シンタロー君」

「シンタローさん」


それぞれの赤い目が光となりシンタローを包む。
巡らせる。みんなの思いを…いま巡らせる。


「…………ふざけるなぁ!クリアだ?!そんなのはあの人の願いじゃねぇ!」


飛び込んでくるZERO。
あの人ってのは…誰なんだろうな。
誰かの願いでいきる。目が冴える能力。

このゲームの制作者であり…………もうひとつの願い。



シンタローはそっと目を開き…………


「【目を合わせる】」


「ぐ、…」


少しの間だけ動きを止めるマリーの思い。


「【目を盗む】」


思考…感情。声。嫌う能力ですら力となるセトの思い。



「【目を欺く】」


ZEROが消えていくように欺くカノの思い。




「…………ぐはっ…や。やめろ!あの人の願いを消すのは」

「願い。それはこのゲームで死なない世界を作れないか…だろ?人は、いつか死ぬものなんだ。そんな願いは受け付けるには重すぎるんだよ」



マリーの能力が解け、殴りかかってくるZERO。



「【目を隠す】」



人から避けられる運命を背負ってもなお進むキドの思い。



「【目を醒ます】」


純粋に願うコノハの思い。




「グハッ!…ガハッ!」

「終わりにしよう…ゲームオーバーだ」



シンタローの瞳が煌めく。



「過去の…………皆が信じたあの人の記憶を…【目を焼きつける】」



「届ける【目を掛ける】」





崩壊するゲーム世界。
モノクロの次元が全てを飲み込んで行く。


バカめ…お前らだって消滅だ。


「俺達は死なない…【目を覚ます】」



そして…………焼きつける。掛ける。



現実の俺たちの存在を残す。



「くそぉ…くそぉ、!!!!!」






なんで世界はこんな能力を造るんだろう。

俺達は今を生きてる。

なんて泥臭い言葉なんか誰が信じるのか。

それは遠い遠いどこかの物語を示しているのではないだろうか?

動いているのではない。

動かされている。

俺ならこう解釈する。



【目を覺】…と。






その日は随分と平凡であたりさわりない一日だった。


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