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*紹介文/目次*
00「ヘッドフォンアクター」
ヘッドフォンの向こうから
「ごめんね」と声がした
その日は随分と平凡で
当たり障り無い一日だった
『なんか面白いことないかなぁ』
暇つぶしに聞いてたラジオから
あの話が流れ出すまでは
そこから思いもよらない絶望が耳鳴りとなり
襲ってきた。
「非常に残念なことですが本日地球は終わります」
と
どこかの国の大統領が 泣きながら話をするまでは。
『…なんで、なんでこうなっちゃったんだろう…?』
私は嘆いていた。机にしがみ倒れ…人々の声に耳を傾けていた。
カーテンを横切り外が見える。
窓の外は大きな鳥たちが空覆い尽くしてく渋滞中
三日月を飲み込んでどこかへと向かってる
『…どこへ行けば助かるんだ』
やりかけてたゲームはノーセーブ
机にほぼ手つかず参考書
震える身体をいなす様にすぐにヘッドフォンをした
『もう…………やだよ…』
不明なアーティスト項目の タイトル不明のナンバーが
途端に耳元流れ出した
「生き残りたいでしょう?」
『……………………!?』
蠢きだす世界会場を 波打つように揺れる摩天楼
紛れもないこの声はどう聞いても
『これって…………』
聞き飽きた自分の声だ
怖がる体を抱え込んだ身体は自然と自宅から見える1つの場所を示す。
「あの丘を越えたら20秒で
その意味を嫌でも知ることになるよ」
「疑わないで、耳を澄ませたら20秒先へ」
『やるしか…行くしかないんだ…!』
『なんだ…この世界は…これが現実でいいの!?』
交差点は当然大渋滞
もう老若男女は関係ない
怒号やら赤ん坊の泣き声で埋まっていく
『……………………うぅ』
暴れだす人 泣き出す少女
祈りだした神父を追い抜いて
ただ一人目指すのは逆方向
あの丘の向こうへと
『ハッ…ハッ…あ、あと少し…………』
ヘッドフォンから依然声がして
「あと12分だよ」と告げる
目線をしたに落とし、パッと目を開く
『行かなきゃ…振り替える思いなんて無いんだ』
このまま全て消え去ってしまうならもう術は無いだろう
ざわめき出す悲鳴合唱を
涙目になってかすめる10秒
『嫌だ…』
疑いたいけど誰がどうやっても
終わらない人類賛歌
『嫌だ…嫌だ、嫌だ、嫌だぁ!』
「駆け抜けろ,もう残り1分だ。」
その言葉ももう聞こえない位に
ただ目指していた丘の向こうは
すぐ目の前に
『はぁ…はぁ…つい…………た………?』
息も絶え絶えたどり着いたんだ
空を映し出す壁の前に
その向こう白衣の科学者たちは
「素晴らしい」と手を打った
『疑うよ』
そこから見る街の風景は
まるで実験施設の様でさ
「もう不必要だ。」
科学者は片手間に爆弾を投げた
『あぁ…あぁああ…!!』
箱の中の小さな世界で
今までずっと生きてきたんだなと
『消えてしまう…そん…………な』
燃え尽きていく街だったモノを
ただ…………ただ茫然とした思考で
揺るぎないこの口元から
『ふざけるな』
と
覚めた瞳を狂わせた
どうも!ヘッドフォンアクターが大好きというよりカゲプロが大好きな『弥生』です!
初めて小説は書きます!
最初は歌を自己解釈で物語風にしてみました!!
当然…『なんだこれ…』と思うかたなんだこれです!
ヘッドフォンアクターは歌では終わってる見たいですがこちらではヘッドフォンアクターのみでお話を作りたいと思ってます!いわゆるオリジナルで続きを書いていきます!!
キャラはこーんな方々です!
・エネ(黒髪)ヘッドフォンアクターでの貴音
・コノハ
・シンタロー
・アヤノ
・キド
・カノ
・セト
・マリー
・ケンジロウ
・???(2名くらい)
くらいですかね…あぁ!物語が進むと追加するかもです
〜目次〜
>>01「カゲロウテンポ」
>>02「真実の疑惑」
>>03「クルワセルート」
>>05「能力者」
>>06「言の葉の裏表事情」
>>07「コノハの異世界事情」
>>010「不自然の世界論」
>>011「メカクシフェッショナル」
>>012「デッドフラグ『死の宣告』」
>>013「ネットプレイヤーキャバシリー」
>>014「ループイヤホン」
>>015「赤い瞳に天災を」
>>016「NOーエンドレス」
>>017「焼きつけられた世界論文」
>>018「アヤノの幸福理論【2】」
>>019「ごめんなさいの屈強方程式」
10~ 20~
*21*
お久しぶりの弥生です!
この度は…まぁ見てくださってた方は、すみません!
最後って思って考えてたら放置に…
今回で最終章です!
正直ここまで、できるなんて思ってませんでした。
ではいきます!
最終話「ヘッドフォンアクターエンド」
…………倒れている仲間。
キドにカノ、マリーに貴音。
駆けつけたシンタローにアヤノ。
そして首を閉められているセト。コノハ。
「ZERO…お前」
「やぁ…シンタロー。楽しい一時は終わりにしよう。今からお前らが味わう絶望とともに」
立ち止まるシンタロー。
悲しいことに足が動かない。
歯を食い縛り見つめることしか出来ない。
俺は…弱い。
「…………シンタロー!諦めちゃ駄目!皆が待ってるんだよ!?ここで諦めるなんて…やだよ!」
アヤノの声が響き渡る。
思考を…………脳裏を焦がし、奥の奥まで考える。
「30秒。クリア条件は30秒…地面に…意識を持って立っていること。それがクリア条件」
そう…………あの文字はこんな単純なことでいい。
ここはゲームの世界。やっとわかった。
ゲームというのは完璧ではない。
チートや違法ルート。それぞれの反則なやり方でもクリアはクリア。
クリア方法はもとから探すものじゃない。自分で決める。それがクリア条件。
「…………皆…俺に目をくれ!全員でこいつを倒す」
「シンタロー…」
「シンタロー君」
「シンタローさん」
それぞれの赤い目が光となりシンタローを包む。
巡らせる。みんなの思いを…いま巡らせる。
「…………ふざけるなぁ!クリアだ?!そんなのはあの人の願いじゃねぇ!」
飛び込んでくるZERO。
あの人ってのは…誰なんだろうな。
誰かの願いでいきる。目が冴える能力。
このゲームの制作者であり…………もうひとつの願い。
シンタローはそっと目を開き…………
「【目を合わせる】」
「ぐ、…」
少しの間だけ動きを止めるマリーの思い。
「【目を盗む】」
思考…感情。声。嫌う能力ですら力となるセトの思い。
「【目を欺く】」
ZEROが消えていくように欺くカノの思い。
「…………ぐはっ…や。やめろ!あの人の願いを消すのは」
「願い。それはこのゲームで死なない世界を作れないか…だろ?人は、いつか死ぬものなんだ。そんな願いは受け付けるには重すぎるんだよ」
マリーの能力が解け、殴りかかってくるZERO。
「【目を隠す】」
人から避けられる運命を背負ってもなお進むキドの思い。
「【目を醒ます】」
純粋に願うコノハの思い。
「グハッ!…ガハッ!」
「終わりにしよう…ゲームオーバーだ」
シンタローの瞳が煌めく。
「過去の…………皆が信じたあの人の記憶を…【目を焼きつける】」
「届ける【目を掛ける】」
崩壊するゲーム世界。
モノクロの次元が全てを飲み込んで行く。
バカめ…お前らだって消滅だ。
「俺達は死なない…【目を覚ます】」
そして…………焼きつける。掛ける。
現実の俺たちの存在を残す。
「くそぉ…くそぉ、!!!!!」
なんで世界はこんな能力を造るんだろう。
俺達は今を生きてる。
なんて泥臭い言葉なんか誰が信じるのか。
それは遠い遠いどこかの物語を示しているのではないだろうか?
動いているのではない。
動かされている。
俺ならこう解釈する。
【目を覺】…と。
その日は随分と平凡であたりさわりない一日だった。