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名探偵コナン 夢物語1『これから』
作者: らいち。  (総ページ数: 6ページ)
関連タグ: 名探偵コナン 江戸川コナン 灰原哀 少年探偵団 世良真純 沖矢昴 FBI らいち。 
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*3*


4.仲間…?

「いやぁ、びっくりしちゃったよ。」

夕暮れ時の米花町で、
いつものようにずらずらと並んで帰る一行。


あの後、
結局はコナンと真純が助けに来たのだが……

―こんなことに頭使ってるぐらいの暇を持て余してんなら、
 真面目に働けよ!

―世良の姉ちゃんの言う通りだよ。
 もうお遊びはおしまいさ…!

―何だとガキども!?

反論してきた強盗団に、
真純の蹴りとコナンの麻酔銃で完璧。

…の、
はずだった。

―フンッ。ツメが甘いな。

たった1人、難を逃れた犯人が、
後ろから2人をスタンガンで気絶させたのだ。

そこで
人質にまぎれていた奈都が動き出す。

目も口もふさがれ、
両手も後ろで封じられていたが、
もともと体が柔らかい彼女には簡単なことだった。

―まだガキが残っていたか。

犯人に気づかれたが、
そんなことでは動じない。

既に軍手を装着済みの手で近くに落ちていた拳銃を拾い、 
犯人が握っているスタンガンと、奴の右肩すれすれを狙った。


「ほんと、助かったぞ!」
奈都の頭をクシャッと、真純がなでる。
 
「ちょっと世良さんっ、何があったの?」
「そーよ。教えなさいよ」

相変わらずの蘭と園子。
そんな2人をなだめる真純と昴を横目に、
コナンと奈都は歩くスピードを落としていく。

「おい。」
切り出したのはコナンのほうだった。
「ごめんね。あれぐらいしか思いつかなくて…。」
奈都も申し訳なさそうに手を合わせる。
「…で、何で拳銃なんか使えたんだよ。」

奈都は一息おいて答えた。

「芹井 奈都。」

「は?」
「私の本名。」
「え?!」
「あれ…? 君も仲間なんじゃないの? 工藤新一君?」

コナンは大きく目を見開いた。
前の8人との距離はどんどんひろがっていく。

「…!!」
「あの灰原哀って子も、そうなんでしょう?
 それに…、あの放火事件の犯人たちの…仲間でしょ。」
「お前、どうしてそれを…?」

奈都は歩みを速めた。

「一度でもあんな目で睨まれたりしたら、わかるようになるよ。」
「そ…、そうか。」
「アポトキシン4869だってね。」
「みたいだな。」

コナンも歩みを速める。

奈都が顔を上げると、真純がこちらを向いて笑っている。

『まだナイショだからな。』

そう言ってるみたいに。
やっぱり…似てるよ。

真純ちゃん――

まだ何か聞きたそうなコナンに気づいたので、
「じゃあ、新一にーちゃん!またまたよろしく。」
そう言って 長い髪をひるがえし、8人のもとに駆けて行った。

「おう…。」
コナンも苦笑を浮かべ、小さなため息をついた。


 

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