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作者: みーこ (総ページ数: 11ページ)
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茶漬けさん、ありがとうございます。
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5・念願のマイホームの霊
家野 キナ
一家心中・・・親の身勝手で子供が殺されたりする残酷な事件の一つ。
そんな事件の舞台の家は、リフォームされまた、新しい家族が来た。
家野家。4人家族のごく普通の家族。
しかし、このマイホームのせいで家族の運命は狂って行く。
・・・あの家の前にブルーのケイの車が停まっていた。
近所中、大騒ぎになる。
しかし、そんな事など知らない家野家は、平然と荷物を運ぶ。
しかし、キナは、何かを感じていた。
何かいる・・・
「お母さん、なんか感じる。やっぱり安いから、変なの取り付いてるんじゃ?」
「変な事、言わないで。気持ち悪いじゃない。」
うう、とキナは、唸った。
キナの部屋は、北向きの静かな部屋。
フローリングの上に、リュックサックをドスンと置いた時、白い何かが廊下を
通った気がした。
「誰?」
廊下へ飛び出た。ハァハァ・・・・・いない!
やっぱり何かいる。母親に言っても、信じてもらえないだろう。
また、キナは、荷物の整理を始めた。
ん?部屋の奥に一つだけダンボールが置かれているところがあった。
ダンボールを寄せると、そこにはシミができていた。
少し、顔に見える。
怖い・・・
よく見ていると、顔が動いた。
あっ・・・
腕が伸びてきてキナの髪を掴んだ。
ズル、ズル、ズル・・・壁に吸い込まれて行く。
「嫌だ・・・嫌だ・・・。」
私は、気が付いた。あのダンボールはこの霊を封印するものだったと・・・。
下半身が、壁に入った、
「こっちへ来て・・・こっちへ来て・・・清子と遊ぼうよ。」
清子?聞き覚えがあった。私が、いじめていた子。
「キッ清子?あんたは、死んだの?」
「キナちゃんの事、お母さんに話した・・・殺された。」
そうだ、思い出した。清子の家はここだった。
一家心中の舞台。子供が、いじめられてたことを知った親が、楽にさせようと、
心中を図り、練炭を炊いたが、親二人は生きてしまい、当時6歳の娘は死亡した
事件。その子供は・・・清子・・・
「イッ嫌!助けて!」
母親が、その声を聞き飛んできた。
下半身が壁の中の娘を見て絶句してしまった。
「キナ!キナ!」
母親は、娘の体を引っ張ったが引き込む力の方が強かった。
ズボッ・・・娘は消えた。シミは、二つになっていた。
「キナ・・・。」
(おかぁさん・・・助けて・・・・・出して・・・。)
・・・封印を解いてしまった少女。昔、いじめていた少女の家はここでした。
今、二人は壁の中です。なぜ、あの少女は壁の中にいたのでしょう。家を離れたくなかった?あの少女を待ってた?・・・それは、ご想像にお任せします。
では、マイホームには気をつけてください。安い家などの曰く付き物件など。