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ホラー(多分)です短編集【コメ募集中お題募集】
作者: みーこ  (総ページ数: 11ページ)
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10~

*8*

7・赤い靴

新條 誠

ペタペタペタ・・・

「返して・・・返してよ・・・」

「返して欲しけりゃ、こっこまでおいでぇ。」

マコトは、真っ赤な靴を持って廊下を走っていた。

その後ろを、髪を後ろで三つ編みにした少女が走ってくる。

「マコト、またやってんの?いい加減にしなよ!」

マコトの前に、ショートカットの女の子が立っていた。

「心優!チッ・・・。めんどくさい奴だ・・・いっつも、正義のヒーロー気取り
奴め!どうして、里子をかばうの?あいつが悪いんじゃん!足が遅いし・・」

マコトは、靴を放り投げて廊下を走り出した。

「なんで、あんな奴・・・」



教室へ戻ると、同じいじめっ子たちが走ってきた。

「マコト、また心優に邪魔されたの?」

「うん。ほんっと、嫌になっちゃう!」

マコトは、心優の机を蹴った。

「今時、あんな真っ赤な靴履くとかおかしいよね。」

いじめっ子の一人がそういった。

すると、うんうん、と皆がうなずく。



その日の帰り。靴箱を開けると、靴が泥だらけになっていた。

マコトは、顔を真っ青にして仲間達にその事を伝えた。

いじめっ子達は、自分たちの靴は汚れてないよ、と首を振った。

マコトは、カァァと頭に血が上るような気がした。

そして、教室から絵の具を持ってきていじめている里子の靴と、心優の靴を汚し

て満足して帰った。

仲間の、いじめっ子達はさすがにやり過ぎだと思いマコトが帰ったのを見て水道

で靴を洗った。

しかし、心優の靴の絵の具はすぐに落ちたものの、里子の靴の絵の具は、靴の素

材が悪いのか全く落ちなかった。

いじめっ子達は、顔を真っ青にして里子に謝りに行った。

里子は、怒りもせず、「洗ってくれて、ありがとう」というと自分でやるからと

ティッシュで汚れを取り始めた。

いじめっ子達は、マコトより里子の方が好きになった。

いじめっ子達は、ポケットからティッシュを出して、

「これ、お詫びに使ってよ!」

里子は、笑って「いいよ」と首を振った。

里子の靴は、やっぱり汚れは落ちなかった。

靴は、少し赤色が見えるようになっていた。

里子は、その日の帰り。交通事故で亡くなった。




里子のことをすっかり忘れてしまったマコトは、6年になっていた。

進級祝いに母親が、赤い靴を買ってくれた。

真ん中に大きなリボンがついていて、ブランドのロゴがついた靴だ。

ある日の帰り。マコトが、学校から帰っていると、

「マッカナクツ、マッカナクツ、ヨゴサレタ、ダレカナ、ダレカナ、ヨゴシタノ・・・・・オキニイリノクツ。アンタノクツガホウシイナ!」

ザク・・・

歌が終わると同時にマコトは、地面に叩きつけられた。

気がつくと、足がなくなっていた。

「助け・・・」

マコトは、気がつくと棺桶の中だった。

「死んだの?」

ゴオオオと音がして熱くなってきた。

息ができなくなって・・・視界が真っ暗になった。




・・・赤い靴には、皆さんお気をつけて。あっ・・・そこの方、赤い靴を履いていらっしゃる・・・えっ?ふふ、何でもありませんわ。
では、またお会いしましょう!

So goodbye every body

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