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だって僕は君が好きなんだから
作者: 呉服  (総ページ数: 6ページ)
関連タグ: カニバリズム 愛してる   
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*4*

供述4


それから僕は君に出会うまで4人の彼女を同じように食べて、幸せに過ごしたんだ。
でもさ、思わなかったよ?僕の最後の彼女の事を、君が好きだったなんて。

怒らないでよ。だって僕を選んだのは彼女なんだから。君じゃなくね。
でもね、きみが惚れただけの事はあったよ彼女は。
だって僕のこの飢えを知ってなお…僕が愛した人を食らってしまう性質だったってことを知ってもなお、僕を求めてくれたんだから。

彼女と出会ったのは、ここの側だよ。彼女あそこのレストランのウウェイトレスだったんだよ。あぁ、知ってるよねそんなこと。
そこで僕に一目ぼれしたんだろうね、彼女の方から僕に食いついてきたんだ。
まだその時僕は消化中で愛しい彼女と幸せに溺れていたから、彼女に興味はわかなかったんだけど。
愛しい彼女の味を思い出せなくなってきて、どうしてかなぁと考えたら、僕もいつの間にか君の好きだったウウェイトレスに惚れてたんだ。

そして彼女に甘噛みをして、噛み付いて、いざ食べようとしたら、なんて言われたと思う?
だって僕ナイフ持ってたんだよ?なのに彼女こういうんだ。
それでも好きだって。愛する人に丸ごと食べられるのは幸せだって。
僕さ、あのとき感動しちゃったよ。やっと理解してくれる人を見つけたって思ってさ。
ナイフを捨てて外に飛び出して、結婚指輪を買ってしまうくらいにね。
戻ってきたら彼女はまだ僕を待っていて、それどころかシャワーまで浴びてさ、きれいな体で待ってたんだ。
僕は彼女に、泣きながら言うんだ。君を永遠に愛します。結婚してくださいってね。
こんなに僕を最後まで愛してくれた人なんていない。君が大好きだ、愛してる、食べてしまいたいくらいに…。
そうしたら彼女指輪を嬉しそうにうけって、じゃあ食べても良いよって…。

ねぇ泣いてるわけ?
いつも強気であんなに意地悪な君が?どうしたらいいかわかんないよ…。
なにそれ。ナイフ?僕が最後に彼女を食べたときの?
ねぇそれって証拠品だよね。君が独り占めしてたら、操作に滞り出ちゃわない?
…刺したいの?僕を?
いいよ、だって僕は幸せなんだもの。


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