完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

恋乃手紙
作者: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU  (総ページ数: 61ページ)
関連タグ:
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~

*18*

私は、学校へは少し早めに行った。
思った通り。
教室には俊しか来ていない。
「昨日のことなんだけど…」
私は、カバンを下ろし、言い始めた。
「…付き合ってもいいよ。」
そう言った途端、
俊が久しぶりに、ニカっと、あの笑顔になった。
最初は、その笑顔が、有季に似てる、と思って憎らしかった。
でも、今は違う。
俊の白い歯が、朝日に反射して、

綺麗だった。

俊の目が、黒いふちめがねの奥で、輝いている。
本当に好きになってしまいそうだ。

ヤバい。
その顔、ステキです…
「何、赤くなってんだよ。」
「え!?」
私は反射的に顔を押さえた。
「フツー、赤くなるのが、告ったこっち側だろーが。」
と、俊も言いながら、赤くなってる。
「……あたしより、顔、真っ赤じゃん。」
俊が、目を逸らした。
そして制服のホックを外し、俊は筆箱をいじり始める。

それから、少し経って、ぞろぞろと、クラスメイトが教室に入ってきた。




17 < 18 > 19