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恋乃手紙
作者: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU  (総ページ数: 61ページ)
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10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~

*33*

「おはよう~。」
待ち合わせはバス停の前。
俊はもう来ていた。

「私、遅れた?」
「いや、全然遅れてない。だって…」
ガタガタ。
「今、バス来たから。」
本当だ。

映画館があるショッピングセンターまでの直通のバスがあって、俊と私はそれに乗るのだ。
さあ、乗ろうっと。

「あ~間に合った!!」
後ろから甘ったるい声が聞こえる。

振り返ると…
麗子と有季がいた。
猛ダッシュで走ってきたようで、息が上がっている。
2人もデート?

「おお、澄怜!それに俊も!」
有季が手を振った。
「お前らも映画か?」
「ああ。アニメの最新作、観る。」
「俺たちもだぜ。偶然だな!」

騒ぐサッカー部男子2人に比べ、
…こっちは何なんだ。

女子2人の空気はピリピリしている。
「良かったねぇ~澄怜。大好きな人が2人もいて。」
と麗子が小声で言うからだ。
ムカつく。

「早く、バスに乗ろう!」
私は言った。

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