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恋乃手紙
作者: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU  (総ページ数: 61ページ)
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10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~

*38*


「じゃあ、1つ言うこと聞いて。」
10秒後、私は俊にプリクラ機まで引っ張られていた。

あげたぬいぐるみと引き換えに、プリを撮れと言うのだ。
別に構わない。
ぬいぐるみ無しでも、一緒に撮ったのに。

プリは1回400円だから、割り勘して、200円ずつ入れる。
美白だの、ナチュラルだの、そういうコースと人数を選ぶ。
「ハイチーズ」
プリクラ機の、機械的な女性の声がした。
一応笑ってピースする。
自分でも笑顔が引きつっているのが分かる。
だって…
「もしかして、澄怜、プリ撮んの初めて?」
…図星だ。
「大丈夫だって。」

次の撮る時…

!?

俊が私を引き寄せた。
そのままキス。

一気に顔が火照って、足がすくむのが分かった。
めっちゃ顔が近い。
俊のメガネが見えた。
どうやって息をすればいいか分からない。

「俊、もうすぐプリ機が、撮っちゃうよ…」
「いいの。」

俊は、長く、甘く強引にキスをする。
パシャと音がした。
それでも、俊は私を離さない。

やっと俊は唇を離した。
「俺から離れないで。他のヤツを好きにならないで。」
「何でそんなこと、言うの?」
「アイツに取られそうで不安だから。」


もう一度、俊はキスをした。
さっきより、少しだけ深かった。

パシャパシャと、シャッター音が、横から聞こえた。


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