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数学恋草物語 Chapter4
作者: 恋音飛鳥  (総ページ数: 8ページ)
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*4*

 共有スペースは、宿に泊まっている様々な人でにぎわっていた。
 別室と思われる男子同士で話しているセミナー生や、他にも小さな子が絵本を読んでいたり。
 そのスペースの一角の机に九石を見つけ、走っていく。
「おーい、九石!来たよ!」
「…あぁ、来た。」
私はすぐに九石の向かいの席にストン、と腰かける。
「で、面白い問題って?」
「1と0.999999999999…、どっちの方が大きいか。」
は?
「…馬鹿にしてるの?等しい、でしょ」
「正解」
まさか、それだけ!?そんなこと小学校の頃から知っていた。
「…この問題を様々な方法を使って証明する。先にネタが切れた方の負け。今日のお前の算額のリベンジ、してみろよ」
なるほど、そう言うことか。確かに、数学のいいところは、答えにたどりつくまでに様々な方法があるところ。そして、いずれを使っても、たどり着く答えは必ず等しいという所にある。その道をたくさん見つけるのも楽しいだろう。
「いいよっ!今度こそは勝つからねッ!」

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