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罪人の娘 「end」
作者: 水沢麻莉衣  (総ページ数: 27ページ)
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10~ 20~

*11*

「お姉ちゃん!ごめんねっ!!」

海斗のいえに着くと同時に娘があたしらを迎えた。
ん、明日香。
紫色の髪を今日もハーフアップしていた。

海斗にには似ているが、母親のほうに似たな。
残念なやつめ。

で、あたしは。
ドタキャンされたのである。
海斗に。

「パパね、具合良くないの…ごめんねって言ってたよ…、お姉ちゃん…とくにお姉ちゃんにごめんねって」

行かねばならない仕事を休んだのだぞ?
ーーーお前のために!!
が、仕方ない。
病気とはそうゆうものだ。

先天性心疾患。
海斗の病名である。
手術はしているものの、ほとんど失敗におわる。
普通ならとっくに治る病気だが、海斗の場合は呼吸器も良くないため、上手くいかないのだという。
主治医は姉さんである。

「チクショウ!!!ったく、仕事いってくる!!」

「あーん、ミルカちゃん待ってよー!」

こうしてあたしは結果、仕事に向かうのだった。

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