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罪人の娘 「end」
作者: 水沢麻莉衣 (総ページ数: 27ページ)
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作者: 水沢麻莉衣 (総ページ数: 27ページ)
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*12*
「これはこれは。不機嫌ですね、司令」
「んなことねぇが?」
「あきらか不機嫌じゃないですか」
ハルトはどうしたんですか?とあたしに問うが、答える気はない。
ドタキャンされたのである。
悲しき事態。
なきそうだぞ、お姉さんは。
窓ガラスを覗けば、ルフェリの付属病院が少々姿を見せている。
海斗の入院場所。
そして、病に侵された海斗を捨てるかのように海斗の「ダミー」を造った。
つまりはクローンである。
本家ではダミーと呼称される事が多い。
海斗はほんものである。あたしのすきな海斗はほんものである。
ダミーは兄である秋斗に外見は似せており、白衣を着ている。そいつが院長を継いだのだ。
本来なら海斗が着るばずの白衣をまとい、院長を名乗っている。海斗のダミーのため、頭脳も全く一緒の明晰なやつなのだ。
・・・海斗は院長を名高いルフェリの当主がダミーに任せたことをとても恨んでいる。
自分のダミーなどいていい気持ちになるはずがないのだ。
海斗はそれから白衣を全て捨てた。
全てを娘に捧げている。
ーーーー親馬鹿であるが。
またそこが可愛いのである。
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