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罪人の娘 「end」
作者: 水沢麻莉衣 (総ページ数: 27ページ)
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*紹介文/目次*
プロローグ
あたしは罪を犯した。
してはいけない罪を。
罪の重さを知ったのはいつ頃だろうか。
ああ、そうだ。
あのときか。
あたしがいけない。
あたしが。
でも何もしてないじゃないか。
したのはーーあいつだ。
あいつ。
だが、あたしが悪い。
何がわるいか?
生きてることがだ。
彼にとってあたしは罪そのもの。
この世はさ、みんな何個もの仮面被って生きてる奴らばっかだ。
おまえもな。
割れた。
もう良心なんてあたしにはない。
持ってたってさ、意味ない。
割れた。
なにが?
こころが。
汚いよな。
んな奴らばっかだし。
この王国もこの街も。
みんな汚染されてる。
あたしは汚い。
この世では一番汚い生き物らしい。
同じ人間を。
汚い生き物だと言うんだ。
仕方ないけどさ。
おまえもさ、気づけよ。
あんただって、偽善者だ。
え?
あたしもだよ。
だってあたしはさーー、
罪人の娘だから。
10~ 20~