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君と紡ぐ二人の時間
作者: 豆狸 チェリー  (総ページ数: 17ページ)
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10~

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第 3 章 ( 後編 )
恋わずらい

7月
あっという間に時は過ぎていった。
俺は毎日のように柊のもとへ行った。
少しでも長く、一分でも、一秒でもあいつと時間を共有したかった。

そう・・・

ただ、それだけだった。

タイムリミットは、あと1ヶ月
バカな俺は、柊の気持ちをこれっぽっちも考えていなかった。


「 凍夜さん、あと一か月ですね。」

「 ああ、お前とおさらばできるなんて嬉しいぜぇ。」

「 そうですか・・・」

素直になれない自分が、恨めしかった。

最近、柊はあまり笑わなくなった。
やはり、死ぬのが怖いのだろう。
時間がないのはわかってる。

でも、この気持ちを伝えるのが怖い。
伝える方法もわからないんだ・・・

「 凍夜さん、最後まで一緒にいてください。私はそれだけで満足です。
私は、凍夜さんのこと・・・」

「 おいっ! 菊一 柊、 しっかりしろ!」

その日、初めてあいつは俺の目の前で倒れた・・・

必死に握ったその力のない小さな手はもう、温かさを失っていた。

それから、あいつが目を覚ましたのは三日も後だった。

なぜ、俺は気づかなかったのだろうか・・・
衰弱しきった体、より白く染まった肌。
苦しさを紛らわしている作り笑い。

もう、前の彼女ではなかった。

残り27日。

あいつ、いや、柊は寝たきりとなった。



救いたい、助けたい、生きてほしい。

好きだと伝えたい。



そして、俺は・・・



禁忌を犯した

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