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君と紡ぐ二人の時間
作者: 豆狸 チェリー  (総ページ数: 17ページ)
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10~

*12*

第 4 章
〜 君がいるならそれだけで 〜

「 なんだと!? 虫けら同然の人間を・・・ 何を考えているんだ!
凍夜!」

「 延命など許さん! あの頃のお前はどこへ行ってしまったんだ!」

今、俺は死神界で大勢のブーイングを受けている。
それもそうであろう。
なんせ、俺は死神界へ帰るなり、掟を破ろうとしたからだ。
それは・・・

?「 凍夜よ・・・」

「 だっだだだ大王様!いつお目覚めになられたのですか!?」

「 お聞きください大王様! 凍夜ときたら、とんでもないこと
を・・・」

あたりが一斉に異様な空気へと変わった。
重苦しいこの空気を放っているのは死神界のトップである大王。
俺はこいつに話があって、戻ってきたのだ。
みな俺を冷めた目で見ているが、そんなのどうでもよかった。

「 大王様! 話があり、私は戻ってきました。どうしてもすぐに聞き
入れていただきたい望みがあるのです!」

「 今までの成績、仕事量からみても、お前は非常に優れている。なんで
も申してみよ。」
揃ってみなが顔を下へと向ける。


「 俺が今担当している、菊一柊の寿命をのばして欲しいのです。」

「 うむ・・・」

大王は、眉間にしわをよせ、黙り込んでしまった。
あたりにしばしの沈黙が流れる。

そうして、答えは・・・


「 いくらお前でも、その望みを叶えてやることはできぬ。」

「 そうですか、なら・・・」

冷たい空気にまわりが包まれていく。
こうして俺は禁忌を犯す。

「 柊のために、この力を振るうだけだ!!」

「 なっ・・・」

俺は、王の護衛を次々となぎ倒し、遂に王の目の前へと来た。



「 大王っ 覚悟ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


しかし、俺はこの後絶望した。

「 えっ・・・」

跪いていたのは、俺の方だった。
何が起きたのかもわからなかった。
力が出ない・・・
指先でさえも、満足に動かすことができない。

「 凍夜よ、貴様を謀反の罪で100年の禁固刑に処す。」

「 まっ待ってくれ! 俺はまだあきらめられない!
一年でもいい! 半年でも、一日でもいい! 柊と少しでも長く
一緒に過したいんだ!!」

「 つれていけ・・・ 」


「 罪人めっ 愚かなマネを・・・ 」

「 さっさと歩け!」


ガシャンッ


厳重に隔離された檻に重たい錠の音が響く。

だ、ダメだッ 俺はまだ!

「 待ってくれ! 柊がっ あいつが待っているんだ!
ここから出してくれ!!」

耳を傾けてくれる者はいない。

残り 25 日

「 もう、時間がないんだ・・・」



「 うわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」


この日、初めて俺は、悲しみと苦しみを知った。

無力で情けない。
俺はどうすればいいんだ・・・


もし、本当に神がいたなら・・・


俺は・・・



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