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第 4 章
〜 君がいるならそれだけで 〜
「 なんだと!? 虫けら同然の人間を・・・ 何を考えているんだ!
凍夜!」
「 延命など許さん! あの頃のお前はどこへ行ってしまったんだ!」
今、俺は死神界で大勢のブーイングを受けている。
それもそうであろう。
なんせ、俺は死神界へ帰るなり、掟を破ろうとしたからだ。
それは・・・
?「 凍夜よ・・・」
「 だっだだだ大王様!いつお目覚めになられたのですか!?」
「 お聞きください大王様! 凍夜ときたら、とんでもないこと
を・・・」
あたりが一斉に異様な空気へと変わった。
重苦しいこの空気を放っているのは死神界のトップである大王。
俺はこいつに話があって、戻ってきたのだ。
みな俺を冷めた目で見ているが、そんなのどうでもよかった。
「 大王様! 話があり、私は戻ってきました。どうしてもすぐに聞き
入れていただきたい望みがあるのです!」
「 今までの成績、仕事量からみても、お前は非常に優れている。なんで
も申してみよ。」
揃ってみなが顔を下へと向ける。
「 俺が今担当している、菊一柊の寿命をのばして欲しいのです。」
「 うむ・・・」
大王は、眉間にしわをよせ、黙り込んでしまった。
あたりにしばしの沈黙が流れる。
そうして、答えは・・・
「 いくらお前でも、その望みを叶えてやることはできぬ。」
「 そうですか、なら・・・」
冷たい空気にまわりが包まれていく。
こうして俺は禁忌を犯す。
「 柊のために、この力を振るうだけだ!!」
「 なっ・・・」
俺は、王の護衛を次々となぎ倒し、遂に王の目の前へと来た。
「 大王っ 覚悟ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
しかし、俺はこの後絶望した。
「 えっ・・・」
跪いていたのは、俺の方だった。
何が起きたのかもわからなかった。
力が出ない・・・
指先でさえも、満足に動かすことができない。
「 凍夜よ、貴様を謀反の罪で100年の禁固刑に処す。」
「 まっ待ってくれ! 俺はまだあきらめられない!
一年でもいい! 半年でも、一日でもいい! 柊と少しでも長く
一緒に過したいんだ!!」
「 つれていけ・・・ 」
「 罪人めっ 愚かなマネを・・・ 」
「 さっさと歩け!」
ガシャンッ
厳重に隔離された檻に重たい錠の音が響く。
だ、ダメだッ 俺はまだ!
「 待ってくれ! 柊がっ あいつが待っているんだ!
ここから出してくれ!!」
耳を傾けてくれる者はいない。
残り 25 日
「 もう、時間がないんだ・・・」
「 うわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
この日、初めて俺は、悲しみと苦しみを知った。
無力で情けない。
俺はどうすればいいんだ・・・
もし、本当に神がいたなら・・・
俺は・・・