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*2*
第 1 章 ( 前編 )
〜出会い〜
「おーい!凍夜仕事がきてるぞ」
「あっ どうもっす。」
漆黒の髪に、透き通るような純白の肌、どこか寂し気な表情は
彼の美しさをより一層と際立たせている。
凍夜と呼ばれたその少年は、今日もまた、たんたんと仕事を
こなしていた。
死神界で彼のことを知らない奴はいない。
感情をどこかにすべて置いてきてしまった人形。
人間はくだらない生き物だと思っている。
子供にあるはずの無邪気さがない。
みな彼を哀れみの目で見ていた。
しかし、そんな中・・・
『あれっ? 凍夜じゃん!! こんなとこでなにしとんのかな〜』
「光魔先輩、氷魔先輩。いきなり来ないでください。」
のん気に凍夜に話しかけてきたのは、先輩である、光魔と氷魔。
よく凍夜の世話を焼いている。
みな凍夜から遠ざかるが、この二人は、凍夜の唯一理解者で、
兄のような存在だ。
「そんなに働きっぱなしで平気なのか? 光魔兄ちゃんは心配だ。」
「 Me too!! 氷魔兄ちゃんもだよ〜」
「 俺に兄はいません・・・」
『冷たいこと言うなよ〜』
「そういう時だけ、息ピッタリですよね。」
「まあまあ、そう言うなって、一つアドバイスだ。」
呆れながらも、凍夜は光魔に問うた。
(どうせ、いつものように、くだらない話さ。)
「はぁ、何ですか? 光魔さん。」
「 今回は、お天気荒れるぞ〜。」
「はっ? 」
『それじゃあ、 またね〜』
「 本当に、 意味わかんね。」
この時、凍夜は思いもしなかった。
まさか、 あんなことになろうとは・・・
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