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第 2 章 ( 前編 )
〜運命〜
俺は、今死後の世界にいる。
俺は考えていた。
普段まったく使わない、いや、使いたくもない脳みそで考えていた。
たいていの人間は『死』に対する恐怖がとてつもなく大きい。
だが、あいつは違った。
普通にスルーした。
顔色一つ変えなかった。
「 なんでだ・・・」
意味がわからない。
もう、かれこれ 1 時間は経過した。
「 あれれ〜? 凍夜君、なに変な顔してんの〜?」
「 おい、失礼だぞ氷魔、正しくは、マヌケな顔して・・・だ。」
「 光魔先輩、氷魔先輩、 黙ってください。」
本当に嫌なタイミングでこの人達は現れる。
しかも超失礼だ。
「 何しに来たんですか。」
「 いや〜、だってさ〜、ね〜。」
氷魔先輩がじらす。
「 あ〜そうだな〜」
光魔先輩までじらした。
イライラする・・・
「 いい加減にしてください! ようがないなら帰ってください。」
「 しょうがないな〜。 光魔兄ちゃん、教えてやって〜」
「 あ〜、凍夜が最近働きっぱなしだったから〜、簡単な仕事を〜
持ってきてやったんだよ〜。」
「 はい、ど〜ぞ〜。」
氷魔先輩の手には、一枚の死人のリストがあった。
「 普通は、一週間の間に死ぬ人を担当するのが当たり前だけど〜」
「 今回は、上のお偉いさん達も許可してくれたから。」
「その仕事やりきるまで、他の仕事禁止ね〜。」
『 それじゃあ、 バイナラ〜。』
「 えっ!? ちょっまっ・・・」
すでにもういなかった。
いつも突然現れて突然、消える。
本当、大迷惑・・・
「 しょうがない、目を通してお・・・」
「 え!? は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
信じられなかった。 俺は何度も何度も自分の目を疑った。
そのリストに載っていた名前は・・・
「 菊一・・・柊・・・。」
頭が、 真っ白になった・・・。