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繰り返される永遠の物語〜魔法界編〜
作者: 夕月カレン  (総ページ数: 27ページ)
関連タグ: ファジー  王国 
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10~ 20~

*15*

story?* 蘇りし『双子神』
1*オルゴール

****************

「は、ははっ。ボクらはね、リリア神。争ってはいないんだ。
だから、引き取ってくれないかい?ああそうだ。
お兄さん神とお話したらどうだい?」

ルシアさまは必死にリリア神が帰るように仕向けていた。
だが、リリアと呼ばれる少女をわたしは知っている。
そしてカオルくんも、知っている。

「…はぁ。
なぜ君がここにいるんだい?ルリ」

リリア神に声をかけたのはーーーカオルくんだった。
リリア神はルリと呼ばれていた。

燃えてしまい、周辺には何もなくなっていたこの場はしらけていた。
もうなんの声もしない。

「ーーーえー?ここにいては駄目なの?ルリは。だってここ、学院だし。ルリの場所でもあるでしょ?ね?
違うかなぁ?」

「…はぁ。」

カオルくんはため息ばかりした。
困ってる?
困ってるよ。
なんでほんと、この子困らせてばかりなの?
自覚ないのか、この子。
こんな時にこんな事を考えていた。

「ふふっふふふふふっ!!!!!!
遊んでくれてもいいじゃない?遊ぼうよおおお!だってルリ、暇なんだもん」

「ボクはまだ仕事があるから。ごめんね、リリア神」

「え?
どっちが大事なこと?ルリが…稟璃海が遊んであげるって言ってるんだよ?」

そう言ってルシア神を除く。
その時の顔は殺気が丸出しだった。
わたしに向けられた殺気ではないのに恐怖を感じた。

ーーー待って。
なんでカオルくんは分かったように水無月さんと話をしているの?
なぜ?
神だと知ってるの?
神と分かって話すカオルくんが不思議でならない。
わたしはカオルくんを見た。
カオルくんは、いつも通りだ。

「だから、リリア神ーーーぅうっ!?ぐはあっ…あっああってあうっ…」

「ルシアさま!?」

「っルシア!」

神々の声にもルシアさまは反応を示さなかった。
水無月さんだったはずの少女は、20代くらいの金髪のロングヘアのハーフアップした女性に変わっていた。
ーーーー!?
水無月さんはどこにっ?
たった一瞬で…っ!

『久しぶりのこの身体だなぁ。ふふふっ。
おかえり、って言ってくれないの?みんなひどいなぁ。
ーーー蘇ってしまったみたいな顔、しないでよ』

「ーーー稟璃海さま…」

神々はそう言い、それからの言葉は失っていた。
それ程に恐ろしい神々なのだろうか?

『あれ?リリィはいないの?稟璃海はいるのにぃ』

「……」

彼女の目は、赤くなっていた。
赤くて、なにを考えているのかわからない。
この人はーーー普通じゃない。

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