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*17*
「あのこは幸だったかしら?私なんかの子でーーー良かったかしら?」
「美嘉も喜んでくれてるさ、な?ユイ」
「でもあの子はーーー私の事をーーー」
「美嘉はお前をちゃんと分かってくれてるよ」
****************
「…っあ…うっうう…ああっ…かあさ…んっ…ごめ…っな…さっ…」
わたしは涙を止められなかった。
ひとり、泣いていた。
神様たちはわたしを黙って見ていた。
「あのね、美嘉ちゃん?これでーーー」
ルリこと稟璃海神は口を開く。
そして残酷なことを告げる。
「終わりじゃないからねーーーー?」
「え?だって…これで…わたしも思い出したし…っ…」
「あのねぇ。世の中そんな甘くないから」
ーーー世の中甘くない…?
なんで…どういうことなの…?
戦争はこれでーーー
終わらない?
「終わるわけないじゃない?貴女ひとりの事情で終わる?終わらないよ。」
「そうよ。世の中は貴女中心で動いてないわーーー」
レイチェルさまは冷酷だ。
稟璃海さまは残酷だ。
終わらない。
終わらないんだ。まだ。
あれほどに学院がめちゃくちゃになろうと。
誰かが傷つこうと。
誰かが死のうと。
終わらないのだ。
それが『神々戦争』なんだ。
私の、初めて見る神々の戦い。
「さぁ始めようか」
稟璃海神は不敵な笑みを浮かべる。
「これからが本番だよ。ほんとうのーーー神々戦争」
ひゃははははははははは
稟璃海神の笑い声。
笑い声だけが響いていた。
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