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繰り返される永遠の物語〜魔法界編〜
作者: 夕月カレン  (総ページ数: 27ページ)
関連タグ: ファジー  王国 
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10~ 20~

*22*


「ーーーっ、カオルくん!?」

「ーーー美嘉!良かった…怪我は?大丈夫?」

「うん…」

カオルくんもどこも怪我をしていない。
安心した。

「君、怪我を負ったんだよ、リリとの戦争でーーー」

りり?
なぜそんなに親しみを込めた呼び方を…?
とは聞けなかった。
わたしから離れてしまう気がしたから。

「怪我を?え?ーーーっう!!!」

「大丈夫…?」

いたい!!!
ほんとうに怪我をしている。
気がどうかしてた。
こんなひどい怪我なのに気が付かないなんて!

「とりあえず逃げてきたんだ。
君がまた怪我をするのを避けて」

「ん、ありがと…カオルくん…」

「お礼なんていいのに。
助けられてるのはいつもーー僕だ。」

ーーー助けられてるのは…いつもーー僕?
え?
そんなことないのに。
わたしが助けられてばかりでーー。
これは恩返しのようなものなのだ。
今度はわたしが助けなきゃって。

「リリはもうすこしすれば完全に神として回復するだろう。
そうしたら僕らは終わりだ。そのまえに、決着を付けるんだ。
ここまで来たらもうーー君だけに任せられない。」

「…ほかに助っ人が?」

「ーーーラフェル王国の唯一の光の魔女…。」

「!レイコちゃん!」

カオルくんは私の方をみてうなづいた。
ラフェル王国で一番光の魔力を持つ者。

「彼女は大きな力になる」

「今どこに…?レフトくんを探しにいったきりだよ」

「呼び出すよ。
呼び出しの陣を書き、魔法をとなえる。」

「カオルくんはーーー水の魔法の持ち主でしょ?
呼び出しの陣なんて大きな負担がかかるよ!駄目!」

「そんなこと、言ってられないだろ」

ーーー!!
言い方が…、怖い…?
冷たい瞳がわたしを見下ろしている。

「…でもっ…」

「君にはやれないよ。大分、血と魔力が流れてしまったからね。今は僕の他にいないだろ?」

「……」

カオルくんは私の意見を聞かずにどんどん陣を書き上げていく。
ーーー呼び出し魔法…。
闇の魔力の持ち主だけが、得意とする魔法…。
普段のわたしなら余裕で魔法を使えただろう。
だが、わたしは彼の言う通り、今は無理だ。
魔力が流れーーー、もうほとんど魔力が残っていない。
魔力は半分消費すれば、死に至ることもあると聞く。
わたしは大分危険なのだろう。

「ーーーごめんね。君にそんな青い顔をさせる気は無かったんだ。
許して。こうするしかないんだよ」

わかってる。
わかってるけど、わたしは。
カオルくんが魔法を使うことのリスクを知っている。
水の魔法の持ち主であるカオルくんが闇の魔法を使うことのリスクを。
カオルくんも恐らくわかってる。
そう。
魔法を使うことは。
闇の魔法を使うことは。
魔力を半分以上消費するということ。
だからわたしは頑張って!なんて言えない。
だって。
わたしはわかってる。
これは。

死に至るということをーーーー。

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