完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

繰り返される永遠の物語〜魔法界編〜
作者: 夕月カレン  (総ページ数: 27ページ)
関連タグ: ファジー  王国 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~

*24*

「はぁ…っ、カオルくんぅん…っつああああっ…!!」

「!?神無月くん!?」

カオルくんが…!!
カオルくんが……!!
死んでしまう!
どうしよう、どうしよう!!

「はああっ…つぁあああっ…ああああああ!!!」

「美嘉ちゃん!落ち着いてっ…大丈夫だから!」

「ーーーっでもおぉっ…ああああああ!!」

カオルくんが!!
いつも助けられてばかり。
わたしはどうしたら君を助けられるのーーー。
助けたい。
君を助けたいよ。

君と生きる時間が。
君と同じ時間が。
わたしはもうすこしでもいい。
ほしかったよ。
だから。
やるしかないんだよ。
君のためにもーー。
やってみせるから。
君の死を無駄にはしない。
わたしがこの、戦争を止めるから。

「神無月くんどうしたの?」

「ーーーレイコちゃんを呼び出すために魔法をーー使ったのーー。
わたしたちのためにーー」

「…。どにかするよ…。わたしもなにか、できるわ。手伝うから。何かを手伝うわ。手伝うことは?」

「ーーーもっと他の子もいてほしい。人手も必要だから。」

「わかったわ。シェルターには…戻れないけれど…?」

そうだ。
シェルターはもうあの時…破壊された。
いや、封じられた。

「お困りかい?」

「きゃああああああ!!!」

「ははっ、ボクは見方だよボクはね。」

「…貴方は?」

「……ボクかい?ボクはねーーールシアだよ」

「るしあさま?」

「ふふ。その通りさ。」

「んなわけないわ!!だれなの!!早く言いなさい!」

レイコちゃん!?
んな、大きな声でーーー!!

「…っ、静かに。稟璃海にバレてしまうからね」

ーーー稟璃海!!
その名前にわたしは恐怖を覚えていた。
あの時の金髪のハーフアップの女性神だ…。
やだ!!!
こわいっ!
わたしはその人とまた戦わなければならないーーー。
カオルくんのためにも。

「協力しよう。ボクはこの世界を司るからね」

「ーーありがとうございます」

「美嘉ちゃん!?信じちゃ駄目よ!!わかんないのよ!?こんな人!」

大丈夫。
その人はさっきクレアさまと戦っていた神様。
つまりはーーー本物のルシアさまなのだ。
わたしはこの人に助けられた。

「大丈夫、レイコちゃん。信じてーーー」

「ーーー美嘉ちゃん、でもっーー」

カオルくん、お願い。
力を貸して。

「倒れている彼はきみのーーー?」

「はい、友達…でもないけど、大切な人なんです。」

「そうか。」

ルシアさまは笑った。
ルシアさまはほんとうにわたしたちの力になってくれるらしい。

「カオルくんーーー絶対助けるから」

優しく微笑むカオルくんの顔がみたいから。
君の笑う顔がみたいから。
そう思ったから。

『君が居てくれて良かった。君に会えて良かった。』

思い出すはきみの微笑んだ、笑ったその顔ーーー。

23 < 24 > 25