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繰り返される永遠の物語〜魔法界編〜
作者: 夕月カレン  (総ページ数: 27ページ)
関連タグ: ファジー  王国 
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10~ 20~

*3*

story2 鏡の向こうの『ルリちゃん』

****************

「・・・ふぅ。疲れちゃった」

ルリはへとへとになりお姫様のねむるようなベッドに倒れ込む。
・・・今日は神様がどうとか、葵のこととか色々ありすぎてたいへんだったな・・・。
葵・・・赤城美嘉のことが好きなの?

「ルリ様。お疲れでしょう。お休み下さい」

「うんありがとう。もう寝るよ」

・・・葵・・・電話すれば出るかな・・・?
無性に声が聞きたい。
ねぇ、葵。
貴方はいま誰を思っているの?

『・・・ルリちゃんはね』

「えっ!?かかか、神様っ!?」

いきなり声がする。
・・・ルリの願いを叶えてくれるという神様。
あ、そっか。
ルリの中のもう一人のルリちゃんなんだもんね。
そりゃルリにだけ聞こえるわけか。

『ルリちゃんね、殺人鬼って呼ばれてたのよ』

へ?殺人鬼・・・?なにそれ・・・。
さ、殺人鬼・・・?
ルリちゃんが・・・?え、あ違う。稟璃海ちゃんが・・・って事だよね・・・?
え、なんで・・・?
そんな殺人鬼が・・・ルリの中にいるの・・・?

『ルリちゃんはね・・・殺人鬼神だから・・・神々の世から追い出されたの・・・。追い出されて・・・身体をぐちゃぐちゃにされたルリちゃんは・・・、この世界に降りてね、貴方の身体を借りたの』

・・・ぐちゃぐちゃにされた・・・?
神々の世で?
神様の世界でぐちゃぐちゃにされたの・・・。
ルリちゃん・・・稟璃海ちゃんが・・・?
逃げてきた、と言うこと。

『ふふ。まだね、ルリちゃんを探してる神様がいるから・・・逃げてるの。だからルリちゃんには感謝してる。だってーーー身体を貸してくれるから。ちゃんと返すから。安心してね、ルリちゃん』

・・・返すから。
その言葉は信じてもいいの・・・?
だってルリちゃん・・・

殺人鬼神・・・

『みんなそう言うの。ルリちゃんは殺人鬼だからって。近寄るな。触るな。って。貴方もルリちゃんを避ける・・・?逃げる・・・?』

わたし・・・ルリは・・・。
逃げないよ・・・。
ルリちゃん・・・。

わたしは逃げてきた神の事を考えていた。

****************

気づくと身体を乗っ取られるような感じの神様ーーー。
ルリちゃんこと、『稟璃海』。
ルリの身体を乗っ取るつもり・・・とかじゃないらしいが、少しは不安が残るのも無理はない。
何せ、彼女は殺人鬼神なのだ。

ルリちゃんはいつからルリの中にいるの・・・?
もしかしてずっと・・・ルリの中にいるの・・・?

『ルリちゃんはね、貴方が小さい時から知っている。だって、貴女が産まれてすぐに取り付かせてもらったの。
身体がないとね色々不便だから。
困るの。それにね、ルリちゃんの身体、すごく馴染みやすかったよ。ありがとう』

「うん、どういたしまして・・・ルリちゃん」

『安心して。必ず叶えてあげるから。
赤城美嘉は居なかった事になる。それでその葵って子も貴方のもとに戻るよ。』

願いを・・・叶えてくれる・・・。
ルリちゃんほんとに神様なんだーーーーーー。

『そのうち、神々への復讐もさせてもらうね♪ルリちゃんの身体、すごくいい。
稟璃海の身体が戻るまででいいから。貸してね。』

ーーーールリちゃんは不敵な笑みを浮かべたーーーー。

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