完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*6*
「はぁっ・・・はあっ!」
「・・・ルリ!大丈夫?」
カオルくんは息の切れたルリ・・・さん・・・を気遣う。
あ、ルリって読んじゃった・・・。
「うん、大丈夫。ありがとぅ、葵ぃ」
「よかった。じゃ、もうすこし走って」
うん、と答えるルリさん。
安心したのか、カオルくんは優しい声をした。
そして私たちは走った。
ひたすら走った。走った。
息を切らせ、ゼェゼェになっても、走った。
全てを忘れてただ、ひたすら走った。
・・・疲れた。
とても疲れた。
でも。
そんなことを気にしている暇はない。
「・・・大丈夫かなっ、いいのかなっ?先生たちは?」
ルリさんは心配をした。
カオルくんは宥めていた。
すこしくらい、黙って走ってよ。
カオルくんだって心配なはずだよ・・・!
どうするの?なんてみんなが思ってるよ。
それでも・・・。
神々は戦争を続ける。
戦争は終わらないーーーー。
窓ガラスはめちゃくちゃに割れる。
次々と割れていく。
神々はそんなのお構いなしだった。
バリぃぃぃぃぃぃぃっ・・・
なんの音・・・?
これは窓ガラス。
また窓ガラスが割れる。
「・・・うっぐっ・・・・・!」
突然、後ろから悲鳴ーーー?
振り向けば、カオルくんの心臓近くにガラスが、刺さっていた。
・・・っ!?なんで・・・っ!?
カオルくん!!
「葵っ、ごめんね!私の代わりに・・・っ!」
「大丈夫だよ、ルリ」
・・・あっあああああああ・・・っ!
カオルくんが・・・!
麻痺し始めてる・・・っ!
どうしようっ
どうにかしなきゃあああああっ!
バリぃぃぃぃぃぃぃ!
また割れた。
「おいっ!大丈夫かっ!こっちだ!来い!」
声がした方に振り向けば、ベリーピンクのウエーブしたセミロングの女性が立っていた。
PR