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*13*
翌朝、暑さで目が覚めた。じっとりと汗をかいてしまっている。
部屋の空気もよどんでいる。
私は、ベットから抜け出し、窓を開け放ち換気をした。
サワサワと朝の爽やかな風が私の頬をなでた。
爽やかな風。
爽やかな朝…。でも、私の気持ちは沈んでいた。
今日、舞が来る。
舞の表情が、脳裏にこびりついて離れない。
舞のこえが私の耳に染み付いている。
あれは見間違いだ。
いや…でも、もしかしたら…。背筋が冷たくなる。
これ以上、舞のことを考え続けるのはまずい。
私は、気分を変えるために、洗面所へ行き、顔を洗った。
少し、スッキリした。
それから私は自室へ戻り、着替えを済ました。
階下へ下りようと、手すりに手をかけた時、
卵とパンの焼ける匂いがふわりと風にはこばれて、私の鼻をくすぐった。
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