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壊れた後の物語
作者: 彩都  (総ページ数: 20ページ)
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10~

*10*

彼女は崩壊した。
精神を肉体を人格を感覚を心を。
僕は一人の人間を破綻させてしまった。
だけれどこれから監禁される人を守れたと思えるからそれで良い。
流石にこの声は最友さんにもバレたようで。
「どうしたんだい!?」
最友さんは驚いている。
何せこの状況だ、驚かない訳無い。
最友さんは僕の手を引っ張り、家の玄関に連れていく。
「少年よ、近くに公園がある、そこで待っててくれ」
「最友さんはっ!?」
「…後で会おう…」
最友さんはそう言って家の中に消えた。
僕はその言葉を聞いてその公園に行った。
ベンチに座って二時間が経っただろうか、最友さんが来た。
手には大きめのアタッシュケースがあった。
「最友さんこれは?」
最友さんは言った。
「君はアメリカに追放だ、というのは建前、真友に追いかけられてはダメだから、アメリカに行ってくれ、このケースに必要最低限の物は入っている、パスポートもある、金もある、もしも切れたら私に連絡をくれ、百万ドルを渡すから」
「えっあの…」
「空港のチケも入ってる、全てはアメリカに着いた後だ」
そう言って最友さんは消えた。
僕はそれに従って、単身アメリカに行った。
僕は最友さんに色々聞いた。

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