完結小説図書館
作者: リィナ (総ページ数: 7ページ)
関連タグ:
*6*
そろそろ完結しなきゃなぁ。
最終話
朝起きたら、みんなが・・・。
8男子が、いなかった。
ユーカリも、パンジーも、テントも、男子達の、部屋の荷物や家具も。
何もかも、なくなっていた。
サトミ「ブンゴ・・・ミッチー・・・シノ・・・?」
読んでも、出てこない。
サトミ「ケノ・・・シンベー・・・」
皆んな・・・どこにいるの?昨日まで、ワイワイ賑やかな声が部屋中から聞こえていたじゃん。
サトミ「ゲンパチ・・・ソウスケ・・・ダイカ・・・」
あたしは、涙が流れてくることすら、驚きで出てこない。
少なくとも・・・パンジーや、テントはあるはず・・・なのに。
─────── 誰も いない ───────
どれだけ時間が過ぎただろうか。
起きてから、ずっと・・・時間が止まったままな気がする・・・。
家には・・・あたし、1人。
シノの歌がない。ミッチーの足音が聞こえない。
ブンゴとソウスケの怒鳴り声が聞こえない。
ケノがシンベーをモフモフしている姿が、見えない。
ゲンパチのたくさんの本が、一冊も、ない。
ダイカのディジュリドゥの音が聞こえない。
みんなの声が、消えた。
いつからだろ。
8男子と毎日を過ごすことが、当たり前になったのは。
戻りたい。
昨日までの、毎日に。
・・・あれ?
本当に、昨日だったのかな。
時間が止まったままのあたしは・・・。
本当に、あたしが、里見サトミなのかが、わからない。
8男子がいなければ、あたしはただの、落ちこぼれ人間。
ダメなんだ、男子達がいなければ、あたしは、里見サトミじゃ、ない。
でも、本当に、そうなの?
男子達がいなければ、あたしはただの女子高生?
ううん。
みんなが居なくなったのは、家に帰るため。
それが、一番いいんだ。
いつかは、戻ってくるかもしれない。
戻ってこなくても、帰ってくるって、信じてるから・・・。
あたしは───────
───────里見サトミ。
男子達がいないから、里見サトミじゃない?
誰が決めたの、そんな決まり。
勝手にそう、自分で決めつけたら、ダメじゃん。
一人じゃない。
過去の、呪いがあった思い出があるじゃん。
一度は、家族として暮らしていたじゃん。
あたし達だけの・・・絆があったじゃん・・・。
なに、忘れちゃってんの、あたし。
里見家の当主が、こんな弱気じゃ、ダメなのに・・・。
そうだ。
あたしは、里見サトミ。
あたしが、里見家の当主。
あたしは、男子達と一度は家族になった、里見サトミ。
そうだよ・・・。
あたしはいつまでも────
────── 8男子の家族、里見サトミ・・・。
帰ってくる。
そう信じていれば、必ず・・・。
あたしはこの時、心に決めた。
一生、男子のことを忘れない、って──────。
あれから一年の時が過ぎ、
四月の終わり頃───。
サトミ「やったっ!ハンバーグ、上手く焼けたぁっ!・・・シノほど上手くないけどね〜」
よし!ブロッコリーと人参を飾って〜!
サトミ「やっぱり、昔より形はいいかな♪」
「そうですね。昔作ったサトミ様のハンバーグよりはいいですね。」
・・・え?
後ろを振り向くと、
シノ「サトミ様、飾り付けもお上手ですし、何より、ハンバーグの形がいいですね!」
シノがいた。
サトミ「シノ・・・?」
シノ「ただいま帰りました。遅くなってすいません。」
すると、シノの後ろから、
ミッチー「サトミ、背、ちっさくなってねーか?」
ミッチーがいた。
サトミ「ミッチー・・・!背が小さくなったんじゃ、ないよ。」
玄関につながるドアには、
ゲンパチ「人との付き合いでの疲れも、ここにいれば安らぐ。」
ゲンパチが立っている。
そして、あたしの横から、白い人形を持った子が出てきたかと思ったら、
ケノ「サトミちゃん、料理上手くなった・・・?」
シンベー「グムムグンムイムイ(美味しそうだなぁ。」
ケノと、シンベー。
サトミ「皆んな、どこに行ってたの?」
そのあと、ディジュリドゥを持った、
ダイカ「サトミ殿、久しぶりでごさるなぁ。」
ダイカ。
相変わらず、ござる口調。でも、それが懐かしい。
ダイカの後ろで、
ソウスケ「コブンゴ、邪魔なんだよ!」
ブンゴ「オメーだろが!このウサンクセ!」
ソウスケとブンゴがケンカしてる。
サトミ「皆んな・・・本当に、帰ってきた・・・!」
あたしの頬を、涙が流れてくる。
ホトホトと、ゆかに流れる。
昨日まで居なかった皆んなが、今ではあたしを囲んでる。
涙があふれて、止まらない。
サトミ「皆んなぁっ!」
あたしは、男子達の胸に、思いっきり飛び込んだ。
ソウスケ「ごめんな、一人にして。」
ゲンパチ「親戚の事情で、連絡すらさせてもらえなくてな。」
ブンゴ「サトミ、わりぃ・・・。」
サトミ「皆んな、帰ってきてくれて・・・ありがとう・・・!」
あたしの涙は、しばらくは止まらないだろう。
でも、その涙は、今までで一番、記憶に残る、大粒の涙。
この出来事は、あたし達、里見家の絆を深めた瞬間。
皆んな、帰ってきてくれてありがとう・・・。
*・゜゚・*:.。..。.:*・\\\'本当に、帰ってきてくれてありがとう\\\'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
シノ「もしもぉぉぉおおおわたしぃぃぃいいいいいいいいがぁぁあああああぁあああああああっ!!!!」
サトミ「シノぉぉぉおおお!!うっるさぁぁぁぁああああああああいぃぃぃ!!!!」
ミッチー「サトミ〜朝だぞー!」
ソウスケ「サトミィーオレ、占ってやるよー♪」
シノ「サトミ様!朝食出来てますよー!」
ゲンパチ「テストの点数、赤点ばかりじゃないか・・・!」
ブンゴ「ウサンクセ!!女子の部屋に入んなっ!!」
ダイカ「サトミ殿は毎朝大変でござるなぁ。」
ケノ「人気者だから・・・かも?」
シンベー「グムンムイムイム♪」
もーみんなうるさいよー!!
・・・でも、これがいつもの里見家。
一年前の毎日を送る、里見家。
サトミ「よしっ!朝ご飯食べてこよ〜!」
だからあたし、里見サトミも・・・
・・・・・・あたしも、里見家の立派な家族です!!
サトミちゃんちの8男子〜ドキドキいっぱいのサトミ〜
H.12.6.(日)【完結】
作者.リィナ
*・゜゚・*:.。..。.:*・ご愛読ありがとうございました・*:.。. .。.:*・゜゚・*