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私と幽霊の君【完結】
作者: クッキーコロッケ  (総ページ数: 10ページ)
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*4*


四、逝く前

俺、緑川京夜が死んだのは…事故だ。
丁度、夕方六時くらい。バスに乗った俺は、部活の仲間と帰ってた。
話している途中、バスが右に左に…と交互に行ったり戻ったりしてた。
そして、信号が赤なのに止まらず進み、他の車と激突。しかも、激突したのが
トラック。
俺は運が悪く、外に投げ飛ばされて、変なところにぶつかって…死亡。
本当、バカだな…。

京夜「ん…。ここは?」

そこは、さっきとは違う所だった。
バスもトラックも人も誰もいなかった。
ああ…死んだんだなって、その時、自覚したよ。
そして…神様に会ったんだ。

神様「緑川京夜…」
京夜「神様…」
神様「お主、逝く準備をしろ…」
京夜「…はい」

あ…でも、俺には伝えたい人がいた。
それは…渚だ。

京夜「神様、いつ逝くんですか?」
神様「…お主が焼かれた、二日後だ…」
京夜「…神様、俺、逝く前に伝えたい人がいるんだ!だから…焼かれた次の日、
一回、あっちの世界…俺が暮らした世界に戻って伝えたいんだ!」
神様「…。一日だけ、一日だけだ」
京夜「神様…!ありがとうございます!」

そして、今に至る。

京夜「なーぎーさー…!紺、行っちゃったぞ。いいのか?」
渚「うるさい…」
京夜「…はぁ…」

俺は…今この時間を、大切にしたいだけなのに…。
何で渚は、無視をするんだ?

ガチャ

母「渚ー!ただいまー!」
京夜「おばさん…」
母「…返事なし…か」

おばさんが帰ってきたってことは、今は五時か…。

京夜「…」

next…

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