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デュラララ!! BL小説!? 《クリスマス編》
作者: 夢埜 ◆okR9D5EASs  (総ページ数: 10ページ)
関連タグ: デュラララ BL シズイザ 
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*7*

「じゃ、じゃあその箱って」
 静雄の話を聞いた後、頬を赤らめた臨也が問いかける。
「ああ、なんつーか、その、・・・・・・お前に」
 臨也はバーテン服をぎゅっと握りしめ、そこに顔をうずめる。
「・・・・・・それ・・・誰かに、貰ったのかと思った」
 そのまま、自分の抱えていた不安をさらけ出す。
「・・・・・・仕事って言って・・・誰かに、会いにいくのかと思った。・・・・・・俺と、一緒にいるのが嫌なのかって、・・・俺のこと、嫌いになったのかって、思った。男同士だからダメなのかとか、もっと好きな人ができたのかとか思って、怖く、て」
 バーテン服を握る手に更に力を込めて、臨也は小刻みに肩を震わせた。生地に吸い込みきれなかった透明な雫が、ゆっくりと地面に落ちた。静雄は、そんな臨也をただ黙って抱きしめていた。
「・・・・・・そう思ったら、シズちゃんに好きになられた人とか、シズちゃんのことを好きになった人とか、本当に、嫌いになって。俺は・・・・・・人間を愛してる、はずなのに。全ての人間を、平等に、愛してるはずなのに。俺はもう、人間全員を愛することなんかできない。平等になんか、愛せない。ましてやシズちゃんを嫌いになるなんて、できない。・・・・・・シズちゃんの・・・・・・シズちゃんの、せいだ」
 静雄が臨也の身体に回した腕に力を込めると、臨也もそれに応えた。
「俺は、」
 その体勢のまま、静雄が口を開く。
「俺は、臨也が好きだ。他の奴よりずっと、臨也が好きだ」


「俺は臨也を、愛してる」


「っっっ!?」
 臨也の耳が薄暗がりの中でも分かるほどに赤く染まり、顔が冬の冷たい空気の中でも分かるほどに熱くなった。
「み、耳元でそういうこと・・・・・・言わないでよ」
 なにしろお互いの息遣いが感じられる距離である。耳にかかる静雄の息から逃れようと、臨也が腕の中で身をよじる。しかし、静雄はそれを許さない。細い身体をより一層強く抱きしめ、臨也を腕の中に閉じ込める。
「ん、くすぐったい・・・・・・からっ」
「まだ、お前の返事を聞いてない」
「だからっっ! そこでしゃべんな、いでってば!」
「臨也」
(ああ、もう、シズちゃんってば無駄にいい声してるんだから・・・・・・)
「ん・・・・・・ぁ、俺、も、シズちゃんのこと・・・・・・愛して、る」
 ようやく静雄の腕から解放された臨也は、先ほどから疑問に思っていたことを口にする。


「というかシズちゃん、君、なんか熱くない?」

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