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のんのんびより 「お泊りした。」 
作者: なまはげ  (総ページ数: 10ページ)
関連タグ: 二次小説 日常系 特撮 コラボもあり その他もあり 
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*3*

「その4」となります。

ついにお泊り当日となった。
一穂「そんじゃ、行ってくるよ。れんちょん。」
さすがの一穂もこの日ばかりは朝早めに家を出た。れんげはまだウトウトしていたが、「他の先生に怒られないように」などといった小言を言い見送った。
朝食は用意されていたので、れんげは黙々と食べた。 れんげは夕方に荷物を持って、越谷家に向かう事になっていた。 朝食を食べ終わるとれんげは具にも餌をやり、畳に寝そべっていた。 そんな風に過ごしていると、昼頃に突然玄関の戸を叩く音が聞こえた。れんげはゆっくりと立ち上がり、玄関へ向かった。
れんげ「どちら様ですのん?」
戸を開けると、いたのはなんと卓だった。卓は昨日のように、右手を挙げて挨拶した。
れんげ「にぃにぃ!ど、どうしたのん!?」 れんげは驚きを隠しきれなかった。
卓は今度は越谷家へと向かう道の方向をツンツンと指さした。
れんげ「も、もしかしてウチを迎えに来てくれたのん?」
卓はうなづいた。
越谷家には1人で行くことになっていたため、れんげはまた驚いた。しかし、いつもはあまり自分とは関わることの少ない卓が迎えに来てくれたため、何か嬉しさも感じていた。
れんげ「ちょっとだけ待っててなのん!!」
れんげはあらかじめまとめておいた荷物を取って来た。そして、戸の鍵をしめるなど、家を出る準備をした。 準備を終えると、れんげは卓に「それじゃあ行くのん。」と言い、2人で宮内家をあとにした。
卓は黙ったまま、れんげの前を歩いた。 季節は夏。歩いていると思った以上に暑かった。 れんげは麦わら帽子をしていたが、汗をかき、喉がカラカラになっていた。れんげはたまらず水筒の水をゴクゴク飲む。飲んでいるうちに気づくと卓が目の前から突然消えていた。
れんげ「にぃにぃ!どこ行ったん!?」
卓を探そうとすると、れんげは左肩がポンポンと優しく叩かれたのを感じた。振り向くと、いつの間にか卓が優しい顔でトマトを1個持って来ていた。
れんげ「にぃにぃ!!ビックリしたのん!!」
卓はごめんごめんと言うようなジェスチャーをした後にまた優しい顔でれんげにトマトを差し出した。
れんげ「そのトマト、ウチにくれるん?」
そう尋ねると今度は笑顔でうなづいた。実はすぐそこが、越谷家の私有する野菜畑だったのだ。卓はそこから新鮮なトマトを取ってきてくれたのだ。れんげもそれに気づき、卓に礼をいうと、そのトマトを受け取りペロリと食べた。とても美味しく、改めて卓に礼を言うれんげ。すると卓は今度はれんげの前に左手をさらりと差し出した。
れんげ「もしかして、手をつなぐのん?」
卓はまた何も言わずにうなづいた。 れんげは少し照れながらも右手を差し出し、弱めに卓の手を握った。しかし卓の方は優しくではあるがギュッと強めにれんげの手を握りかえした。2人は手を繋ぎながら、再び越谷家へと歩き出した。繋いでる手はれんげにとって、心で何かとても優しく、あたたかく、心強く感じられた。 れんげは歩きながら卓に「にぃにぃ、ウチが思ってたよりもずっと優しかったのんな。」と言ってみた。卓はそれを聞いて、嬉しそうにまた微笑んだ。 そしてまもなく越谷家が見えてきた。いよいよお泊りも本番だなとれんげは感じた。

「その5」に続きます。

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