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のんのんびより 「お泊りした。」 
作者: なまはげ  (総ページ数: 10ページ)
関連タグ: 二次小説 日常系 特撮 コラボもあり その他もあり 
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*8*

「その9」になります。

突然の駄菓子屋の登場に雪子は少し驚いた。
雪子「あら、楓ちゃん!?どうしたのこんな時間に?通販とか頼んでないよね?もしかして、お金がなくて、うちに食べに来たん!?」
雪子は心配してそう聞いた。しかし駄菓子屋は、
「ち、違いますよ!!おばさん。失礼な!!今日、れんげがそちらに泊りに来てるんすよね。ちょっと気になって・・・」
と慌てて答えた。
雪子「え!?もしかしてれんげちゃんに会いにわざわざ?またどうして!?」
駄菓子屋「す、すいません。アイツ結構寂しがり屋だから、その・・・泣いたりしてないかなって・・・」
駄菓子屋がそう言うと、雪子はようやく笑顔を見せた。
「楓ちゃん。アンタも本当にいいお姉さんになったわね。わざわざれんげちゃんのこと気にしてね〜。大丈夫よ!今ご飯食べ終わって、皆で楽しそうにしてるから、安心なさい!」と答えた。
駄菓子屋「そ、そうっすか。良かったです・・・あの・・・コレ・・・れんげたちに・・・」
駄菓子屋は照れそうにしながらも駄菓子の詰まった袋を雪子に差し出した。
雪子「え!?でもこれ売り物でしょ!?」
駄菓子屋「いいんですよ・・・。売れ残りで、捨てるのはもったいないんで、どうぞ。」
駄菓子屋は半ば強引に雪子に駄菓子の詰まった袋を渡した。その直後、夏海が飛んできた。
夏海「うわ!!やっぱり駄菓子屋じゃーん!!どうしたの?さてはれんちょんが泣いたりしてないか心配で・・・うひゃー!!そんなに駄菓子の入った袋まで持って来ちゃって!!かわいいかわいい!!」
駄菓子屋は「しまった!!」という顔で目をそらした。
雪子「こら!!夏海!!楓ちゃんをからかわんの!!」
雪子がそう言って怒ると、れんげも顔を出した。
れんげ「ぬ!!だがしやーん!!」
れんげは勢いよく駄菓子屋に近づいた。
駄菓子屋「よっよう・・・れんげ・・・元気そうだな・・・良かった良かった・・・」
駄菓子屋はまた照れくさそうにしながら、目をれんげに向けた。 確かに元気そうだ。 照れてはいたが、やはり駄菓子屋は嬉しかった。
れんげ「あのな、ウチにぃにぃに迎えに来てもらったん!!そんでトマト貰って、あとあと、このみ姉んちでかくれんぼもしたのん!!」
駄菓子屋「へっへぇ。色々あったみたいだけど皆によくしてもらえてよかったな、れんげ・・・」
駄菓子屋はそう言うと、れんげの頭を撫でた。
するとまた夏海が口をはさむ。
夏海「見て見て、れんちょん。このたくさんの駄菓子。れんちょん心配して、駄菓子屋が持ってきたんだよ!!アハハ!」
駄菓子屋は今度はたまらず夏海を引っ張って表に出し、拳を夏海の頬に近づけた。
駄菓子屋「てめぇ!!いつもいつも余計な事言いやがって!!」
夏海「めんごめんご。でもウチらだってれんちょん寂しくないように色々頑張ったんだから・・・。れんちょんは親友だけど、まだちっちゃいからさ、ホームシックになるといけないと思って・・・。」
駄菓子屋「えっ!?じゃあやっぱり、さっきれんげが言ってたのって・・・」
駄菓子屋は拳をおろし、夏海をはなすと、そう聞いた。
夏海「当然!!」
夏海は自慢気にそう言った。
駄菓子屋「そっ、そうか。ありがとな。 夏海・・・私がいない分もれんげを守るんだぞ・・・。」
駄菓子屋は今度は珍しく夏海にも優しくそう言った。
夏海「当然!!まだまだ夜は長いからね。」
夏海は今度は得意顔でそう言った。
夏海が本当はとってもいい奴だということを知っていたからか、駄菓子屋は安心して、 帰ることにした。
「じゃあな!!」駄菓子屋は夏海にそう言うと、バイクに向かって歩いて行った。後ろからはれんげが「だがしやーん!!ありがとなのん!!」と手を振っていた。 駄菓子屋は今度は何も言わず後ろ手に手を振った。
あとにした越谷家からは、れんげを含めた、賑やかな声が聞こえてきた。
駄菓子屋も、とてもあたたかい気持ちになれた。

「その10」に続きます。

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