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桜と家族と僕の嘘
作者: りんごっち  (総ページ数: 15ページ)
関連タグ: 家族愛 恋愛なし 現代 ハートフル小説 
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10~

*3*

電車とバスを乗り継いで故郷についた。
僕の実家はこの田舎町のさらに山側にある。

木々の覆いしげる小道を歩くと築30年はたっていそうな家が見えてきた。
そうここが僕の実家。

玄関を開け中を見渡す。
広い土間の玄関に奥まで続く長い廊下。
その右側に台所と居間がある。

靴を脱ごうとしゃがんだとき背中に何やら重いものがのしかかる。
「おかえり!涼ちゃん!」
元気よく耳元で叫んだこのいかにもバカ丸出しなこれが妹の雫。
高身長で耳くらいまでの黒髪の僕と雫は似ても似つかない。
雫は茶色い腰までの長い髪をポニーテールにしている。
低身長で細身。中学生くらいの体型をしている。

「お前、また重くなったな」
「なっ!酷い、涼ちゃん!」
ぐちぐちと文句を言いながら頭を殴ってくる。
「痛い痛い!悪かったから!」

これが僕らなりの兄妹。

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