完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*3*
電車とバスを乗り継いで故郷についた。
僕の実家はこの田舎町のさらに山側にある。
木々の覆いしげる小道を歩くと築30年はたっていそうな家が見えてきた。
そうここが僕の実家。
玄関を開け中を見渡す。
広い土間の玄関に奥まで続く長い廊下。
その右側に台所と居間がある。
靴を脱ごうとしゃがんだとき背中に何やら重いものがのしかかる。
「おかえり!涼ちゃん!」
元気よく耳元で叫んだこのいかにもバカ丸出しなこれが妹の雫。
高身長で耳くらいまでの黒髪の僕と雫は似ても似つかない。
雫は茶色い腰までの長い髪をポニーテールにしている。
低身長で細身。中学生くらいの体型をしている。
「お前、また重くなったな」
「なっ!酷い、涼ちゃん!」
ぐちぐちと文句を言いながら頭を殴ってくる。
「痛い痛い!悪かったから!」
これが僕らなりの兄妹。
PR