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episode2「パイラタウン」パート1
オアシスで休憩した後、ヌーンとムンはパイラタウンに到着した。水が流れる景観の美しいフェナスシティと違い、荒野の荒れた土地に涼しい風が流れる素朴さと静けさが漂う町だった。
「ムン、ここで何かあったのかい?」
「うん、私、ここで・・・」
「ちょっとそこのお兄さん、いいかしら?」
話している途中、ライダーの女性が声をかけてきた。不敵に笑ってヌーンにこう言ってくる。
「そんなダサい子なんか置いてあたしに付いてくれない?」
ムンはカチンと来てゆでダコのように顔を赤くして腹を立てた。見ず知らずの相手にこんなことを言われたのだから当然であろう。
「何ですって?!!あんたに言われたくないんだけど・・・ヌーンさん?」
ポンと肩を叩いてムンに笑顔を向けた。それを見てすぐに理解する。
数秒でヌーンはそのライダーの女性をバトルでやっつけてしまった。
「きいいい、か弱い女の子をいじめて大人気ないわよ〜っ!!!」
捨て台詞を吐いて逃げ去っていくとムンがベロを出してブーっと吹いた。
「ありがとう、ヌーンさん!やっぱり貴方は私の王子様よ!」
そしてすぐに可愛い笑顔を作り、ヌーンの肩に抱き着いた。
「どういたしまして、君をいじめられたのが頭に来てね、でももう大丈夫だから」
気を取り直して街を歩き、町の広場に着いた。
「ヌーンさん、私、ここであのポケモンを見たの・・・」
「ダークポケモンを?」
「ええ、そしたらあいつらに捕らわれて、またあんなことになったら、怖い・・・」
「心配しないで、何があっても僕が君を守るから・・・」
安心させたのも束の間、不敵な笑い声が聞こえてきた。
「キャハハハ、キャハハ、キャハハハハッハ!!!」
聞くがわを不快にさせるほどの下卑た笑いをするライダーのトレーナーがヌーン達に近付いてくる。
「キャハハハ、何だお前等、見かけない顔だなあ、このセニョ様の縄張りに許可なく入ってくるとはいい度胸だぜ・・・。情け容赦なくいたぶってやるから、覚悟しろよ、キャハハ、キャッハハハハ!」
高笑いをしてボールを手に取ると、エネコとムウマを繰り出して来た。
「あ、あのポケモン・・・!」
ムウマを見てムンは何かの気配に気付く。
「ヌーンさん、あのムウマ、黒いオーラをまとってる!ダークポケモンよ!」
「解った、必ず救って見せる!」
ボールを二つ手に取り、エーフィとおブラッキーを出してこれに挑んだ。
「キャハハ、行けい、エネコ、ムウマ!」
ムウマがシャドーボールを、エネコが10まんボルトを飛ばしてくるとエーフィとブラッキーはでんこうせっかで素早く動いてこれをかわして前進して、エーフィがムウマにサイケこうせんを飛ばした。
「ムマ!」
ムウマは体を煙にしてかわし、エーフィの背後に回る。
「エーフィ、サイコキネシスだ!」
ヌーンの指示が飛び、エーフィは素早く振り向いてサイコキネシスでムウマにダメージを与えた。
ブラッキーもだましうちでエネコを攻撃する。エネコがしっぽをふるに出ると、これをかわし、ひみつのちからで攻撃した。
「ぐぞおおお、いい気になりやがってえええ!ムウマ!」
セニョの叫びでムウマはくろいまなざしをしてエーフィとブラッキーを動けなくさせた。そこへエネコが10まんボルトを飛ばして二体を攻撃した。
「エフィ!」
「ブラ!」
更にサイケこうせんと10まんボルトの螺旋光線を飛ばしてくる。
「エーフィ、ブラッキー、こっちもだ!」
ヌーンの指示でエーフィとブラッキーもサイケこうせんとあくのはどうの螺旋光線を飛ばしてこれを相殺させた。
「俺の攻撃を真似しやがって、ムウマ、ダークラッシュだ!!!」
ムウマは黒いオーラを纏うと体当たり攻撃をしてエーフィとブラッキーを攻撃した。
するとムウマの体から毒々しい赤色のオーラが漂って来た。目付きも先程よりも凶悪な顔付きになっている。
「ヌーンさん、気を付けて!」
「ああ!」
「キャアハハハハハ、ギャハハッハハ、グフフフフフウウウ!!出たぜ出たぜ出たぜ!ハイパー状態だあああああああ!さあ、ムウマ、お前の最強の姿を見せてやれええええええええ!」
狂乱になって叫ぶとムウマは目を見開いて大声を上げた。禍々しいオーラがムウマを包み、その姿を変えていく。そしてオーラが消えて出て来たのは、
「ムウマージ・・・!」
魔女のような帽子の頭をしたムウマの進化系、ムウマージだった・・・。
続く・・・。