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*11*
千尋「ん…」
重いまぶたを開けて、学校へ行く支度をする。
昨日のことがあり、今日はあまり眠れなかった。
…どんな顔して会えばいいんだろう。ハクに、嫌なことを言ってしまった。ハクは、私のことを大切にしてくれたのに。
でも、それくらい怖かった。
昔のこともあったし、魂レベルでつながってるとか、勝手に思い込んでいたの、きっと。だから、ハクが私の元を離れる可能性が出たら、不安だった。
私に向けてくれるあの優しい瞳を、笑顔を、誰にも取られたくなかった。
千尋「はあ…いつからこんなに欲張りになったんだろう」
こうして会えて、こんなに近くでハクを感じることができて、それが奇跡のようなものなのに。
ハク、ごめんね
千尋「…学校行かなきゃ」
朝ごはんをボソボソ食べて、学校へ行く。心は落ち着いていなくても、時間は待ってくれない。
千尋「あっ…」
ハク「…」
いつもの場所で、ハクが待っていてくれた。毎日、ここで合流して学校へ行っている。
ハク、どう思ってるかな…。
千尋「ハク、おはよう…」
ハク「…」
千尋「昨日のことなんだけど…本当にごめんね、気にしないでね…私がいけないの、ハクは何も悪くないのに、嫌な気分にさせちゃって…」
ギュッ
千尋「ハハハハハクッ?!////」
ハク「千尋、よく聞いて…私が好きなのは千尋だよ。他に変わりなど、いない。千尋の中の私がどのくらいの存在なのかは分からないけれど、私の中での千尋は、ものすごく大きな大切な存在なんだ。私は千尋がいいんだよ」
千尋「ハクッ!私もだよ。ハクじゃないと、ダメなの!ハクが私のそばを離れるかもって思っただけで、凄く不安で怖くて…それに、本当に普段から、感じてたの。私でいいのかなって。私はハクの隣にいていいのかなって。私、そんなに可愛くないし、スタイルも良くないし、特別何かが得意なわけでもないから…私でいいの?」
ハク「千尋がいいんだ。千尋じゃないといけないんだ。それに、千尋はとても可愛いよ。そして、千尋は特別なものをちゃんと、持ってるんだよ。それも、他の人には真似できないもの。だから、もう、『私で』なんて、言わないで。」
千尋「うん…うん、ハクありがとう。これからもよろしくね」
ハク「よろしくね、千尋」