完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

【ハク千】千と千尋の神隠し その後のお話
作者: えりかな  (総ページ数: 13ページ)
関連タグ: ハク千 二次創作小説 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~

*10*

それからの日々はとても充実したものだった。一緒に登下校して、お昼ご飯を食べて、授業で川のことが出てきたらちょっと微笑んだりして。





そんなとき、聞いてしまった。私はある噂を知ってしまった。


「ねえねえ、れいなが速水君のこと好きらしいよ〜!」
「まじ?!でも、お似合いだよねー。れいなは超がつく美人だし、速水君もものすごいイケメンだし。」
「ねえ、でもさ、速水君いっつも千尋と一緒にいるよね?」
「確かに〜!なんでだろう?たいていの男子はれいなをまず、好きになるのに」
「なんか、変な感じだよね〜。あっ、でもれいな、今日の放課後告るって!」
「おおお!美男美女カップルが生まれそー!」



トイレに行って、個室を出ようとしたとき、洗面台の方で3人くらいの女子がざわざわ話していた。

千尋「っ…うっ…」ポロポロ
放課後って…もうすぐだし。
別にハクがれいなちゃんのことを好きと言った訳じゃない。
まず、れいなちゃんが告るのかもまだわからない。

なのに、なのに、涙が止まらなかった。




放課後
私が校門を出ると、いつも通り、ハクが優しい笑顔で待っていてくれた。
私はまともにハクの顔を見ることができなかった。
ハク「千尋、帰ろう」
千尋「…ハク、今日、れいなちゃんに告白された?」
すでに涙が溢れる寸前の小さな声で聞いた。
ハク「…されたけど、それがどうしたの。千尋が気にすることじゃないよ」
千尋「うっ…っ、ハク、別にいいんだよ…ハクが決めていいのっ…私に気を使って、断る必要ないの。…私より、れいなちゃんの方が可愛いからっ…ハクがれいなちゃんの方がいいなら、いいからねっ…私がいたら邪魔だよねっ…」ポロポロ
ハク「ちょっと待って、千尋、勘違いしないで」
千尋「いいの、ハクッ…よく考えたら、ハクみたいにものすごくかっこよくて、素敵な人、私なんか釣り合わないものっ…だから、気にしないでっ…」ポロポロ
ハク「千尋」
千尋「っ…」ダッ

これ以上、ハクの声を聞いていたらもっと涙が止まらなくなりそうだったから、私はその場をすごいスピードで去った。
ハクには悪いことをしてしまった。

9 < 10 > 11