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帰ってきた!彩月達の時空クソゲー日和
作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 11ページ)
関連タグ: メイドウィン小説SEASON3 クソゲー ゲーム実況シリーズ リアルワールド 
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10~

*10*

【番外編】
「」

彩月「はあ………」

たくっちスノー「どうしたよ彩月、スランプみたいなため息はいて」

彩月「まさにスランプみたいなため息なんだよ、はー次は何のクソゲーやろうかなー」

たくっちスノー「なあ、お前なんでそんなクソゲーばっかやったり買ったりしてんの?どうせやるなら神ゲーやろうぜ」

彩月「やだよ、神ゲーなんて皆遊んでるからわざわざ買わなくてもYouTubeで内容全部見れるじゃん」

彩月「それはそれとしてプレイしたとしても、他の人がやってくれてるなら真剣に手をつけるまでも無いかな〜って」

たくっちスノー「こ……このクソガキめっ………」

彩月「あと一応クソゲーに騙されて間違えて買わないようにしちゃおうという使命感………なんだけど」


彩月「私がマリオさんと動画作った影響で私の真似する動画投稿者が増えて………」

たくっちスノー「クソゲーの方も動画でみれるようになってきたのか」

彩月「今まで動画にしてやってきたクソゲー7本とその他諸々以外、既プレイではないんだけど殆ど他の人の動画で見ちゃったから新鮮味が無いんだよね」


彩月「時空規模となるとクソゲー配信者だけで1万人近くは居るんだよ?」

たくっちスノー「何が悲しくてクソゲーなんか選んじまったんだ、彩月含めた1万人は」


ルイージ「…………」


たくっちスノー「見ろ!!ルイージが疲労の限界達して失神してるぞ!」

たくっちスノー「俺だって正直疲れてきたよ!というか、音牟のチャンネル独占してなんてことしてんだお前!」

彩月「いや、それはなんか……まだ見ぬクソゲーに手を出すことに快感を感じて……」

たくっちスノー「お前、中学教師にストーキングしたり異能力者の学園メチャクチャにした上に時空犯罪者になって、挙句の果てにはクソゲーハンターになってるのか!?」


たくっちスノー「経歴メチャクチャにも程があるぞ!!見ろよ!」



音牟「…………」


たくっちスノー「お前の短期間での傍若無人っぷりに音牟ですらあの顔だ!」


たくっちスノー「ダンガンロンパで言うなら3章のやべーやつとか見てるタイプの冷たい目だぞアレ!お前何したんだ!?」

彩月「昨日、私が逮捕されている間に世界に危機が起きてもいいように任天さんを電子空間に1ヶ月近く幽閉したことがバレてからずっとあんな感じ………」

たくっちスノー「お前それ論破系に対する1番の地雷だよ………」

『任天さんの件』
詳しくは【ミラクルカードヒーロー】参照。


彩月「いや、私としてはいつ攻め込まれるかわかんないし、おじさんははっきり言ってそういう面では信用してないし、私が居なくなったら戦力の7割くらい消えるでしょ?」

彩月「私としても任天さん送り込むのが限界で、本当はねむ姉だって」


彩月「って言ったらさ、花で顎殴られたんだよね、ねむ姉に」

たくっちスノー「傍から見たら意味不明だけど多分マジなんだな」

『花で顎殴られた』
鈴蘭音牟の任天堂戦士の能力は『咲かせて!ちびロボ』
最近スズランとかゲームに出てくる花以外も咲くようになった。


彩月「ねむ姉に初めてぶたれたよ、私」


彩月「それどころか家族に暴力振るわれたことも初めてかも」

たくっちスノー「あんま調子乗りすぎんなよ、音牟の善意と温情で住まわせてもらってる立場なんだから……家族は大事にしろ」

たくっちスノー「あんなんでもあいつはお前のこと、娘のように………」


彩月「………」


彩月「実の母親みたいな存在に、子供だと思ったことは1度もないと言われた人は言うことが違うね」

たくっちスノー「………」


彩月「おじさん、私たちは作り物…ねむ姉だって実の家族しまゃないし、あの家族も違う」

彩月「でも私はそこまで愛には執着しない、今の所はご飯作ってくれて、寝床があって、こうやって毎日クソゲー出来る環境を整えてくれるねむ姉には感謝してはいるよ」

彩月「むしろおじさんの方こそ、そうやって考えて生きた方が楽じゃないの?」


たくっちスノー「俺はお前みたいになれない……」


たくっちスノー「俺だって本当はりりすた革命団に帰った方がいいとは思うさ、でも無理だ」


たくっちスノー「あれから、ほんの少しの間でも船に居る度に母さんと喧嘩別れして船から出た時を思い出すようになった」


たくっちスノー「それからは俺や仲間の事も眼中に無く、勝手にカーレッジに挑んで、勝手に死んだ。」


たくっちスノー「あの人が船に居なくなってからだいぶ経つのに……ずっとそれが心に残ってしんどいんだよ」

たくっちスノー「お前みたいにバカ兄貴だからって1度死んでも平然としてるほど肝が据わっていない」

たくっちスノー「こんな事は言いたくないが、お前なんて音牟や正樹が死んでも何ともなさそうに見える」

彩月「………」


彩月「結局私って、人間みたいな姿で人間っぽいことをしても人間じゃないんだね」


彩月「『都合のいい妹』を放棄したホムンクルスだもんね」

たくっちスノー「………」

彩月「ここからは真剣な話なんだけどさ」

たくっちスノー「逆にここまで真剣じゃなかったのかお前」


彩月「私、ねむ姉に何か出来るかな?」

彩月「なんでも出来るのがカービィの能力だけど、カービィって正義感とかそういうので世界救うタイプじゃないから分かんなくてさ」

たくっちスノー「………」


たくっちスノー「とりあえず俺から一言言えるのは」



たくっちスノー「チャンネル乗っ取ってクソゲーやりまくるのやめろ」

彩月「真剣な話題から凄い方向に行った」

たくっちスノー「俺だって分かんないんだからしょうがないだろ、お前と音牟の関係は雪からそんなに聞いてない」


たくっちスノー「でもお前だって分かるだろ、音牟は催眠で取り繕ってるがまだまだ元の世界で起きたことが癒えてないんだよ」

たくっちスノー「そんな中で現実逃避のように配信者やってんだよアイツは、お前みたいに暇潰しじゃない」


彩月「とは言っても……そこまではいいとしてこれからどうしたら」

たくっちスノー「そこからはお前が自分で考えることだろ」


彩月「ん……」


彩月「とりあえず、私も寝ていい?ねむ姉の事はちょっと任せたよ、神様」


たくっちスノー「都合のいい時だけメイドウィン扱いしやがって………」

彩月「あの人から譲り受けておいて、メイドウィンらしいこととかしてくれた?」

たくっちスノー「舐めんな、こういうのは見えない所でやるんだよ、俺が何もしなくていいからこそ平和なんだよ」

…………


たくっちスノー「なんかとんでもないことになったな、お前の同居人」

音牟「いつからあんな風になっちゃったんだろうね………ボク、育てかた間違えちゃったのかな」

たくっちスノー「あのひねくれ方は教育方針でなんとかなるやつじゃないだろ」

たくっちスノー「………幼稚園児の頃はそうでも無かったんだろ?」

たくっちスノー「その、俺はまだその時生まれて無かったし……雪もその頃はあまり知らないそうだからさ」

音牟「………うん、最初にボクが育てることになって、ちょっと前までは……ふわふわした可愛い子だったのに」

音牟「君も覚えがあるかな、なんというか……血が繋がってなくても、家族と呼べるものじゃなくても、なんか……なんとかしたいなって思うこと」

たくっちスノー「ああ………あるな、凄い覚えがあるわ」

音牟「学校では友達が全然出来なくて、あの別世界の学校だと上手くやれてるって聞いてちょっと安心したんだ」

音牟「………あまり叱ることとか出来てないし……気にしてた?」

たくっちスノー「あいつ結構図太いから、あの程度で折れたりはしないさ」


たくっちスノー「………実際、お前なんで動画配信始めたの?」

たくっちスノー「催眠術師なら催眠ASMRとかやってればいいのに、なんでこんな大々的に……」

音牟「……」

音牟「ボクね、希望ヶ峰学園(むこう)で好きな人がいたんだ」

たくっちスノー「何の才能持ちだ?」

音牟「映画監督」

たくっちスノー「そいつはすげー」

音牟「でも……1番新しくて、1番頭に残ってる記憶は、あの子の死になっちゃった」

音牟「あのカメラ、分かる?何度も何度もの血の匂いを落として、アレを改造して撮影配信してるんだ」

音牟「あの人がいつも持っていた撮影カメラ、これで映っているあいだだけあの頃に戻れたみたいになれるんだ」

音牟「超高校級の催眠術師として来たけど、女優さんになれたらいいな〜………なんて」

音牟「結局は君がさっき言ってたように現実逃避だよ」

音牟「でも、それでいい……だって」

音牟「さっちゃんが居なかったら、今すぐにでも後追いしちゃおっかな〜って思ってた」

音牟「流石にさっちゃん居るのにそんな身勝手な事はしないから安心して!」

たくっちスノー「………」


音牟「たくっちスノー、さっちゃん」


音牟「こんなボクに生きる理由になってくれてありがとうね」


………


たくっちスノー「彩月、お前が図太い奴ってのは撤回する」

彩月「げっ……え”え”え”……う”ぇろっ………」

たくっちスノー「やっぱお前小学生メンタルだわ」

彩月「知らなかった………し”らな”かった”ァ………」

彩月「ねむ姉が終活感覚で配信やってたなんて………」


彩月「今すぐ死のうかな」

たくっちスノー「それやったらマジで音牟が後追いするからやめろ」

彩月「いやほんと一瞬で喪女になったわ、私ねむ姉の生涯とも言えるチャンネルをクソゲーで染め上げちゃったよ、文字通りクソ塗りたくっちゃったよ」

たくっちスノー「女の子が汚い表現するんじゃありません!」

彩月「…………」

彩月「たくっちスノー、名無し超人学園でサバイバルしていた時、不思議と泣く気がしなかった」

彩月「あの中でたくさん死んだ、私が知ってる人もいた」

彩月「出所してからさ、こうして馬鹿みたいにゲームして、ねむ姉達と過ごしてもずっと頭に引っかかる」


彩月「もし、ねむ姉達が死んでしまっても何も感じないようになったら、人として終わりだなって」

たくっちスノー「………」


たくっちスノー「なら良かったじゃないか、まだお前は終わってないってことだろ」

彩月「ん……」

彩月「おじさん、ワガママで居座らせてごめん」

彩月「ルイージさん連れてもう帰っていいよ」


たくっちスノー「………何する気だ?命は大切にしろよ」

彩月「何って、投げ出してたことを今やるんだよ」

彩月「超人学園の件、私としてはまだ終わってない」


たくっちスノー「え?もうそれどころじゃないんじゃ………」

彩月「アレは終わってもいない、始まってすらきない」


彩月「多分、今のままじゃねむ姉がダメになる、私もダメになる」

彩月「けど離れたらきっと後悔する、だからリモート学園運営だよ」

彩月「ここから能力者たちの学園を作ってやる」

たくっちスノー「………」

彩月「おじさん、聞いたことある?この世で一番のクソゲーってさ、人生なんだって」


彩月「今抱えてるこの問題、今までの私のツケ、そして過去を見てきたからわかる低レベル能力者の酷さ」



彩月「これって、最高にイカしたクソゲーだと思わない?」





この小説に終わりはない、彩月の人生に結末が無いのと同じように。


また一つ大きな物語(クソゲー)が始まる。

たった1人の最強小学生がそれなりに大きな家で、一つの能力者向け学校を大改革するクソゲーが、今始まろうとしていた。


今度はルイージもたくっちスノーもいない、彩月1人でプレイする。


彩月「………」




「ゲームスタート。」

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