コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 妖怪とチョコレート
- 日時: 2010/11/08 21:30
- 名前: 玖夙友 ◆LuGctVj/.U (ID: Omw3dN6g)
登場人物の詳細>>8
・冬郷 深染/ふゆさと しんじ
・文下 奏多/ふみしも かなた
・トモキ(???)
・小山 餡子/こやま あんこ (ヴィオラさん)オリキャラ>>9
・東 伊織/あずま いおり (もぎもぎさん)オリキャラ>>12
序章「妖怪は鼻にポッキーを突っ込んで笑う」
>>1 >>2 >>6
>>7 >>11
第一章「選択肢を間違ってさえいなければ」
>>14>>15>>
>> >>
第二章「与太話と寝物語」
>>>> >>
>> >>
以下オリキャラのアレ
【名前/読み】/
【性別】
【身長】
【性格】
【容姿】
【言動等/サンプルボイスとか】
- Re: 夜憑物語 − よるのつきものがたり ( No.2 )
- 日時: 2010/10/28 20:57
- 名前: 玖夙友 ◆LuGctVj/.U (ID: Omw3dN6g)
* * *
——契約違反者……何、人間どもの約束に背いたわけじゃないよ。鎖野くんはちょっとばかし馬鹿なマネをしちゃっただけさ。
何をしたか? なんて、それこそ知らない方がいいと思うね。多分、これを聞いたらキミは心底彼に幻滅すると思う。鎖野くんとはお友達って仲なんだろう? いや、歳が一つ違うから先輩後輩って仲なのかな?
話が逸れた。
契約違反者っていうのは、この場合はファンタジーでクレイジーで、かつファンシーでネクロマンシーだったりもするんだ。
まあ、要するにね。
——異形。
幽霊、妖怪、精霊、悪霊、生霊、天使、悪魔、悪鬼羅刹、魑魅魍魎、異類異形、怨霊怪異、妖異幻怪、怪力乱神、妖怪変化なことなのさ。
え……? あ、要してないね。ごめん。そもそも、それらしい四字熟語とか言ってみたけどあってるかどうかわかんないから、間違ってたら教えてね。
さて、キミはゲームとかする方? おっと、よくある台詞だね。——台本なんてないけど。
でも、恐ろしく貧しくなければ、最近の子供って携帯ゲーム機とか持ってそうだから、多分わかると思うな。
——鎖野くん、鎖野巧夢くんはね、ある精霊と契約したのさ。
でもわけあってその契約は一方的に破棄しちゃって、なんつうの? それで契約違反。
ちゃんと手順踏んでなかったから、その精霊さんもかんかんになっちゃったわけね。
よくあるじゃん? こっくりさんとか。
……あり? こっくりさん知らない? だったらいいや。
まあとりあえず、ね。
もうすぐ、彼はその精霊だかなんだかの憑代になっちゃうわけだよ。
憑代——取り憑くってゆうか、まあ器。
イメージで言うと、鎖野くんの心っつうか魂が抜けて、その精霊さんが鎖野くんの身体に入っちゃう、と。
ほんでもってその日から鎖野くんは別人。精霊さんがしたいままに鎖野くんの身体は変なことしまくるよ。
まあ、キミにはおれっちが何を言ってるのか理解できまい。キサマとは次元が違うわ!
おれっちらにはおれっちらの業界があって、意味不明だし聞き取り方によれば矛盾というかどう考えても理に適ってないこともね、あったりさ。
キミ「マッポ」って聞いたことある? 辞書調べても出なかったんだけど、確かこの前来た学ランの人が「警察のことだ」って言ってた。……いやどうでもいいよねごめんなさい。
とにかく、精霊とは言っても全然神秘的かつ可愛い感じとかカッコいい感じしないから。
もう本当、アレは「キモい」に他ならないよ。見える形がじゃなくて概念的な形がね。
……わかんないかな? いやおれっち見えるからそうでもないか。
さて話を戻すよ鎖野くんのことね。
えっとだね、こんどこそ要するに、なんだけど。
——この世から、「これから」あるはずだった鎖野巧夢がなくなるわけ。
おーけー?
- Re: 夜憑物語 − よるのつきものがたり ( No.3 )
- 日時: 2010/10/28 21:31
- 名前: 紫奔 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
どうも初めまして、シホンとかいうものです。
凄い好みっていうか大好きな雰囲気の題名を見て思わず飛んできてしまいましたごめんなさい。
普段は開いてぱらぱらっと読んで「あー」で終わるヤツなんですけど、なんていうかこの小説はコメしたくなって(
妖怪の物語ですと。オタク情報屋さんな妖怪……なんか可愛い……(
シンさんと妖怪の会話凄い好みですw 見ていて楽しいです、ほんとw
というかシンさんかっこいいですね。知って後悔してから理解するとか……格言ですね、格好いいしかでないです(
契約違反者……これから鎖野さんがどうなるのか楽しみですぜ。>>2の最後の二文がツボすぎてどうしようもないです。あ、いえ、なんにもありません。
それではー、更新楽しみにしてます! 執筆頑張ってください。
- Re: 夜憑物語 − よるのつきものがたり ( No.4 )
- 日時: 2010/10/29 19:14
- 名前: 玖夙友 ◆LuGctVj/.U (ID: Omw3dN6g)
OH! コメントありがとうございますっ!
シンがカッコいいですかwww
えと、更新がんばるのでよろしくお願いします!
- Re: 夜憑物語 − よるのつきものがたり ( No.6 )
- 日時: 2010/11/08 20:30
- 名前: 玖夙友 ◆LuGctVj/.U (ID: Omw3dN6g)
* * *
——ま、鎖野くん救いたいならいろいろガンバレ。
——このままだと可愛い後輩クンが特殊能力に目覚めてモテモテになっちゃうぞ。
妖怪はそう言って姿を消した。
「いろいろガンバレ、って言われてもなあ……」
精霊……だなんて、現実味のないこと言われてもピンと来ない。
それって要するになんだよ? 俺に特殊能力でもあったら倒せるわけ?
結局シュークリームを食わせてやったのは無駄だった。
が、鎖野がおかしいという決定的な確信には繋がる——
そもそもの理由は、鎖野巧夢(あいつ)が急に変なことをし始めたことだった。
『ブツブツブツブツ…………』
チビ。
どんなやつかと聞かれて二文字で答えるならチビなやつ。
それが鎖野、鎖野巧夢(さのたくむ)というやつである。
『……あー、なんで「ブツブツ」って言ってんの?』
『ブツブツブ——』
『無視かオイ!』
なんか怖い顔してブツブツ……いや「つぶつぶ」って言ってるのか? 果肉入りジュースとかそんな感じだし……
——て、それはないな。うん。
鎖野と俺は同じ高校に通う、いわゆる先輩と後輩という仲だ。
別に、部活は同じじゃないし家が近いなんてこともない。言うなれば、全くと言っていいほど、疎遠でいい関係だった。
高校生活二年目の俺にとって、中学生で培って来た人当たりの良さは伊達じゃない。学年はおろか、先輩後輩にだって数十人の知り合いがいるのだ。
それも、変にコミニュティなんか築いていない、あくまで浅い友人関係。
これほど動き易い立ち居地を築くのにさして苦労はしないというのだから、持って生まれたのは四肢や臓器等だけでなく、いわゆるカリスマ性ってやつもと言っていいだろう。
自慢? 違ぇな。
これが俺だ。
嫌いなものをブチ壊したくなったり——
人を殺すことに官能的な快楽を覚えたり——
甘いものが異様に好きだったり——
寝言をほざいて後悔したり——
虐めになんの疑問も抱かず勝手な正義で人を困らせたり——
他人の理屈なんてどうでもいいからと自分の屁理屈で耳を塞いだり——
卑屈で自虐なことに気づけず他人の普通さに負けていると思い込んだり——
自分の世界こそが正しいのだと決めつけたり——
現実にはありえないからこれは冗談だと言わんばかりにふざけたり——
どうせ、自分なんてその程度なんだと見切りをつけたり、要するに諦めを覚えたり。
そんな知り合いがいて、いや他人がいて自分が変じゃないなんてのは、実におかしい。
醜い面してるから嫌われる、なんてのは人当たりの悪いやつの言いわけだ。
最低で最悪なやつどもはいつものうのうと、いけしゃしゃあと正義を語るのよ。
俺にも自分のルールがある。
必要最低限、他人に合わせたり、いい高校行くためにセンコーにはできるだけ媚売ったり。
……つか、こんな伊達酔狂語りがしたいんじゃなかった。
鎖野とは、観てるアニメが同じで意気投合、といった感じだ。
それ以上でもそれ以下でもない。その程度の関係。
で、鎖野がブツブツと変な呪文の詠唱でもしていて、いい加減それなんなんだと身体を揺さぶると——
『ブッツ……ブツ! ブツブツブツブツ! ブツブツ!? ブツ、ブーツブツブッ!!』
『ぶ、打つ!? つか日本語ちゃんと言えよ!? なぁ?』
何が言いたいのかわからないけど、まあ怒られました。
それから、同じ高校に通ってるやつらに俺まで変な目で見られ、一部、何があったのか不審に思われたか鎖野と同じ一年生が俺に話しかけてきた。
確かいつぞや知り合った、なんとかイズナとか言うやつ。
爽やかな笑みでも浮かべられればそこそこ持てそうな顔をしているが、そいつは恐ろしいほど感情の篭ってない無愛想面だった。
しかし、その声色からは、どこか鎖野を心配しているよう感じがした。
イズナくんは、この鎖野と友達なんだろうか。
『えと、鎖野ぉなんかあったんですか?』
『いや、わかんねえ。ただブツブツと——』
『ブツブツ、ブ——ッ!!」
かめはめはぁー、とでも言わんばかりに叫ぶや、鎖野は手からビーム的なものを放射し、イズナくんにそれを当てた。
まず、ビーム的レーザー的それが日常の、そんじょそこらにいそうなチビから出たのも意外だが——
それを、心配してくれてるイズナくんに当てるとは、その神経を疑いたくなる。
イズナくんは五メートル近く吹っ飛ばされ、何があったのかわからなそうに目をパチクリさせた。
『え? え? ……えぇぇぇえええええええッ!?』
『さ、鎖野てめえ何やってんだよッ!?』
イズナくん友達じゃないの!?
いや、こいつからイズナくんとの仲を聞いたわけじゃないから、本当はいがみ合ってて、イズナくんが嫌味で心配している素振りをしてないとも言えないが……
だからといって、『波』を出すって、どうよ?
『そうか鎖野。お前、そうだったんだな……』
イズナくんは立ち上がってどこか残念そうに俯いた。
どうなんだ? 一体何がどうなんだ? 何これバトルファンタジー?
そう言いたい気分だったが、言える空気ではなかった。
イズナくんはそっと、デコピンでもするような手を前に向けた。
『残念だぜ、鎖野……』
『いや何が!?』
こんどはちゃんと言えた。
『喰らえ、必殺——』
『無視かよ!? つうか必殺って「必ず」「殺す」だよな!? 何知り合いにんなもんぶっ放そうとしてんだよ!?』
『必殺ッ! 「未定」!』
……なんて名前の必殺技だ。
イズナくんは言いつつ、構えたデコピンするような手の中指を弾くように打ち出した。
もっとも、鎖野とイズナくんとの距離は五メートル以上あるので、イズナくんの指が届くはずもなく——
『ツトぅ————————ッ!?』
つ、つとぅ……?
振り向くと、鎖野が数十メートル吹っ飛ぶのが数秒拝めた。
後々も、鎖野がヘンテコにわけのわからないことをしたりと、妖怪に失神させてほしいくらいに変なことをしたあたりで——
ようやく、俺は本気で気づいたんだ。
……鎖野、なんかおかしくないか? って。
- Re: 妖怪とチョコレート ( No.7 )
- 日時: 2011/03/27 23:01
- 名前: 玖夙友 ◆LuGctVj/.U (ID: Omw3dN6g)
* * *
「えーと、ここら辺のはずなんだけど……」
少女は呟き、当たりを見回す。
そこは、電化製品を売り出していたテナントの、指定駐車場の近く。
ここに、少女が求めている『あるもの』がいる、そういう噂が立っていた——。
少女——文下奏多(ふみしもかなた)は腐女子である。
男同士の人間関係に非常に心惹かれ、かつR指定がつきそうな行為をし合うのを大いに好む。
それがいわゆる、文下奏多が自称腐女子である証明かつ定義であり、突き詰めれば嫌というほどあるが手短にすませるならばそういうことである。
男性同士の絡みを妄想し、「えー、そのカップリングはなしでしょお」とさえ言っていれば腐女子。
アニメの男性キャラクター同士が同人誌というカタチで如何わしいことをしているものを買えば、それで腐女子。
奏多がそんな偏見を持って『腐女子』なり数ヶ月が経ち、その類の趣味を持つ友人も何人かできて、それなりに上々と言える毎日を送っている。
日々妄想。
常々思想。
時々瞑想。
それは大抵の人間に当てはまることであり、だが受け取り方によってはそうでないとも思われるだろう。
しかし、人間の思考が十人十色の千差万別と言ったように、詳しくは細かく枝分れ。
さまざま。
そしてこの場合は腐女子。
それも、かなり希少な分類に入る。
常日頃から、現実にBL(ボーイズラブ)というものがあってもいいと思う者。これは類稀なるものだろう。友人曰く「三次元男子のドロドロなんて目が腐るわ! ムスカみたいに目がぁ目がぁぁあ、よ。そんなの」とのこと。
だが、奏多はこれに属す。
故に、学校で男子生徒がじゃれ合っていると『そういう』妄想をしてしまうのだ。
それならば、全然安定している。気持ちを心で抑えることができる範囲だ。
しかし、奏多は数日前——『あるもの』を見てしまった。
物静かな、一思いに美少年とは言えないまでも、それなりにルックスはいい下級生が——
小柄な、これは一思いにチビと言える下級生を——
吹っ飛ばした。
という、そんな光景を。
それも、殴り合ったり取っ組み合いになったりとそんなことはなく、何やら安いライトノベルよろしくな超能力的雰囲気で。
ルックスのいい下級生が、少し離れたあたりからデコピンのようなモーションをし、そして指で弾くような動作をしたかと思えば、小柄な下級生が宙に浮き、冗談のように吹っ飛んでいった。
その後、奏多はさまざまな情報網を用いて、上記の下級生らの先輩であるところの、奏多にとっては同級生に当たる生徒のことを知った。
冬郷深染(ふゆさとしんじ)。
奏多のクラスメイト。そして上記の下級生らの一件の当事者とも言える人物。
さて。
そんなわけで、学校内での接触は生理的に嫌だったので校外に場所を選んだわけだが——
「あれー、あの話ガセだったのかな……」
某電化製品テナントの駐車場。
そこには、アスファルトという名の小石が散らばってるだけだった。
「とほほぉ〜……」
ふざけてそんなことを言うも、結果は何も変わらない。
明日出直そう。
そう思い、振り向くと——
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ、あのボブめ。ざまあ見ろ! あひゃゃひゃひゃひゃひゃひゃひっ!!」
——そこには、『ポッキー』を鼻に突っ込んだ、黒い格好をした、馬鹿がいた。
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