コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- うんことアホとおっさん
- 日時: 2011/05/11 22:03
- 名前: 天神千尋 (ID: UAMHtL4A)
なんだか色々な突っ込みはとりあえずおいておきましょう ねっ!ねーーーーーーー!
いや、グロじゃないです、すかちょろぉむぁにあーーな感じでもないので、ご安心を。
かといって剣も魔法も出てきません、挙句わたくしの周りでは絶滅危惧種に認定されている『女性』はほとんど出てきませんので、どうぞ不安を抱えてください。
まず登場するのは4人のおっさん。
そろいもそろって不治の病『モテない』を相当こじらせた4人である。現在は3人が最高級居酒屋ワタミにて数杯目のビールや熱燗など思い思いのアルコールを胃に流し込みながら、とろけるチーズの様にテーブルに突っ伏している。吸いさしのタバコが灰皿でもくもく煙をあげているのにも関わらず、新たに火をつけるくらいには酔っているが、かろうじで上半身を地面に対して60度くらいに保っていられるくらいの酩酊っぷりである。
とりあえず、酩酊しているおっさんをいつまでも描写していても建設的ではないので、それぞれ紹介していきたいと思う。
4人とも一癖も二癖もある人間なので、冗長ぎみではあるがそれぞれの過去のエピソードを含めて紹介していきたい。
うんこを煮た男一人目 近森守男(モリワキ)の場合
>>1 >>2 >>3
うんこを煮た男二人目 鴨志田彰浩(ネギ)の場合
>>4 >>5
それを取り巻く登場人物の場合
モリワキの父ちゃん
>>8
岩田さん
>>9
うんこを煮た男三人目 佐藤博(俺)の場合
>>10
レジェンドの二つ名を持つ男 野田弘樹の場合
>>11 >>12 >>13 >>16 >>17
恋するノダ
>>18-20
うんことアホ
>>21-25
- 二人目 鴨志田彰浩の場合1 ( No.4 )
- 日時: 2011/04/21 01:13
- 名前: 天神千尋 (ID: UAMHtL4A)
名前の字面ってどのような効果があるのでしょう?
鴨志田彰浩
全員の名前が印刷された席順表を見た時に、字面の印象ではシャープな二枚目を予想していた。
が、そんなこと書くからには皆さんご承知のようにぶさいく軍中佐クラスの見た目であった。つまりは、こっち側の人間である。
身長はモリワキとタメを張るくらいの大柄、180近くはあると思われる。だが残念な事に、まだ十代だというのに額にはくっきりとMの字が浮かんでいるくらい、髪の毛が後退している。わかりやすく言うと鶴瓶のような額である。
その後、並々ならぬ努力を額に注ぐのであるが、30代後半となった今ではMの字がUの字になる位に敗退を余儀なくされている。
あだ名は、鴨が転じてネギ。
金に執着していて儲け話を持って来ては騙し取られている...というか騙すつもりがだまされるの繰り返しで万年金欠の男である。
以前、4人でお互いの第一印象を話す機会があったが、3人声をそろえて
猿
という、位の猿顔である。無論モテない。というかモテる気配すらしない。
- 二人目 鴨志田彰浩の場合2 ( No.5 )
- 日時: 2011/04/21 01:21
- 名前: 天神千尋 (ID: UAMHtL4A)
ネギが金に執着する理由はただひとつ。
無類の音楽馬鹿なのであるが、見るor聞く専門。CDの購入やライブへの参戦に人生の殆どを費やしている、しかも、パンク専門とあって趣味を同じくする俺と仲良くなるまでにはそう時間はかからなかった。
当時、高校生が働くことができるアルバイトは非常に少ない、というかどんなに探しても元旦の郵便配達くらいしか無い。それに反比例するように時間だけは膨大にある。どうやって遊ぶ金を捻出しようかとモリワキと頭をひねっているとそこにニヤニヤ顔のネギが近づいてきた。
「儲け話があるんだけど、乗らないか?」
月の頭だというのに財布の中身はすでに500円を切っている。登校するための定期代ですら遊ぶ金に消えていった身としはまさに渡りに船、猿の目の前にバナナである。と猿顔のネギがいや、ネギ先生の講義が始まる。
「大手のCD屋に中古で売ってる100円CDってあるだろ?あれを買うんだ。」
ふんふん
「そしてそれを高く買ってくれそうな、小さな中古CD屋に転売すると結構儲かるんだよ。一枚差額が50円として10枚売れれば500円だぜ。なに、さすがに良くわかってないCD屋にいけば中古で100円切る事はないぜ。これ本当!」
これから先、ネギの「これ本当!」という台詞に何度も騙されることになるのだが、当時の俺とモリワキはネギ先生のありがたい講釈をすっかり信じて、放課後は100円CDを買い漁ろうと世界最速の交通機関(当時)ママチャリにまたがり、いそいそと3人で大手中古CD屋へ。
100円CDのワゴンセールを見つけると早速物色し始める。
やまかつウィンクか...こりゃないな。
ん?なんだこれ?バンド名、傀儡ってこれなんて読むんだ?ジャケットを見る限りだと、デスメタル系のバンドかな?
裏をめくり曲名を確認すると「電車」とか「缶ジュース」とか書いてある。まぁ面白いから買っておくかと、腋に挟んでいるとネギが声をあげる。
「おおおおおお!B'zが100円CDで売ってるーーー」
まったく持って流行に疎い俺でも名前は聞いたことがある。音楽そのものに疎いモリワキですら、聞いたことがあるという。これは掘り出し物だと3人で十枚近くのビーズのアルバムを脇に挟む。
だが、無知とは残酷である。
3人揃ってしめて千円という一週間分の昼食代にも等しい金額をはたいてCDを購入して別の大手中古CDショップへと馳せ参じる。
ネギの作戦では、
購入した店
マニアックなCD屋である為、メジャーどころは安く売る
売却する店
一般の大型店であるため、メジャーどころを高く買う
ということで、売却店に到着。ふと、売る予定のCDを一瞥すると普段テレビで見るようなB'zの印象とはずいぶん違ったジャケット写真だなぁ...と思いながら買取カウンターへ。CDを渡すとなにやら伝票のようなものに買取金額を記載している。
期待の面持ちで伝票を走るボールペンを見つめる。
3
ぃよっしゃーーーー3千円!これで明日から昼はパン二個食える!!
0
ふんふん
0
----
え?あれ?300円??んな馬鹿なと愕然としている。と俺があることに気づく。
ネギおい!あれビーズじゃなくてピーズって書いてあるぞ。ぱぴぷぺぽのP!おいどういうことだ!
いやぁーーねっ、俺も今気づいた。とネギ。
ねじゃねーーーーよ。意気消沈のわれわれは、それ以外のCDを売る気力も失い、いそいそと帰宅する。
翌日より、3人の昼食はしばらく、白いおにぎりとふりかけ。ごくたまにゆで卵という極貧生活が待っていたことは言うまでも無い。
またしても余談だが、
俺とネギがが、この事件をきっかけにピーズを聞いてすっかりファンになってしまいライブに足しげく通うことになった。
そしてさらに音楽というもの自体にまったく興味を示していなかったモリワキは買ったCDをいたく気に入って、以降ブラックミュージックとディスコミュージックに傾倒していくことになる。
- Re: うんことアホとおっさん ( No.6 )
- 日時: 2011/04/21 08:53
- 名前: sue ◆Bs911TjMlQ (ID: blFCHlg4)
なんか強烈な作品がでてきましたねえwwww
かなりノリが好きですwwww
おもしろくて一気に読んでしまいました。続きが気になります!!!!
たのしみにしているので、がんばってくだサイ!!!!
- Re: うんことアホとおっさん ( No.7 )
- 日時: 2011/04/21 23:38
- 名前: 天神千尋 (ID: UAMHtL4A)
書き始めて数日、読者年齢層が若いとのことで、受け入れてはもらえないかと意気消沈、他のサイトに行こうかと思ってましたが一人でもお客様がいるんであれば励みになります。
ラストまでの構想は出来上がっています。ぼちぼち更新していきますので、ながーい目で見て下さい。よろしくお願いします。
- うんこを煮るにいたったアホ4人を取り巻く人々の場合 ( No.8 )
- 日時: 2011/04/23 23:08
- 名前: 天神千尋 (ID: Q.36Ndzw)
4人目のレジェンド野田を紹介する前に重要人物を紹介していきたい。
モリワキの父ちゃんの話
再び時は遡り小学生時代。俺とモリワキが前述の塾でまだ仲良くしていた頃。
塾の授業で大魔神を筆頭にその他個性あふれる先生方に愛の鞭という名のケツバットや孫の手ビンタをくらって、痛む顔や腿をさすりながら自転車をこいでいる時。
数少ない自販機と街灯の明かりを頼りに、暗い道に目を凝らしながら大声でくだらない話に花を咲かせていた。
曰く北条政子ってなんだか俺の母ちゃんに似てるよな
曰くモリワキの父ちゃんが昔、飲み屋で絡まれたヤクザに一本背負いをお見舞いした
曰く大魔神が塾長の息子を病院送りにした
などなど、塾からの帰り道は話題に事欠くことがない周りの人間に関する情報交換をしていた。すると後ろを見ながら先頭で自転車をこいでいたモリワキが、ドン!という音と共に不意に視界から消えた。
急いで交差点に入り、右を見るとモリワキが車に轢かれていた。
のわっ!!も...もりわき!!大丈夫か?と言うとモリワキ。むっくり体を起こす。そして自分の自転車を見てみるみる顔面蒼白になる。前輪がベッコリ凹んだ自転車までよろよろと歩み寄ると一言、
「やばい、父ちゃんに怒られる!」と頭を抱えだした。
んーーーっと...無事なんだな?と俺。なんか膝が痛い、擦りむいたみたい。と、うっすら血のにじむ膝を見下ろす。車に真正面から轢かれて無事でいる小学生って一体...と思いながら、当の車を見ると86(頭文字Dの主人公が乗っている車です)のボンネットが漫画でしか見たことが無い人型にベッコリ逝っていた。そして、車内からくわえタバコでスーパーサイヤ人みたいな金髪のお兄さんが、今まさに降りようとしてきたところだった。顔を見ると青筋を立てて、タバコを千切れんばかりに噛んでいる。
あ...こ...殺されると思って逃げようと振り返ると、前輪が凹んだ自転車を肩に担いで全力疾走しているモリワキが小さく見えた。おいおいおいと、俺も自転車の前輪をサイヤ人とは反対側にターンさせると全力でペダルを漕いだ。するとサイヤ人全力疾走で追っかけてくる。文字通りデッドヒート捕まったら殺される!!という思いで必死にペダルを漕いで何とかモリワキ宅まで辿り着き、モリワキの家に入ると丁度、モリワキ父ちゃんも帰ったところらしく玄関でばったり鉢合わせた。
俺とモリワキそして肩に担がれたぼろぼろの自転車を順番に見つめるモリワキ父ちゃん。
あまりにも不思議な姿をした二人に声をかけようとする父ちゃんにちょっと待ってと言う意味をこめて右手を出して、ぜーぜーと息をついて会話ができるようになるまで数秒。
いち早く息を整えた俺が「あの」と口を開いた瞬間、ピンポーンピンポーンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンとインターフォンが連打される。明らかに怒りを表現する音である。竦みあがる俺とモリワキをそっと押しのけて父ちゃんが玄関の扉をあけて外へと向かう。そして、パタンと扉が閉まると同時にインターフォンの連打がやみ、モリワキ宅が静寂に包まれる。
そこでようやく気づいたのかモリワキが肩に担いでいた自転車を下ろす。
お互い顔を見合わせて「どどどどど...どうしよう!!!」「けけけけ...警察呼ぼう!」などとやり取りをしていると、扉の向こうから
シュバッ!ドッ!へがぁ!
という小気味よい三拍子が聞こえてきた。恐る恐る扉をそーーっと開けると、背中をしたたかに打ってノビているサイヤ人と終わった終わったと手をパンパンはたいている父ちゃんの姿があった。扉からそっと顔を出している我々に向き直ると「んで?何があった」
しどろもどろになりながら、俺とモリワキが身振り手振りを最大限に駆使して事情を説明すると、
あごをさすりながら思案顔で「んーーまぁどっちもどっちだな。」
と一言を我々に残してサイヤ人を助け起こしに行った。
「修理代いくらだ?」
「あ”?たぶんあれくらいだとボンネット全換えだから20万だよ!」
「じゃあ、どっちもどっちだからハイ」と財布から10万円を取り出すと放り投げて玄関に戻ってきた。ようやく息子であるところのモリワキを見ると
「お前、めまいとかしないか?」
「いや、別に」
「じゃぁまぁ大丈夫か。早く寝ろよ!佐藤君もな!」
と俺をジロリとにらんでリビングへ入っていった。
小学生時代にあったこの事件をきっかけにその後とてつもない出会いがあるわけだが、その話は続きで。
この掲示板は過去ログ化されています。