コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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Doppelganger
日時: 2013/01/26 17:03
名前: みかん ◆svacoLr1WE (ID: rLXi4TFt)

はじめまして、みかんです*
初めてのカキコ作品となりますので、かなり緊張してますが
応援してもらえると嬉しいですφ(.. )

ー目次ー
>>1 プロローグ

>>2 第一話 >>5 第二話 >>13 第三話 >>23 第四話 >>27 第五話 >>30 第六話

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Re: Doppelganger ( No.23 )
日時: 2013/01/09 07:54
名前: みかん ◆svacoLr1WE (ID: lL8RIxSj)

#4 

「じゃあ、佐藤この問題を解いてみろ。難しいぞー?」
先生が俺に向かって言った。

「……はい」
答えが分かった俺は、黒板に答えを書いた。

みんなの目が大きくなるのが見える。

「さ、佐藤……正解だ」
みんなが拍手してくれた。俺はその拍手と共に席に着く。


「春馬くん、すごーい!!」
隣の綾が話しかけてくる、

「あ、ありがとう」
俺は少し照れて笑った。

『キーンコーンカーンコーン♪』
あ、チャイム鳴った!!
やったぁ、次はお弁当だ! あー、楽しみー!
だって今日のお弁当は、蒟蒻ゼリーが入ってるんだもん!


「はい、じゃあ授業はここまで」
先生が言った後、学級委員長が「きりつ、れい」と言うと皆はばらばらと席を外した。

あぁ、お腹すいたなー。早く食べよーっと。

「ねぇ、は、春馬くん……?」
振り向くと真っ赤な顔をした綾がいた。

「……ん? なに?」
俺は短く返事をする。

「あの……さ、お弁当……一緒に食べない?」
あぁ、お弁当ね。
綾、あんまり男子を誘わないから緊張しているのかもしれない。

「いいよ、……でも何で俺と……?」

綾はさっきより赤くなっている。

「……色々、話したい事が……あるから」

————……話したい事?

「へぇ、……分かった。行こう?」
「————? 行くってどこに?」
不思議がる綾の赤い顔は少しもとの色に戻る。


「いいからいいから、付いておいで」
俺と綾羽、お弁当を持つと外へ出た。



「ほら、ここだよ」
俺は綾を連れて、桜の見えるスポットへとやってきた。

「————!! わぁーキレイ!! こんなとこ、あったんだ」
「へへへ、」

だってここは、前に俺が女だった頃によく来てたから……。
落ち着くんだよな、ここ。


「た、食べよっか」
「うん」

お弁当を開ける。
……わ、やっぱり蒟蒻ゼリー入ってる!!
しかも大好きなぶどう味。お母さんは俺を気遣ってくれたのかもしれない。
好物のウインナーも入っている。

「いただきまーす」

———最初はたこさんウインナー。
……うわ、うっま。

————次はおにぎり、
お、意外とうまい。……新米なのかな?

って、あれ。
「————綾、全く食ってないじゃん!!」

綾がびくっと反応する、またどんど赤くなる。

「よ、よよよよ、呼び捨て?! 今、綾って……?!」

————!! やべ、昔のくせで———。

「え、そのごめん。今俺、『綾』って言った? えーっと、そのごめん」
「ん、……ううん」
「……え?」
「い、いいから。そう呼んで?」


うわ、どうしよう。
疑われる種を作っちゃったんじゃないかな??



「ちょっと……私の前の話してもいい?」
「————う、うん。いいけど」

なんで……今?

「私ね、前、いじめてたことあったんだ」

———お、俺の事?!


「も、もちろん今はいじめてないよ? ——で、そのいじめられてた子は……」
「えっ————と」

ど、どうしよう。まだ心の準備がぁぁぁ。






「斉藤はる、って子なんだけど……。すっごく春馬くんに似てて」


そりゃ、同一人物だもん。
似てて当然……なんて言えないけど。


「な、なんでその子の事、いじめたの?」
俺はとっさに今まで気になってた事を質問する。


「う……う——ん。男の子には分からないかもしれないけど……」

綾はお弁当の蓋を閉める、
もう食べないらしい。

「私、当時すごく好きな人が居てね、その子とたまたま一緒に写ったツーショットを大切に持ち歩いていたの」
少し恥ずかしそうに綾が笑った、が、すぐに険しい顔に戻る。

「ある日、その写真を部室にわすれちゃって……」

Re: Doppelganger ( No.24 )
日時: 2013/01/09 15:49
名前: みかん ◆svacoLr1WE (ID: x/gr.YmB)

次から綾が語り手の、『綾side』が始まります。

Re: Doppelganger ( No.25 )
日時: 2013/01/09 15:58
名前: 優衣奈 (ID: 5qCSmirc)

 うっわあああーーー!!すっごく面白いです!!
テンポもよくて、グイグイ読んじゃいました!!
お姉さんも小説うまいのに妹さんも……
 とくに面白かったのは、はるが、時々心の中で女の子になってる所です!更新がんばってくださいね!応援してマス☆

Re: Doppelganger ( No.26 )
日時: 2013/01/09 16:40
名前: みかん ◆svacoLr1WE (ID: x/gr.YmB)

【優衣奈様】
ありがとうございます!!
すっごく嬉しいです^^

時々心の中で女の子になってる所ですか...無意識ですかねw
これからも頑張るので、応援お願いします!

Re: Doppelganger ( No.27 )
日時: 2013/01/10 14:22
名前: みかん ◆svacoLr1WE (ID: vS1wLACl)

#5 綾side

半月前の部活後、私は大事にしていた好きな人の写真を部室に忘れてしまった。
その好きな人の事はハルにしか話していなかったから、急いで探しに行ったのを覚えている。
部室に見知らぬ女の子が居た。——……何かを手に持っている。
彼女の持っている写真には見覚えがあった。————私が探していた写真だったのだ。

「す、すみません。それ、私の写真……なんですけど……」
「あ? これ、あんたの?」

その見知らぬ彼女は可愛いらしい外見とは結びつかない様な、低い声で言った。
———……怖い。

すると彼女は大事な写真にをかけた。
『ビリッ』という不快な音を立てて、写真の切れ端が宙を舞った。

「?!」
———っ、写真が……。やぶかれ……。

「こんなんでコソコソするより、まず告白しろよブス」

……ひっ、ひどい……。私は、ただ……、自信がないだけなのに———……。
あなたに何が分かるの……?

私の目は涙であふれていた。

「この事、誰にも言ってないわけ? 言わない限り、何も変わらないんだよ」
目の前の『悪魔』は馬鹿にするように笑った。

「ハルは……、ハルは知ってるもん。応援するって言ってくれたもん!!」
私は勇気を振り絞って言った。
ハルはいつも応援してくれる、唯一の……大切な親友だもん。

「ハルって……斉藤はるの事?」
「えっ、何で知って……」

彼女の怒りはピークを達した。

「あんた、斉藤はるの何なの?!」

少し息の荒い彼女は、何に怒っているのだろう。

私が告白もしないで立ち止まっている事?
それとも私とハルの関係?

考えれば考えるほど、分からなくなっていった。


「斉藤はるをこの学校から消せ」
突然、彼女はひどく低い声で言った。


……ハルを学校から消す?
何を言ってるの、この人は。

そんな事出来るはずないじゃない、


「そんな事、出来ない!」
私は叫ぶように言った。

大事な、大切な……ハルにひどい事なんてしたくない。


「……死にたいの?」
彼女は相変わらずの低い声。


「いい? 私はあんたの『青春』なんかどうでもいいの。この世から消せなんて言ってないんだから、出来るでしょ? ……返事は?」

私の答えは変わらない、
「嫌、絶対にいや」
私の声は少し震えていた。

……すると彼女は少し鼻で笑うと、写真の切れ端をヒラヒラと振って見せた。

「この事、みんなに言ってもいいの?」

————っ、そんな……!!


「もし、あんたが斉藤はるを消さないんだったら、この学校中……もちろん本人にも言ってあげる」

……そんな、私はただ……。

「どっちにする?」
彼女はにこやかに言う。
私にはとても残酷な笑い方に見えた。

ハルを裏切るなんて、そんなの嫌だよ……。
……でもそうしないと私……。

私は卑怯だ。どうしても楽な方を選ぼうとする。



「わ、分かりました……。ハルを、この学校から……消します」
私は足の震えが止まらないのを押さえつつ、自分の卑怯さを噛み締めて言った。


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