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禁断果実〜兄弟恋愛〜2
日時: 2014/01/05 08:37
名前: ミム (ID: mwHMOji8)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=32149

挨拶

皆さんおはようございます、こんにちは、こんばんわ!
ミムです。

本日、前回書かせてもらって完結した「禁断果実〜兄妹恋愛〜」を2に致しまして、もう一度やらせていただく事にしました。
話は全く1とは別物です。(兄妹恋愛なのは確かですが)

と言う事でこれからもよろしくお願いたします。


目次

主な登場人物>>1
プロローグ>>2

〈高校編〉サブ登場人物>>84
1話「大切な知らせ?」>>3
2話「噂の先輩」>>9>>10
3話「兄妹」>>11>>14
4話「男と女」>>16>>19
5話「響く鼓動」>>22>>23
6話「淡い過去の傷」>>28>>34
7話「複雑な気持ち」>>35>>36>>37
8話「分からない」風斗視点>>38>>39
9話「誰か教えて…」>>40
10話「不思議な思い」>>41
11話「頭の中」>>42
12話「噂」>>49
13話「貴方の心」>>52>>53
14話「告白」>>54>>57
15話「重なる」>>58>>59>>62
16話「遊園地」>>63>>64
17話「忘れない」>>65
18話「怪しい2人」>>66>>67
19話「悲劇」亮視点>>68>>69>>70>>71
20話「素敵な人に囲まれて」>>72>>73
21話「亮の涙」>>74

〈大人編(4年後)〉サブ登場人物>>85
22話「結約」>>75>>81>>83
23話「意地悪な男」>>86>>87
24話「正体」>>88>>89
25話「幻滅」>>90>>91
26話「必ず」翔視点>>94
27話「悪夢」>>95>>96>>97
28話「謎の通報人物」>>98>>99>>100
29話「求めているもの」>>105>>107
30話「真剣な瞳」>>108>>109
31話「嫉妬」>>110>>113
32話「2人の空間」>>114>>115
33話「変わっていく君」翔視点>>116>>117>>118>>119


お客様

珠紀様
梨様
朔良様
ひよこ様
○華様
春歌様
チャルトン様
るん様
帝様
りぃ様

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Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【11/2更新】 ( No.114 )
日時: 2013/11/04 22:09
名前: ミム (ID: MbtYH2rf)

32話


あれから一週間が過ぎた。
変わった事と言えば———


「おはよ〜う、千歳ちゃん!」


毎朝、校門前で翔さんが待っている事だ。


「おはようございます。あの何回も言いましたがこれ止めてもらえませんか?」

「もう、別にいいじゃん!」


翔さんは気にも留めない様な顔で言うと私の手を握った。


「えっ!?ちょっと…!」

「ほらほら上上がろう。」


本当に強引な人だ…
こんな所亮に見られたら本当に終わりだよ。

なんて事を考えながら翔さんに引っ張られ教室に着いた。
しかし翔さんは離れてくれない。
むしろ距離が近くなっている様な…


「な、何なんですか///!?」


翔さんは私の机に顎を乗せると上目遣いで私を見た。

なるほど、これは女子もやられるな…
だけどさっきからホント視線が痛いよ。
アイドルが本当にこんなことして大丈夫なのかな?


「翔さん、いい加減離れてください。」

「えっ、やだ。」


即答…!?


「こっちがやだです。ほらアイドルでしょ?離れなさい。」

「もう、それ言われちゃ俺もお終いだよー。」


そんなこんなで翔さんはやっと私から離れた。

それにしてもまるで小学生みたいだ。
いや、幼稚園児レベルかもしれない。

その時私の前に影ができた。

誰だろう…?

前を向いてみるとそこには伊集院さんがいた。


「何でここに!?」


思ったことが口に出てしまう。


「良いから付いて来て。」


そう言われ連れて来られたのが、この間修羅場になったあの場所だった。


「懐かしいわね。」

「そうですね。」


本当はこの場所に「懐かしい」なんて言葉は似合わなかった。
理由はこの間の修羅場は約1カ月前の事だったからだ。


「あのそれで…」


私は機嫌を損なわないように恐る恐る聞いてみた。


「ああ、そうね。あのね…」

「はい…」


私達の周りはシーンと音が聞こえるくらい静かになる。


「翔は私の大切な人なの。だから貴方が興味が無いなら早く振ってあげていただけないかしら?」

「どうしてですか?」


何故か聞いてみたくなった。


「それじゃあ翔が哀れなだけじゃない!翔は本当に貴方に夢中なの。なのに貴方は答えを出さない。そんなの振り回されてるだけだわ!」

「私は答えを出しました。」

「そう…なんて…?」


さっきまで強気だった伊集院さんの肩が急に小さく見えた。


「『ごめんなさい』と。」

「そ、そうなの…なら何で翔はまだ貴方に?」

「分かりません。私も「好きだからだよ。」


か、翔さん!?

そこには翔さんがいた。


「どうしてここに!?」

「いやー心配になってね。またこの間みたいなことが起きたらどうしようかって…」


翔さんは低い声でそう言うと伊集院さんを冷めた目で睨んだ。
それをされた伊集院さんは今にも泣き出しそうな顔をしていた。

Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【11/4更新】 ( No.115 )
日時: 2013/11/17 10:40
名前: ミム (ID: MbtYH2rf)

すると伊集院さんは肩を小刻みに震わせながら翔さんに言った。


「翔…どうしてまだ橘さんと一緒にいるの…」


そう言葉を放った伊集院さんは今までに見た事のない位酷く不安に満ちている顔をしていた。


「何で?
一緒にいたら駄目なの?」

「別にそう言う事じゃないけど、でも振られ「うるせぇ!!」


青い空に怒鳴り声が響く。
空はこんなにも晴れているのに、どうしてこの場は曇っているのだろう。

翔さんはフラフラとコンクリートの壁に向かうと思いっきり拳をぶつけた。


「何してるの!?
大丈夫!?」


それを見た伊集院さんが素早く翔さんに駆け寄った。
私はその光景をただ茫然として見ていた。

この2人には人が入り込めない何かがある。


「近づくな…!
くんじゃねー!
千歳ちゃん、もう行こう。」


翔さんは痛々しい拳を隠し、反対側の手で私の腕を握るとその場を去ろうとした。


「翔、待って…!!
私を置いて行かないで!!」


その言葉を聞いた翔さんは一旦止まった。


「お前にはもう絶望した。」

「『お前』って酷いわ…
今までは『桜子』って呼んでくれてたじゃない!」

「酷いのはどっちだよ!!
謝る事もしないで、千歳ちゃんの前に堂々と現れるお前の方が酷いだろ!」


何も言い返せなかったのだろう。
伊集院さんはまるで消えかけそうな表情をすると、自らその場を去った。


「翔さん…私はもう大丈夫です。」

「千歳ちゃん、それだから駄目なんだよ。
あいつにはこれ位が丁度良いんだ。」


確かにそう言ったはずなのに顔には後悔と悲しみの顔で暮れていた。

それにしても2人の関係はとても親密そうだった。
ただの浅い男女の関係には見えない。
そうだ、聞いてみよう。
でも聞いても良い事なのだろうか?

私の頭の中がクルクルと回る。


「あの、聞いてもいいですか…?」

「ん?何?」

「翔さんと伊集院さんはどういった関係で…」

「どういった関係も何もただの幼馴染だよ。」

「幼馴染?」

「うん。」

「本当ですか?」

「まぁ…うん、そうだけど…
何々、気になるの?
嬉しいなぁー」

「いや、そうじゃなくて…」

「きっぱり言うね。」


翔さんは急にシュンとすると小さな石を蹴った。


「私には幼馴染とかそんな関係に見えなかったんです。」

「それどういう意味?」


顔が強張る。


「何て言うか誰も入り込めない雰囲気で…」

「………ホント良く見てるね。
なら千歳ちゃんだけに話しちゃおっかなぁ?」

「良いんですか?」

「良いも何も聞きたいんでしょ?」

「はい。」


私の一言を聞いた瞬間翔さんの表情が変わったような気がした。
そして思い出すかのように目線を逸らすと話し始めた。


32話 完

Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【11/14更新】 ( No.116 )
日時: 2013/11/18 14:48
名前: ミム (ID: MbtYH2rf)

33話 翔視点


———10年前


「さーくーらーこーちゃん!あーそーぼっ」


その日も桜子と遊びたくて誘いに行っていた。

桜子は温厚で優しく、全てを完璧に出来る、まるで漫画に出てくるような女の子だった。
俺はそんな桜子が大好きだった。


「翔君、今日も来てくれてありがとう。」


可愛い顔がニコッと優しく微笑む。


———ドキン


その度に自分の胸が弾むのが分かった。

しかし今日の桜子はいつもの様子と少し違っていた。
何て言うか今にも消えてしまいそうな顔をしている。
でも笑ってるんだ。
それが俺を余計に不安にさせた。

桜子は一度俯くと何かを決めたかのように顔を上げた。


「どうかしたの?」

「ううん…
あのね、今日は遊べないの。
ごめんね。」

「そっかぁー。
じゃあまた今度遊ぼうよ!」

「うんっ!」


そんなこんなで今日は遊べなくなり、暇が出来てしまった。

それにしてもどうしてこんなに胸がドキドキするんだろう?
僕、病気なのかなぁ?

幼い俺はまだその気持ちに気付く事が無かった。
でもその思いは少しずつ崩れていこうとしていたんだ。


———夜


———ピーポーピーポー


外から聞こえる音で目が覚める。
外を覗いてみると、桜子が住んでいる豪邸に救急車、消防車、パトカーが沢山止まっていた。

どうしたんだろう?

胸がざわつく。

桜子の事が心配でいても立ってもいられなくなり、いつの間にか家を飛び出していた。

桜子の家の前まで行くと集まっている大人達の会話が聞こえた。


「大きな火事だったらしいわよ。それに残ったのは娘さんだけですって…!」

「まぁそう…酷い話ねぇ…」


桜子ちゃんのお母さんとお父さんが死んだ?
そんな…
なら、桜子ちゃんは一体———

すると中から灰だらけになった女の子と背の高い男の人が出てきた。

あれは桜子ちゃんと黒川さんだ…

黒川さんとは桜子の執事だった。
2人はとても仲が良く、まるで家族のようだった。

Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【11/18更新】 ( No.117 )
日時: 2013/11/22 14:21
名前: ミム (ID: MbtYH2rf)

「桜子ちゃん!!」


俺は必死に桜子の所へ走った。

生きててくれて良かった…
本当に良かった…
だけど———

その時桜子は今にも消滅してしまいそうな顔をしていたんだ。
今までキラキラと輝いていた目も空洞みたいになってね。


「ぃ、や……じゃない……わ…たし…じゃ…ない……」


桜子は何かをブツブツ言っていた。
それを見かねた黒川さんは強く抱きしめると「お嬢様、行きましょう。」と言いそのまま去ってしまった。

俺はその日一睡も出来なかった。

桜子ちゃんはこれからどうなるんだろう…

そんな事ばかりが頭の中に浮かんでは消えた。


———次の朝


———ピーポーン


家のチャイムが鳴った。
ベットから起き上がり時計を見てみると針は9を指していた。

もう9時かぁ…

結局寝れないまま朝を迎えた。

しかしこんな朝から誰だろう?

急いで玄関に向かうとドアを開けた。
するとそこには———


「桜子ちゃん…」


笑顔でいっぱいの桜子がいた。
その笑顔はまるで昨日のことが無かったかのように思えた。

もしかしてアレは夢だったの…?
ううん、違う。
今でもパジャマには煙の匂いが残っている。
ならどうしてこんなにも普通なのだろうか。


「翔君、遊ぼっ!」

「えっ…でも…」

「えー、何でー!昨日約束したでしょう?あっ、もしかして用事出来ちゃったの?」


桜子ちゃんじゃない…

不思議とそう思ってしまう自分がいた。

Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜2【11/21更新】 ( No.118 )
日時: 2013/11/27 16:29
名前: ミム (ID: MbtYH2rf)

じーっと見つめている僕に気付いたのか桜子ちゃんは目を丸くした。


「翔君、どうしたの…?」


心配そうに覗き込む。

良かった…
変わってない…

その時はそう思っていた。
しかし時が過ぎるたび感じる。
少しずつ君は変わっていってると…


———高2


その日は賑やかだった。
何故かって?
それは今日はバレンタインデーだからだ。


「翔君!私のチョコも貰ってくれない?」

「あーー!私もーー!!」

「やだぁ〜私が先よ!」


そして俺の周りには沢山の女子が居た。

嫌みにも俺はモてる。
だからこれ位何とも思わなかった。
それにチョコも食べられるし、女子からちやほやされるのは嫌いじゃない。

そんな事を考えていると桜子が俺の方に駆け寄ってきた。


「翔、何してるの?」

「えっ?何ってチョコ貰って———」


———バンッ


「!」


桜子はいきなり女子の前に立った。


「馴れ馴れしくしないで!!」


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