コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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私は臨時ドS執事に一目惚れをした。【完結・イラスト】
日時: 2013/08/27 17:48
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: 5K27D2Vq)

どうも、『彼は天邪鬼』を書いている莉遠です。

連動させて2作目と言う無謀なことをしようとしている私。大丈夫、なぜならこの作品は夏休み中には終わるような短編にするつもりです。


えっと、ストーリーはぶっちゃけタイトル通りです。いいタイトルを思いつかず、もうそのまんま使っちゃえということです。

そしてこの時期にドS執事とは、そう、「謎解きはディナーのあとで」に便乗しております。内容は違いますが。



プロローグ:>>1

登場人物:>>2


第1話・>>5  第2話・>>8
第3話・>>9  第4話・>>17
第5話・>>19 第6話・>>23
第7話・>>26 第8話・>>30
第9話・>>34 第10話・>>37
最終話・>>40

来てくださった尊いお客様

珠紀様 椎茸様 ゲーム好き一人っ子様

夕紀様 朔良様 しろいぬ様

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Re: 私は臨時ドS執事に一目惚れをした。 ( No.37 )
日時: 2013/08/17 21:20
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: 5K27D2Vq)

第10話『湿っぽい別れは嫌いなものでして』


あの出来事から・・・私、神奈は何となくあの2人を避けていた。いや、彼らの職業上普通に接すことはあるんだけど、それ以上に話すことをやめた。

何というか・・・多分私が勝手に思っているだけなのだが、彼らには彼らの世界がある。彼らは今まで私が考えられないほどの過酷な人生を送ってきたはずだ。そんな彼らと私のような何不自由なく育ってきたスーパーお嬢様、同じ世界にいられるはずもない。


そんなこんなで暗い生活を送っていたらとうとうあの日の前日となった。

あの日?決まっている。リクと鈴蘭がこの家から出て行く日だ。


元々私の専属執事、木戸の代理で雇われたのが土方リクだ。その木戸は明日の夕方に帰ってくる。そのときにリクと鈴蘭も入れ替わりで出て行くというわけなのである。



リク:お嬢様、今日も何か暗いようですね。やはり、何かおありになったようで・・・よろしければこの私、土方が悩みを聞きますよ?

神奈:・・・別に、悩みなんかないし。


この男、「悩みを聞きますよ?」と言っているわりに顔が明るい。なんかスッゲェムカつく!

まあこのとき神奈は知らないのであるが、土方はその神奈の悩みを当然知っているのである。だからニコニコしているのである。



リク:そういえばお嬢様、私と鈴蘭さんは明日、木戸さんが帰ってきたら屋敷から出て行きます。2週間という短い期間ではありましたが、お嬢様にお仕えさせていただき、本当に幸せでございました。

神奈:あ・・・う、うん・・・・・・



相変わらず神奈はリクの方を見ず、モジモジしている。



リク:お嬢様・・・この際はっきり言っておきますけど、私は別に鈴蘭さんのこと好きじゃありませんよ?

神奈:ええ!?

リク:テンションがだいぶ変わりましたね。

神奈:え、あ、いや・・・別にそんなことないし。別に気になってたわけじゃないんだからね!

リク:いや・・・えっと、テンプレ通りのツンデレで読者サービスですか。いかしますねぇお嬢様。ギャラいくらもらってるんですか?

神奈:なんてこと言うんだァァァ!


ハッ、気づいたら私土方と普通に会話してる。言葉巧みに誘導されてる感じ。そういうとこはある種尊敬に値する。


リク:だってお嬢様、あの時私と鈴蘭さんの会話を盗み聞きしてたでしょ。いけませんねぇ、子供が盗み聞きなんてはしたない真似をしては。そんなはしたない女性になってしまっては私のクビは旦那様に消し飛ばされますよ。

神奈:ええ!?ちょ、気づいてたの?

リク:ええ、気づいていましたよ。ほら。


と言ってリクは携帯を神奈に見せた。そこには柱に隠れている神奈が写っていた。


神奈:ちょっと待てェェェ!いつ撮った?これいつ撮ったんだ!

リク:そうですね・・・鈴蘭さんが「お嬢様はあなたのこと、好きだよね」と言ったあたりですかねぇ・・・

神奈:それってほとんど最初っからでしょうが!何?隠し撮りしたの?

リク:いや〜、それほどでもございませんよ。

神奈:褒めてないし!


いやいや、本題進まない。


神奈:土方は・・・鈴蘭さんに気がないの?

リク:進行形はそうですね。ただ、未来はわかりませんよ。私だって人間ですから。サディスティック人じゃありませんから。まだサイヤ人の方がいいです。

神奈:どーでもいいボケかまさないでくれる?土方は出て行く前日でも全然変わらないのね。

リク:湿っぽい別れは嫌いなものでして。


そう、相変わらずの不気味な笑み。こいつ、やっぱり地球人でもサイヤ人でもなく、サディスティック人だわ。




鈴蘭:・・・・・・荷物まとめた?

リク:ええ、だいたい。いよいよ明日ですか。早いようで長いようで・・・、旦那様への恩返しを少しでもできたらと思っているのですが・・・

鈴蘭:私はリクへの恩返しをするためについてきてる。できてる?

リク:まだまだこれからですよ。本当に私に恩返ししたいのならまずはこの首輪をつけ・・・



ドゴッ!



頭を木刀で殴られた。






続く

Re: 私は臨時ドS執事に一目惚れをした。 ( No.38 )
日時: 2013/08/19 20:15
名前: 椎茸 (ID: 5K27D2Vq)

もうすぐ最終回ですか、なんか寂しいです

最後まで頑張ってください

Re: 私は臨時ドS執事に一目惚れをした。 ( No.39 )
日時: 2013/08/21 10:53
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: 5K27D2Vq)

寂しいと言っていただけて光栄です。

まあまたこの小説終わったら『彼は天邪鬼』以外にまたもう1本書くのはありかなと思ってます。

最後までがんばります!

Re: 私は臨時ドS執事に一目惚れをした。 ( No.40 )
日時: 2013/08/22 23:30
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: 5K27D2Vq)

最終話『やはりお嬢様は馬鹿でございますね』


木戸:ただいま戻りました、お嬢様。私がいなかった間に何か不祥事はありませんでしたか?

神奈:あったもんじゃないわよ。土方がこの2週間、私をさんざんいじめやがったのよ。全く・・・

木戸:そうでございますか。土方くんと一目会いたいものですが・・・彼はどこにいるかおわかりになりますか?


今日は木戸が帰ってくる日。つまり、土方リクと真田鈴蘭が屋敷から出て行く日である。朝から何があったわけでもなく、普通に時が過ぎ、夕方になった。そして木戸が帰ってきたのである。


神奈:土方〜。土方〜、木戸が会いたいって言ってるわよ。ちょっと聞いてんの?


といって土方が寝泊まりしていた部屋を開けたがそこには誰もいなかった。それどころか土方が持ってきていた荷物もすべてなかった。


その後、鈴蘭の部屋にも行ったが同様に何もなかった。



神奈:うそ・・・2人ともどこ行っちゃったの?

木戸:お2方・・・ひょっとしてもう出て行かれてしまったのかもしれませんね。

神奈:え?だって私、まだ2人に何も挨拶もされてないよ!

木戸:いや、土方くんも真田さんもとてもシャイですからね・・・。別れの言葉を告げるのが恥ずかしかったんじゃないのでしょうか。

神奈:シャイ・・・あの2人が・・・。


そういう風に考えたことなかった。だが・・・あのドS2人組がシャイだと考えると・・・笑えてくる。

だけど・・・何もなしでお別れなんてやっぱりいやだ。だって私・・・


木戸:彼らはおそらく、今から旦那様のいらっしゃるシンガポールへいくために飛行機に乗ることでしょう。車、出しましょうか?

神奈:・・・・・・帰ってきて早々だけどお願い、木戸。






リク:もうすぐ乗りますよ鈴蘭さん。準備はいいですか?

鈴蘭:よかったの?

リク:何がですか?

鈴蘭:お嬢様に・・・会わなくても。

リク:ああ、かまいませんよ。お嬢様にも申し上げましたが湿っぽい別れは嫌いなのですよ。


相変わらずいつもニコニコしているドSなイケメン土方リクといつも無表情のクールビューティ真田鈴蘭が木戸の言うとおり空港にいた。


リク:それに、きっとまた会うときがくるでしょう。そのときは、あなたも一緒でしょう?

鈴蘭:・・・・・・うん。

リク:ではいきましょうか。






“待ちなさいよ!”





女の子の声がした。その女の子は常人じゃあり得ないくらいの豪華なドレスを着ている高校生くらいの女の子。ドレス姿で走ってきたため、息が少しあがっているようにみえる。



紛れもない。世界的大企業の社長令嬢、スーパーお嬢様の織田神奈だ。




リク:お嬢様、どうしてこちらに?

神奈:それは・・・それはこっちの台詞だっつーの!私に何も言わずに出て行こうなんて・・・いい度胸じゃないのよ。


言いたいことはいっぱいある。ドSだったが彼に恋をした。恋をしたことで毎日が楽しかった。いじめてきたけど彼は私にいっぱい尽くしてくれた。だけど・・・何から言えばいいかわからなかった。


リク:お嬢様も物好きですね。一執事にここまでしてくださるとは・・・本当にありがたき幸せ。


リクは笑った。それはいつものようなサド色に染まった少し不気味な笑みではなかった。優しさいっぱいのきれいな笑顔だった。


その笑顔に神奈はドキドキしてしまった。


次・・・いつ会えるかわからない。彼は私の気持ちを知っているけど・・・言うなら今しかない。



神奈:土方・・・私・・・!

リク:ストップです、お嬢様。


リクは神奈の口に指をそっとおいた。


リク:それ以上はダメでございますよ。

神奈:え・・・

リク:私とお嬢様は所詮執事と主の関係。どう足掻いてもお嬢様の望むようなことにはなりません。

神奈:・・・・・・そうよね。

リク:だから続きは・・・



リクは顔を神奈に近づけた。すごく近い距離で神奈はすごいドキドキした。



リク:お嬢様が奥様と呼ばれるようなお方になったとき、その続きを聞かせてくれませんか?

神奈:でも・・・・・・

リク:お嬢様、やはりお嬢様は馬鹿でございますね。

神奈:な、何を・・・!!

リク:お嬢様と呼ばれるようじゃ私は一生執事として付き合わなければなりません。つまり、結果はどうあれ今のお嬢様ではその先を言う資格もなければ権利もありません。

神奈:そこまで言うか!

リク:あれ?お嬢様は一生進化しないでいるんですか?一生Lv.1ですか?一生お子様ですか?一生クソガキですか?

神奈:んなわけないでしょ!次会うまでにパワーアップしてやるわよ。誰がどう見ても素敵な淑女になってやろうじゃないの!

リク:楽しみにしています。では、いきますよ、鈴蘭。




そうして2人は旅立っていった。









鈴蘭:ねぇ、もしあのまま告白受けてたら・・・受理してた?

リク:いえいえ・・・どうでしょうね。








そして臨時ドS執事はいつものように不気味な笑みを浮かべた。









Re: 私は臨時ドS執事に一目惚れをした。 ( No.41 )
日時: 2013/08/23 22:54
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: 5K27D2Vq)

ということで、『私は臨時ドS執事に一目惚れをした。』はこれにて完結。11話という何とも微妙な話数で終わってしまいました。

これから神奈ちゃんが大人になって土方さんといい関係になるのか、それとも鈴蘭さんといい関係になるのか、それとも・・・

それからの彼らは皆さんのご想像にお任せします。


さて、この小説は終わってしまいましたが私にはまだ1つ『彼は天邪鬼』という作品を書いているので、よかったら見てくださいね(ただの宣伝)

そしてまた余裕があったらもう1本書きたいと思っています。ちょっと大人な恋を書くか・・・ファンタジー書くか・・・それは現在考え中。


そんなこんなで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!


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