コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

私は臨時ドS執事に一目惚れをした。【完結・イラスト】
日時: 2013/08/27 17:48
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: 5K27D2Vq)

どうも、『彼は天邪鬼』を書いている莉遠です。

連動させて2作目と言う無謀なことをしようとしている私。大丈夫、なぜならこの作品は夏休み中には終わるような短編にするつもりです。


えっと、ストーリーはぶっちゃけタイトル通りです。いいタイトルを思いつかず、もうそのまんま使っちゃえということです。

そしてこの時期にドS執事とは、そう、「謎解きはディナーのあとで」に便乗しております。内容は違いますが。



プロローグ:>>1

登場人物:>>2


第1話・>>5  第2話・>>8
第3話・>>9  第4話・>>17
第5話・>>19 第6話・>>23
第7話・>>26 第8話・>>30
第9話・>>34 第10話・>>37
最終話・>>40

来てくださった尊いお客様

珠紀様 椎茸様 ゲーム好き一人っ子様

夕紀様 朔良様 しろいぬ様

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



Re: 私は臨時ドS執事に一目惚れをした。 ( No.17 )
日時: 2013/08/01 19:40
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: gYu/uyWc)

第4話『あなたは一生我が主でございます。』


土方リクが来てから3日目。あのドS執事は少々性格が捻じ曲がったところはあるが仕事は難なくこなしており、あの若さでいつこの技量を身に着けたか不思議に思うことがある。

そしてデンジャラスボディーガードこと、真田鈴蘭。まだ1回しか彼女の力を見ていないが相当なものと思われる。ただ性格がやはり少し狂っている。


わかるか?気が付いたら私の家には性格がおかしい奴ばかりになっているのだ。



リク:お嬢様。起きてくださいませ。もう朝の8時でございます。夏休みとは言えど、ほどほどの時間には起きてくださいませ。

神奈:う、う〜ん・・・あと5分。

リク:人はそれを繰り返すのですよ。さっさと起きてください。



神奈は無視して寝続けようとした。そうしたら・・・



リク:仕方がありませんね。鈴蘭さん。お願いします。

鈴蘭:・・・・・・わかった。



と言って鈴蘭は腰にさしてあった木刀を抜いた。



鈴蘭:・・・・・・おっきろ〜!ご主人様〜!




と言って鈴蘭は神奈の顔のすぐ横を木刀で叩き付けた。そうしたらベッドがぶっ壊れた。



神奈:ぎゃ、ぎゃああああ!な、何すんのよ!アンタボディーガードでしょ!

鈴蘭:健康を害すものから守るのも役目。睡眠はいいこと。だけど取りすぎるのはよくない。

リク:ま、本当は私の役目なんですけどね、それ。やっぱ、起こすには実力行使が一番ですよね。クスクス。




こいつ笑ってやがる!一歩間違えたら死んでたぞオイ!






神奈:ハァ・・・、やっぱアンタクビにしようかしら。あの写真は・・・まあ仕方がないとして。

リク:そうでございますか?別に、お嬢様の命令とあらば仕方がありませんが・・・

神奈:ストップ。



と言って神奈はリクの方を向いて言った。



神奈:アンタのことだからまた前みたいに可愛い顔して私の心かき乱そうとすんでしょ。わかってるわよ。だからもう何も言わずに出ていきなさい!

リク:前みたいに?別に私は可愛い顔してお嬢様のお心をかき乱そうとするなどの無礼なまねはいたしておりません。

神奈:無礼なことはいっぱい言ってきたけどね。

リク:ただ、一つだけ言わせてください。



そしてリクはにっこり笑って言った。



リク:お嬢様、たった2日間ですがあなたは一生我が主でございます。私は主の一執事として・・・大好きでしたよ。





何だこいつはァァァァァ!





ぶっちゃけ鼻血を出しそうだった。顔は見ていない。だって顔を見たら惑わされると思ったから。だが今思ったがこいつの声、相当いい声してやがる!その声で大好きとか言われたら・・・・



ヤバい、心臓が破裂しそうだ。落ち着け、これも奴の陰謀だ。また私を惑わしてクビを免れようとしているだけだ!




鈴蘭:では、私もこれで・・・

神奈:え?え?なんで?

鈴蘭:私はリクと共に行くと・・・決めた。あなたには悪いけど・・・形式上の主はあなただけど・・・私の主君は土方リクただ一人。土方リクが出ていくというなら私がここにいる理由は・・・もうない。



なにそれ?どういうこと!信じられない!形式上の主ですって!?なめてるんじゃないの!



そして・・・・2人は出て行った。




別に私は一人になったわけではない。だって家には他にも使用人がいるし・・・それにどうせ2週間後には執事の木戸が帰ってくる。それまで臨時でまた他に誰か雇えばいいことだ。





神奈:それで、その新しい執事とボディガードをクビにしたの。あなた、なんであんな2人を私の側近にしたのよ、木戸。



今、神奈は帰省している木戸と電話で話している。



木戸:土方くんも真田さんも若いのにとても優秀です。お嬢様の世話を十分に任せられると考え、さらに彼らの能力をまた一段階上げようと思ったまででございます。お嬢様好みのイケメンだと思ったのですが・・・

神奈:思ったのか!間違えてないけど!けど口が悪くて・・・

木戸:けど、お嬢様の口ぶりからしたらとても楽しそうでございますよ?ひょっとして今、彼らがいなくなって寂しくなったから私に電話をしてきたのではありませんか?

神奈:ち、違うわよ!べ、別に・・・ちょっと側近がいなくなったから隣が寂しいと思っただけよ!


それを寂しいと言うんだが・・・素直に自分のことを喋れないのが神奈の特徴の一つだ。

だけどよく考えたら確かに消えたら消えたで少し寂しい気がする。あれはあれで・・・私のことを楽しませようとしてたのかな・・・・・

いや、そんなことはない。アイツの目は完全に楽しんでいた。ただの腐れサディストよ!あんな奴!



だけど・・・さっきからアイツのことばっか考えてる




何やってるんだろう・・・私






木戸:けど、もしお嬢様が彼らを再び連れ戻そうとするならば早めの方がよろしいかと。

神奈:え?何でよ。

木戸:彼ら2人はなかなかのワケありでしてね。おそらく織田家から離れることはないとは思いますが、どこへ行ってしまうかわかりません。まさに彼らは・・・いえ、これは土方くんに限ったことですが神出鬼没。何を考えてるのか私でも・・・いえ、旦那様にもわかりません。




旦那様・・・お父さんも土方のこと知ってたんだ。ワケあり・・・ますます気になるじゃないの。





神奈:お願い木戸、私に彼のことを教えて・・・









続く

Re: 私は臨時ドS執事に一目惚れをした。 ( No.18 )
日時: 2013/08/01 19:37
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: gYu/uyWc)

夕紀さん、初めまして。


ド、ドドドSですね!私自身多分Sなんで非常に書きやすいです(あまり自覚はないけど昔ドSと言われたことがある)。


これはキャラの際立ちだけの作品な気がしますが・・・ただ土方くんにも色々秘密がある人なのでそういうトコで内容も勝負したいと・・・いや、無理か。


更新頑張ります!

Re: 私は臨時ドS執事に一目惚れをした。 ( No.19 )
日時: 2013/08/02 17:53
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: gYu/uyWc)

第5話『・・・土方。』


木戸:土方くん・・・いや、土方リクくんは彼が幼いとき、旦那様が助けた孤児でございます。

神奈:え?土方が孤児?

木戸:ここからは私めも100%知っているわけではございません。私の想像も交えてお話するのでご了承を・・・



土方リク・・・22歳。性格はドSで腹黒い、けどとても優しい(?)好青年である。

だが彼の人生はあまり幸せな方ではない。彼は実は人身売買で「もの」として取引された不運な子なのである。

その人身売買はとある企業が裏でやっていたことであり、勿論違法。その企業が神奈の父の会社に取引を持ち出したのである。当然神奈の父はただの社長じゃなく、スーパー社長であり、頭もキレる。逆にその企業の不正を見つけ、社長などの上層部の検挙に一役買ったのである。



そしてその時、ちょうど人身売買されたばかりで買われたはいいがどこにも売られていなかった約3歳の薄汚い少年がいた。




それが土方リクである。




神奈の父:少年。そこの薄汚い少年。名前は何という?

?:・・・土方。

神奈の父:違うぞ少年。俺はそんなこと聞いているのではない。それは苗字だ。君の名前を知りたい。

土方:・・・・・・知らない。俺の父さんも母さんも僕のことを名前で呼ばなかった。2人は土方さんって呼ばれてた。だから俺も土方。

神奈の父:お前・・・名もつけてもらわなかったのか。


神奈の父は土方の目線に合わせるために膝をついた。そして土方の頭に手を置き、髪をクシャクシャした。


土方:何するの?くすぐったいんだけど・・・

神奈の父:かわいそうにな。こんな時はにっこり大声で笑うのが子供ってもんだ。俺が君くらいの歳にはいつも笑って遊んでたよ。境遇が少し違うと全く違う道を歩んでしまうものなのだな。

土方:さっきから何言ってるの?難しくてわからないよ。

神奈の父:ああ、少年には難しい話だったな。悪い。


と言って神奈の父は立ち上がってその場から立ち去ろうとした。そしてこう言った。


神奈の父:少年、俺は君を買うことに決めたぞ。俺の家の執事として育ててやることをな。まあどうするかは君次第だ。ここで俺についてくるのもいい。ついてこないのもいい。だがもし君が付いてきた暁には・・・君に名前をくれてやる。



そして神奈の父は歩き出した。正直土方少年には難しいことだった。だが、付いて行くべきだと子供ながら察知したのだろう。神奈の父の後をついてきた。



神奈の父:いい子だ。君の名前は・・・そうだな。どんな境遇であれきちんと地に足をつき堅実に生きてほしいから・・・リク(陸)だ。君の名前は今日から土方リクだ。

リク:土方・・・リク・・・

神奈の父:そうだ。私は最近結婚してね、もし子供が生まれたら君に任せたいものだよ。







木戸:それから土方くんは不妊症で悩まされていた当時の旦那様のメイドの手で育てられたのでございます。

神奈:・・・ちょっと、ドラマみたいで展開についていけないんだけど。リクって名前・・・お父さんが名前をつけたんだ。


正直こんな話、同情せざるを得ない。不当人身売買で売られたことも、3歳になっても親から名前をもらっていなかったことも。


木戸:土方君はとても優秀でありましてね、無事に今年に大学を卒業して、晴れて職業が執事と言える身になったわけです。

神奈:・・・・・・鈴蘭さんは?

木戸:それは本人に聞けばいいのでは?実際に会って・・・ね。


こんな壮絶な過去があって今よく飄々と生きているなと思った。普通暗くなったりグレたりするのだろう。まあ性格は捻じ曲がっているがとても余裕がある立ち振る舞いをしている。一体どうやって子供時代を過ごしてきたのだろうか。


神奈:アイツが言った無礼なことはぶっちゃけ許せないわ。だけど・・・もうちょっと彼のことを知りたくなった・・・かも。どこに行ったのかな?

木戸:恋ですね、お嬢様。

神奈:ち、ちちち違うって!

木戸:え〜っと、多分彼らはあそこへ行っていることでしょう。

神奈:あそこ?土方の家?

木戸:いいえ、おそらくそこへはまだ行かれていないでしょう。おそらく・・・・・・








続く

Re: 私は臨時ドS執事に一目惚れをした。 ( No.20 )
日時: 2013/08/02 22:36
名前: 椎茸 (ID: gYu/uyWc)

土方さんにはそんな過去が・・・、びっくりですね

第五話にてこの展開・・・、彼は天邪鬼と違って結構スピーディーですね

これから土方さんと神奈ちゃんがどうなるか楽しみです

Re: 私は臨時ドS執事に一目惚れをした。 ( No.21 )
日時: 2013/08/03 09:37
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: gYu/uyWc)

そうですね、「彼は天邪鬼」と違ってこの作品はそんなに長くするつもりはないため、展開は結構スピーディにやることを心がけています。

私も書いてて少し現実味帯びてないなと薄っすら思いましたが、それくらいの壮絶な過去あっての現在の飄々とした土方があるということを描いてみたかったんですよね。

飄々としている人物ほど裏がある。まあ彼に関しては腹黒いんでまあ裏があるっちゃ裏があるんですけど・・・


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



この掲示板は過去ログ化されています。