コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ××××、××××、×××××。
- 日時: 2014/09/06 17:44
- 名前: ファイトソング (ID: nnuqNgn3)
こんにちは。クリックさんきゅーです。
宣伝になっちゃいますが…
「君と一緒に。」って小説も書いてるんで、そちらのほうも是非!笑
タイトルは、
ばきゅん、ばきゅん、ばきゅーん。
て読みます。
って下っぽいですけど、違うんで!
色々意味があります!笑
その辺もうまく書いていけたらと思います。
応援よろしくお願いします。
- Re: ××××、××××、×××××。 ( No.16 )
- 日時: 2014/11/09 13:50
- 名前: まむ ◆wFCVmJjRjw (ID: akyskkyw)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=38476
私も小説を書き始めさせていただきました。
よろしければお越しください。
URL張っておきました
【イケメンサンタさんがくれた初恋】です。
- Re: ××××、××××、×××××。第十話 ( No.17 )
- 日時: 2015/09/23 08:30
- 名前: ファイトソング (ID: mvR3Twya)
第十話 デビュー
波羽side
結局…一睡もできずに朝を迎えた。
怖いって気持ちは消えないまま。
昨晩ーーーー
「波羽ならできるよ。」
「…」
「頑張れって言葉はあんまり使いたくないけど…」
「…私、歌えなかったらどうしよう」
やります、とか言っといて本当勝手だよね。
「んー…」
「…怖いです」
「…波羽のためにいい言葉考えておくからさ、風呂入っといで。」
「何それ笑」
いい言葉考えておく、ってそれ言っちゃダメでしょ?
「とりあえず、ふーろ」
そう言って私の肩をとんっと叩いた。
「着替え…」
「俺のスウェットでもいい?」
「申し訳ないです。」
「いーってことよ」
私はけい君に案内され、風呂場へ向かった。
やっぱり風呂場もでかいし豪華。
住む世界が違うってこういうことだよね。
色々なことがあって疲れがたまっていた私にとってお風呂を貸してくれるのは本当にありがたくて…つい、長風呂してしまった。
けい君が用意してくれたスウェットに着替える。
風呂場を出ると、すぐそこにけい君の姿。
「どうしたんですか?」
「いい言葉見つかった」
え?本当に考えてたの?
「はい…」
「頑張れ」
がんばれ…
「…」
「いろいろ考えたけど、頑張れが一番いいと思って。
波羽はそんな綺麗な最高の歌を歌えるんだよ?
ちょっと、踏み出してみない?ちょっとだけ。頑張れ。」
「うん…」
ちょっとだけ…踏み出してみよう…
…頑張れ私。
そんなこんなあって現在、W事務所の社長さんを家で待っているところ。
予定では空きのある午前10時に来る。
「だいじょぶだいじょぶ」
ソファーに力無く寝転がって、いかにもテキトーな感じ。
「テキトー。」
「まーまー笑 俺が緊張しても意味ないし」
それもそうなんだけど。
「はー、緊張する…」
「うん笑 あ、そろそろかな」
掛け時計を確認すると、9時59分。
ピーンポーン
「きたきた笑」
心臓がどくんっと跳ねた。
「あ、波羽は、ここで待ってて。」
ソファーに座って、じっと待つ。
玄関から聞こえてくる話し声。
しばらくして近づいて来る足音。
ホラー映画のような緊張。
がちゃ
リビングの扉が開いて。
すぐさま立ち上がる。
「こちら、しゃちょ。」
そう紹介されたW事務所の社長さんは、見た感じ二十代。背が高くて黒縁メガネがよく似合うイケメン。
「どうも、W事務所社長の黛と申します。」
ニコッと紳士そうな笑顔を私に向けた。
「佐々木波羽と申します。よろしくお願いします。」
ぺこっと頭を下げた。
「じゃぁ早速。」
ソファーに腰掛けて私を見上げる社長さん。
やらなきゃな、って気持ちが湧く。
でも緊張は無くならない。
ギターを手に取ろうとすると震える手が目に入って。
だめだだめだ。
ふぅーっと息を吸って再度ギターを手に取る。
あ、何歌おう。
カヴァーかyouか新曲か。
「なーわっ。新曲っしょ」
だよね、って頷く。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
歌った。
気持ち良く、歌いきった。
ぱちぱちぱちっ
拍手をくれた社長さん。
「ね?最高でしょ?」
けい君がそう言うと、社長さんは…
「うん、そうだね」
とおっしゃった。
嬉しくて、涙がこぼれそうになるけど、そこは堪えて。
「波羽さん?だっけ?」
「はい」
「僕の事務所に入ってくれないかな?」
「へ?!」
驚く私をよそによっしゃーって喜ぶけい君。
「実は契約書も持ってきていてね。」
「流石しゃちょ、やること早いね。」
「けいが俺を呼ぶなんてよっぽどのことだからね、きっと凄い子なんだろうって思ってね」
契約書とペンが出されて、胸が高鳴った。
「高校生?」
「はい、一年生です。」
「まじ?!俺と同い年!」
「静かに、けい。」
「ふふ笑」
「学生なら保護者の許諾が必要だ。ここにサインもらって来てくれるかな?」
「え…」
絶対に無理だ。
はい、わかった。ってサインしてくれるわけない。
「なんか不都合でもあるの?」
「親と不仲なんで。」
「うーん、そっか…」
社長さんは頭を抱えて困っている。
どうしよう、こんなはずじゃ。
「ねー、しゃちょ?tvでさ、取り上げてもらえば?天才少女みたいなね。で、盛り上げて、社長が契約書を持って波羽の家に行く!」
「断りづらくするってことか。…よし、多少強引だがそうするか。…波羽さん、tvで盛り上げると、必ず他事務所から勧誘がある。絶対に断って。頼む。」
「もちろんです」
デビューできる。
夢を叶えられる。
相当浮かれていたんだ。
この頃は。
- Re: ××××、××××、×××××。十一話 ( No.18 )
- 日時: 2015/01/09 16:05
- 名前: ファイトソング (ID: mJV9X4jr)
十一話 現実
景side
あの後しゃちょはすぐ帰って…
今は、机に残された契約書を見つめるなわが、チラチラと目に映る。
時折、悲しそうな顔を見せている。
何も知らない俺がなわを抱きしめることはできなくて。
「だいじょぶだって」
そんな簡単な言葉しかかけてやれない。
「うん…あのね…デビューできるって思って凄い嬉しかった。」
「うん」
「でもね…よーく考えると…あの人がサインしてくれるわけがない。」
「でも芸能界だよ?」
「頑固とかそうゆーんじゃないの。あの人は私を女優にしたいだけなの…」
「話してくれる?なわのこと全部」
「誰にも言わないで。」
「うん。てゆーかなわも俺のこと信用してるでしょ?笑 ほら、クセなくなってるし。」
「くせ?」
「タメ口になった。」
「あ…そう言えば。なんか安心しちゃって。」
「嬉しー笑 じゃ、話して?」
なわは深呼吸をして俺の方に体を向けた。
もう、目に涙が溜まっている。
もしかしたら、なわにとって全て話すことは苦なのかもしれない。
だけど、勝手な俺は全て知りたいと思っている。
「私の母は芸能人だった。女優として大成功していて日本中、名前を知らない人はいなかった。17年前、ある映画の撮影が終わって出演者で打ち上げをした。サプライズとして主題歌を担当した歌手の加藤照が来て、歌を披露した。だけど全然上手じゃなかった。CDと声の質が全く違うの。多分音源はかなりの修正を加えていたんだと思う。…それで母は言った、『本当に加藤照さんですか?』って。お酒を飲んでいたせいもあってつい口が滑っちゃったの。そしたら、加藤照は大激怒。母の手を乱暴につかんで店を飛び出しホテルに入った。そしてそのまま乱暴して…その時私ができてしまった。」
辛過ぎるだろ…
話して欲しかったはずなのに…
目の前にある悲しそうな顔。
涙がこぼれて、それを必死に拭うなわ。
俺はとっさに抱きしめた。
「辛かったな…」
「うん…私は望まれてできた子供じゃない…」
「もう…いいよ。」
背中に回ったなわの細い腕がぎゅっと服を握った。
「ううん…話させて。」
「…わかった。」
「そんな事件、ホテルでの目撃者がいたわけだし、打ち上げにいた人だって、乱暴されたって知らないんだから口外しないわけがない。だから、マスコミの耳に簡単に入った。だけど、報じられなかった。母の所属事務所が多額の金を使ってその事実を揉み消した。だけど結局その事件は都市伝説として芸能界で広まって母は引退した。私に女優になって欲しい理由はすごく簡単なこと。自分が失った女優人生を私に代わりに生きて欲しいから。歌手になって欲しくないのだってわかる。自分を追い詰めた人が歌手なんだもん。」
「なんで知ったの?」
「あれ?知らない?今年の初めに週刊誌で書かれたんだよ。『佐々木英保の過去』ってね。それで知った。最初みた時は嘘つけ。って思ったよ?でもね、母の所属していた事務所の社長さんが来て、『この度は申し訳ございません』って札束持って来たの。それで、あぁ本当なんだ、私は結局望まれない子なんだ。って。学校にも行けなくなった。学校中のみんなが普通に接してくれなくなった。」
よしよし、って頭を撫でてみる。
何をしたらいいんだろう…こんな細い小さい体でたくさんたくさん背負ってる。
よく親が、「才能が大きければ大きいほどそれに伴う代償もとても大きい」って言ってた。
そういうことなんだろうか。
なわはとても才能が大きいから、過酷な運命を背負って生きていかなければいけないのか。
いや…違う。
ふと、ひやっと肩に冷たい感覚。
なわの涙だよな。
冷たくて、冷たくて、痛い。
きっと、それ以上になわは痛い。
俺がなわを救いたい。
存在が無意味な人間なんていない、と証明したい。
俺はこの日、そう決意した。
- Re: ××××、××××、×××××。十二話 ( No.19 )
- 日時: 2014/11/29 21:01
- 名前: ファイトソング (ID: IqVXZA8s)
十二話 帰宅
- Re: ××××、××××、×××××。十二話 ( No.20 )
- 日時: 2014/12/24 11:24
- 名前: ファイトソング (ID: 9yNBfouf)
上が訳あって編集できなくなってしまったので、
こちらに十二話を書かせていただきます。
十二話 背比べ。
波羽side
あー、言っちゃったんだ。
誰にも知られたくなかったのに、けい君に話したらとてもスッキリした。
抱き締めてくれる優しさも体温も全てが温かくて。
「ありがとう」って自然と呟いていた。
「じゃあ私帰るよ」
帰らないと。
これ以上迷惑かける訳にはいかない。
あの人は帰ってこなくても良いと思っているかもしれないけど…。
「まだいても良いのに」
「ありがと。でもそろそろね」
「そっか。送ってく」
「ううん。大丈夫」
「いいよ、送ってく」
「本当に大丈夫。迷惑じゃん」
「俺が送りたいだけなんだから。俺のわがままだと思ってさ?」
「…うん」
押しに弱い私。
結構粘ったつもり。
けい君の満足そうな顔。
つい、見惚れてしまうんだ。
「じゃー、行くぞ!なわっ!」
「はーい笑」
家に帰る。それは凄く寂しいことなハズ。なのに…ちょっとだけ胸が高鳴るのはなぜだろう。
けい君の笑顔に見惚れてしまうのはなぜだろう。
そっと、私のギターを持ってくれるその優しさも、凄く響く。
「なーわっ。ぼーっとしてどうした?」
「あ、ごめん。大丈夫」
ぎゅっ
けい君と手をつないでいる。
「迷子になったら困りますからね?」
って全開に笑うその顔にまた、見惚れてしまうんだ。
私…やっぱり…
けい君のこと…
…好きなのかな?
「なわー。さっきからどうした?」
「…え?」
「ぼーっとしてるよ」
「そんなことないよ」
「うん、なら良いんだけど」
二人でドアを開けて、外にでた。
真っ青な空が広がっていて、清々しい。
こんな気持ちは、初めてだ。
上を向いて歩くのも、初めてだ。
「気持ちーね」
「うん。ところでどこ向かってるの?」
「え?なわの家。帰るんでしょ?」
「場所わからないでしょ?」
「うん。とりあえず、いつもなわが歌ってるところまで行こうかなって。で、そっからはなわが連れていってよ」
「そこからは一人でもいいよ」
「なわっ!」
「え、え、何?!」
「頑固にはこーだっ!」
いったーっ
かなり本気のデコピンをお見舞いされた私。
声が出ないほど痛い。
通行人も笑いを堪えながら私を見ている。
恥ずかしいったらありゃしない。
「けい君っ!」
「ごめんごめん笑 加減したつもり」
「あり得ない」
「まーまー笑 あ、手」
と、私の前で手をだしていて…
あ、繋がなきゃいけないんだ。って思ったけど、ちっとも憂鬱じゃなくて。
逆に嬉しかったり。
そっと握って、歩き出す。
あの時は走っていたし、夜だったから周りなんか見えなかったけど、高級住宅街だって気付いた。
裏道は細くて小さな場所に小さな店が立ち並んでいるけど、ここは違う。
一軒一軒の敷地は広くて、大きな家が大きな門を構えていた。
けい君の家はその中でもひときは大きい。
やっぱり、お金持ちだ。
私の家とは全然違うな。
「どうした?家なんて眺めて」
「おっきーな、って」
「あぁ笑 金持ちの背比べ」
「背比べ?」
「だってさ、俺の家の方が大きいぞー、って言ってるみたいじゃん。わざわざこんな所に家建ててさ。馬鹿らしいよな」
「いいんじゃない?だって、貧乏だったらその背比べもさせてもらえないんだもん」
「…芸能界。みたいだな笑」
「え?」
「才能のない歌手は歌えないわけじゃん。背比べに入れないもんな」
「…」
背比べ
私は、歌手として…
…背比べすることができるの?
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