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記憶をなくした魔法使い*.。・゜*.。・゜*.。・゜
日時: 2015/01/05 20:50
名前: 莢咲フレイ ◆4z4yLUbQKo (ID: jyOVwInT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=36506&p=2

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・・・ふわりと陽射しが差し込んでいた。

眩しい。



目を開けると 違う世界があった。


———それで?


———・・・・それから?

 いつからだろう。
   
     *記憶の一部が抜け落ちている*

    ことに気付いたのは。


 皆様のおかげで参照40000(4万)を突破した
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作者挨拶>>1


目次
主な登場人物 >>2
アストロロジー(魔法能力の説明) >>4
第一章 ∮花∮

プロローグ 〜魔法〜 >>3

第一話 【一輪の花弁】

*目覚め* ・>>5-12
*記憶喪失* ・>>14

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Re: 記憶をなくした魔法使い  ( No.7 )
日時: 2015/01/05 18:24
名前: 莢咲フレイ ◆4z4yLUbQKo (ID: jyOVwInT)

「あ!風花、スポーツドリンク!配ろ。」
冬華が、風花に声をかける。

「忘れてた。ありがとう。」
そのまま、ビニール袋に入ったスポーツドリンクを配っていく。

「お疲れ様です!」
光輝が、風花からスポーツドリンクを受け取ると頭を下げた。

(一番疲れているのだと思うんだけど…)

「お疲れ様、です!」
風花は笑顔で配っていく。

「美味しい。」
瞬が、スポーツドリンクをのみ、茫然とつぶやいた。

「おまえ、さっきから当たり前のことばかり言ってないか?」
海斗が、瞬を見つつ笑う。

そこに、試合を根強く見ていた、顧問の河合先生が言った。

「おう。元気か、ベンチ。水分補給は大事だぞ」
先生が来たためか、皆、表情を引き締める。


「さ、行こう、冬華。」
風花が、全員分を(居ない人の分は光輝の座る横の空席に置かせてもらい)置くと、ソフトボール部の応援場に戻ろうとしたが、

「一日マネージャー、なんだろ?、堂々と座っておけば?」
海斗が、風花と冬華を引き留めた。

「向こう、暑いだろ?いいよ。僕の席来ても。」
光輝が、隣の海斗と立ち上がり、席を開けてくれた。

「いいの?甘えちゃおうよ。」
冬華が言葉に甘えて、と二人で座らせてもらった。

「…えっと、良いの?。疲れたら教えてね。交代するし。」
と風花が遠慮がちに言うと、

「立花(光輝)くん優しい!」
と五年生が後ろで 嫌らしく拍手した。
その尻馬に、河合先生まで乗って拍手を始める。

「そういうのやめろって」
と笑いながら光輝が、スポーツドリンクを飲んだ。

光輝が点を入れ、長瀬と相沢がアウトになったので2アウトで、さきほど打った大宮がセカンドに居る。

点は、4対2

「このまま勝てるかな?」
「大丈夫だと思うけど。」
油断はできない。

そのままチェンジとなり、野球部はみんな守備位置についた。

**************

Re: 記憶をなくした魔法使い*.。・゜*.。・゜*.。・゜ ( No.8 )
日時: 2015/01/06 09:13
名前: 莢咲フレイ ◆4z4yLUbQKo (ID: jyOVwInT)

翌朝、学校の朝のホームルームで、先生の口から野球の話題が出た。

「昨日、野球部の練習試合があり、野球部のみんなが頑張ったそうですね。立花くんとか、黒月くんとか。結局、何点だったの?」
明るく、元気に先生が言った。

風花のクラスの先生は、おしゃべりな女の先生だ。

「5対3です。」
誠也、海斗、光輝、瞬の4人が声を合わせて言う。
クラスは、全部で5つもあるのだが、なぜか、野球部のレギュラーの半分が、この6年3組に固まっているのだ。

「まあ、これもソフト部の応援のおかげかな?」
と、先生(ソフト部顧問)が言うと

「いえ、野球部の頑張りだと思います。」
と言う声も持ち上がる。

「で、今日の放課後、ソフト部は着替えたらグラウンドには行かずに、このクラスに集合。演劇部に入部したい人は、集会室まで行ってくださいね、それでは…」

先生が、ちらっと黒板を見た後、時計を見て

「どうする?もう日直が全員回ったので、席替えしますか?」
と言うと、みんなが、いっせいに頷いた。

***********

風花のクラスは、籤引きをしている。
席の1つ1つに番号をつけて、黒板に、それを書く。引いたクジの番号と同じ席にいっせいに移動、と言うところである。

(うわーっ。どこ行くんだろう?)

風花はわくわくしつつも、今の席に名残惜しさを感じていた。
今は、前の席が、大親友の冬華で、隣は、幼馴染の中条誠也・・と、充実した席だったのである。


「じゃあ、ここはレディーファーストということで、女子からね。」
女子が順番にクジをひいて、そのあと男子もひいていく。

冬華の次に、風花はクジを引いた。

(・・・)
席に戻って、ゆっくりと紙を開くと、そこには赤い文字で「7」とだけ書かれていた。

黒板で確認すると、一番後ろの一番左の隅の席だった。

(わーっ)
一番前の列じゃなくてよかった。と言う安心と、視力が良くてよかった。と言う安心がいっせいに押し寄せた。

Re: 記憶をなくした魔法使い*.。・゜*.。・゜*.。・゜ ( No.9 )
日時: 2015/01/06 09:15
名前: 莢咲フレイ ◆4z4yLUbQKo (ID: jyOVwInT)

本来なら、周りの席の人と、場所の教えあいをしたいところなのだが、それはしてはいけないと先生が言うので、
風花は、7番のクジを上手に折りたたむと、握りしめて、先生の指示をまった。

「では、皆クジをひいたので、いっせいに移動!」
そのあいずで、みんなが いっせいに机と共に動き出した。

もともと、廊下側に居たので、移動が凄く遠い。
(隣の人だれだろうな)

わくわくしながら7番の席に向かう。


席に着くと、黒板がやっぱり遠く感じた。
(ほんと、視力よくてよかった)

と思いながら隣の席を待っていると。

「あ。」
黒月瞬が隣にやってきた。

「あ、風花ちゃん。。」
ボーっと周りを見渡していると、前から話しかけられた。

「くるみちゃん!」
屈託ない笑顔で話しかけられて、心なしか、少し安心した。

くるみは、ソフトボール部ピッチャーの、美人の女の子らしい女の子だった。

「だいぶ端っこの席になっちゃったね。あ、ふうちゃんって呼んでいい?」
「いいよ。え、じゃあ、くるちゃんってよんでもいい?」
「いいよー!」
と女子同士、約束を結んでいると・・隣で

「え、俺にもなんかあだ名付けてよ。」
と、瞬が言うので

「・・・うーん。」
くるみが悩んだ末に言ったのは

「野球バカ。」

「・・光輝のがそうだとおもう。」
瞬が真面目に答える。


「え、瞬、いまなんて言った?」
と、今まで誰もいなかった くるみの隣の席に、光輝が座っていた。

「わ!びっくりした——・・・」
風花がつぶやく。


(……冬華、何処に居るのかなー・・)
風花は、目で冬華を追っていると冬華は少し遠い席に居た。

Re: 記憶をなくした魔法使い*.。・゜*.。・゜*.。・゜ ( No.10 )
日時: 2015/01/05 20:03
名前: 莢咲フレイ ◆4z4yLUbQKo (ID: jyOVwInT)


「ふうちゃん、ハイ。」
「あ、ありがとう!!」

その日ももう、放課後を迎えていた。

くるみとすっかり意気投合した(とはいっても元々同じ部活なのでしゃべってはいた)風花に、くるみは部活のカバンを渡してくれた。

「外の更衣室で着替えて、このクラスまで戻るの、面倒だね。」
風花が言うと、

「僕らなんて、前体育館集合って言って、バスケ部今日 練習するんじゃないかと思ってたら、バスケ部練習試合で、体育館に、五年の林間学校の保護者説明会の椅子を並べる羽目になったんだよな。」
黒月に返事を求める光輝だったが、黒月は

「あー、そんなこと、あったな。」
と曖昧な返事をする。

「そっかあ。大変、でも野球部なら力があるからあっという間でしょう?」
光輝とはあまりしゃべったことが無いけれど、皆との会話でならうまくしゃべることができた。

「そうだな。」
と頷く光輝。

その時、風花はなぜかくるみの視線を感じてたまらなかった。

****************

このクラスに、続々と、4〜6年のソフトボール部部員が入ってきた。

「で、ということで、来月の予定表は、持ち帰ってください。」
ソフトボール部顧問の、鈴川先生が、手を叩いてこう切り出した。

「来週から、ブロック地区予選があります。」
配られた予定表の裏に、こういうことが書いてあった。

—————————————————————

星山区を4ブロックに分けて、試合をする。
舞星小学校は、現在Aブロックの予定。

ブロックの中で勝ち上がった4チームで試合
         ↓
勝った1チームが、星中市の予選に出られる。
         ↓
予選は、全16チームが出ることができる。
      勝ち抜けば・・・
         ↓
県の中で試合をした勝ち抜くと・・
         ↓
        全国へ!

——————————————————————

「去年は、全国に行って2戦目で負けてしまいました。今年こそ、頑張りましょう!」
『はい』

学校の部活のソフトボールで力を強く入れているところは少ないため、風花たちのチームは、去年全国まで行ったのである。

風花も、去年はライトで試合にでた。

Re: 記憶をなくした魔法使い*.。・゜*.。・゜*.。・゜ ( No.11 )
日時: 2015/01/05 20:18
名前: 莢咲フレイ ◆4z4yLUbQKo (ID: jyOVwInT)

「まず、今日はキャプテンを発表したいと思っています。わたし、飯岡と、鈴川先生、百瀬先生が考えた結果、です。」
ルールをよく知って居るか皆をまとめることができるかを考慮したという。

「えー、キャプテン、長瀬佐保。」
「はい!」
斜め前の席で、立ちあがった人が居た。

嬉しそうな笑みを浮かべている。

みんなやっぱりな、と言う顔をしていた。
現在キャッチャーの佐保は、責任感があり、チームをまとめる才能もある。
風花も頷いて拍手をした。

「副キャプテンは、嬉野風花」

「——! はい」
風花もそろって立ち上がった。

冬華がふわっと笑う。
皆から拍手を貰う。


 

(え?

わたしが?

わたしで?

わたしがまとめるの?)


「この二人にお願いしようと思う。辞退はしないよな?」
佐保を見るともちろん頷く。

風花は自信なさげに頷く。

「拍手」
その瞬間に拍手が舞いあがる。

風花がボーっとしている間にも、話はどんどん進んでいた。

「で、ここで。最初の区のブロック試合のメンバー、背番号、ポジションを発表します。呼ばれた人は返事をして立ちなさい。ポジションやメンバーは、練習次第で変わります。」
と言った先生の前置きで、

もう一人の顧問、風花や冬華、くるみの担任の百瀬先生が読みあげた。


「1番、ピッチャー。六年、美山くるみ」
「はい!」
笑顔で笑いながらフワリと立ち上がった。

その場に穏和な雰囲気が立つ。

「10番、キャッチャー。六年、長瀬佐保」
「ハイ!」

「3番、ファースト。六年、大海藍子」
「はい——・・・」

「藍子かー、さすがじゃん。出世!」
隣の冬華が、立ち上がった前の席の藍子の肩をたたいた。

「ありがとう。」
と藍子も 表情には出さないが、喜んでいるのが声音に出ていた。

「4番、セカンド 六年、大本真理」


(————?!)

今まで、セカンドだった冬華が、外された…?。
冬華も、気が気じゃなくなったらしく ゆっくりと前を向く。


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