コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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哀昧喪糊。−あいまいもこ−
日時: 2015/04/02 18:38
名前: めろんそーだ (ID: hDs6F9Z9)

俺は何ができるのだろう____。
これは、辛い過去を持った少女の話。
    悲しい、哀しい、少年と少女の小さな愛の話。


__________________________________

こんにちは、めろんそーだです。
今回書かせていただくのは、一応「別れ」をテーマにしたお話です。
この話のシリーズ的なものも、近日スレ立てしたいと思います。4個くらい家で作ってました←
でも何個もあると更新大変なので、多分完結してからです。

更新頑張らせて頂きます。


『はじめて』の日。>>1
俺の友達。>>2
彼女と、お友達に。>>3
来栖さんって、誰?>>4
何処にいるんですか。>>7
知らない彼女。>>12
彼女と彼女。>>13
その『手』は。>>14
聞きたいのなら。>>19
じゃんけんの行方。>>20
悲しい過去。>>21
大好きと、さよなら。>>22
待ってて。>>23
俺達、友達じゃん。>>24
彼女のこと。>>25

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Re: 哀昧喪糊。−あいまいもこ− ( No.1 )
日時: 2015/02/17 21:40
名前: めろんそーだ (ID: rLJ4eDXw)

彼女はいつも一人だった。
人を寄り付けない_____人が寄り付かない。

まるで誰も彼女に気付いていないように、誰も話し掛けていなかった。
いじめを受けているわけでもなく、儚げな存在だと思った。

「来栖さん」
「_______え?」

彼女は驚いたように瞬きをして、こちらをじっと見つめる。
俺はその大きな瞳を真っ直ぐ見ていた。
話すことすら見つからないから。
触れたら消えてしまいそうだったから。

ふわん。

瞬きをした目を開けると、
彼女は……笑っていた。

静寂。

教室に注ぐ日射しに照らされた笑顔は、とても綺麗で。
それでいて、とても儚くて。

それは余りにも眩しすぎて、俺は目を細めた。
ああ、なんで誰とも話さないんだろう。
きっと、友達が沢山できるような性格なのに、勿体無いよ。

でも、話し掛けたのは俺が初めてかも知れないな。
そんな淡い期待を胸にしながら、精一杯の笑みを彼女に返した。
そして、小さく一言。このままでは何も話さずに終わってしまう。
それでは流石に寂しすぎるし、俺はもっと彼女に近付きたかった。

「…………え、えっと……来栖…萌湖さんだよね」

彼女はゆっくりと、笑顔のまま頷いた。

「……来栖さん、って呼んでもいいかな」
「………ありがとう」

それだけ言って、またあったかい笑みを俺に向けてくれるのだった。

Re: 哀昧喪糊。−あいまいもこ− ( No.2 )
日時: 2015/02/20 21:41
名前: めろんそーだ (ID: lFtbIZgG)

「なぁなぁ____リュウ……琉翔」

汐が俺の肩を小突きながらけらけら、と喉を震わせて笑っている。その手を避けるように、小さく揺れてみたりしたが、彼の手からは逃れられないみたいだった。痛みを感じさせないのに強く抑え込む手が、何だか非常に気味が悪い___というのが俺の率直な意見だ。

青海 汐(あおみ しお)は、俺の数少ない友達だ。
気味が悪いとは言ったものの、爽やかな笑みは女子人気がある。目立たない俺に話し掛けてきて仲良くなったことは、奇跡のようなことで。

「何だよー……しつこい男だな」

愉快そうに笑う汐につられて笑顔になるのも、悔しいけどまた事実だった。

「何であっちのほうちらちら見てんの?
 なになに、好きな子でもいんのかー?」
「は、はぁ?」

素っ頓狂な声が飛び出す。本当に自分の声かと疑ったくらいだ。

そ、そりゃ何と言いますか、来栖さんといるとどきどきするけど……。
それはあれじゃないのか?
………友達として。仲良くなれるかな。
そんな気持ちなだけで……、恋愛感情なんて。

心の中で自分に対する言い訳をしながら、俺は汐の手をそっと触る。
汐は何を察したのか、真面目な顔つきになってその手を離していた。

「なぁ、汐。
 来栖さんっているじゃん」

一瞬首を傾げてから、「………うん?」と肯定とも否定とも取れないような曖昧な返事をされる。俺はそんなこともお構いなしに、誰にも聞こえない位の声で話し続けていた。
シリアスな雰囲気にしよう、とかそういうつもりじゃない。ただ、来栖さんのことをこいつに知ってもらいたいな、そう思っただけなのだ。

「あの人さぁ、ホントは凄く優しくていい子なのに、友達作らないんだよ。
 どうしたらいいと思う?」

汐は真正面から向かってくる相手に弱い。
それを知っている俺は、汐に助けを求めるような視線を送った。

しかし、俺の読みは全くと言っていい程、当たりはしなかった。

「………知らないよ?」

汐はきょとん、と首を傾げて席に座った。

「無責任な奴だなー、この俺がお願いしてやってんのに」
「え、だって本当に知らないし」

一瞬本当に知らないように見えたが、演技力の高いこいつだ。
きっと、自分で解決しろという、汐なりのメッセージなのだろう。そう思いながら、俺も席についた。


何故だろう、どうしても頭に浮かぶのはあのあったかい笑顔。
いくら頭を振っても、変人レベルに振っても、あの笑顔は俺の頭の中でふんわり揺れるだけだった。

Re: 哀昧喪糊。−あいまいもこ− ( No.3 )
日時: 2015/02/22 21:56
名前: めろんそーだ (ID: DTQ3vDnC)

昼休み。
思い切って、彼女に話し掛けた。

「く、来栖さんっ」
「どうしたの?…桜庭くん」

うわ、初めて呼ばれた……。
何故か凄く緊張する。俺は平然を装って、彼女に笑いかけた。

「あのさ、俺の友達……汐っているじゃん?」

こくり、と来栖さんは頷く。
あぁ、やっぱり可愛いなぁ………。

つい見とれてしまうのも、きっと誰だってわかってくれると思う。
穏やかな笑みがとても綺麗だった。

「汐とさ、お友達にならないかなーって」

俺がそう言うと、彼女は小さく目を瞬かせる。
_____そんなに、友達が珍しいのかな。
少し悲しい気分になるけど、俺がそんな気持ちになっていたら駄目だ。思いは伝わるっていうし。……以心伝心、だったか?
………いやいや、今はそんなことはどうでもいいのだ。

俺は期待を込めた目で、彼女を見つめた。
すると彼女は悲しそうな表情で。
暗く、翳りのある表情で口を開いた。

「………ごめんなさい………。
 私は…………だから」

途中、風の音に掻き消された声。
何かと聞こうとしたが、タイミング悪く鈴の音のチャイムが鳴ってしまった。
………また、いつか聞いてみよう。

「じゃあ、来栖さん。また___」
「うん。…いつもありがとう、ごめんね」

謝ることなんてないのに、彼女はとても申し訳なさそうな顔をして、その小さな手を遠慮がちに振って謝るのだった。

Re: 哀昧喪糊。−あいまいもこ− ( No.4 )
日時: 2015/02/27 20:30
名前: めろんそーだ (ID: hquqghd4)

ぼんやり。

俺のぼんやりとした顔が向いてしまうのは、いつも来栖さんのほうだった。
もっとにこにこしていたら、いいのにな。
でも、俺だけがあの素顔を知っているのは……何だか悪くもないか。
多分、彼女と「友達」と言えるであろうレベルに到達したことが、最高に幸せだったからだろう。下心、っていうやつだ。
にやにや、とした効果音が体中から溢れ出す感覚。
すると、当たり前のように汐が俺の肩を掴んだ。今日の力はちょっと強くて、俺は痛みに顔を歪めた。

「ちょっ……いてぇ、いてぇよ」
「あ、うん」

彼も何だか今日はぼんやりしていた。心なしか、涙袋は薄く黒くなっているように見える。
こいつが完璧なスタイルを崩すのは珍しい。
本人曰く、女の子の期待は裏切れないから、という何とも女子にモテそうな理由。
休日に会っただけでも、イッツハンサム、俺様カッコイイ…と言ったイケメン風の洋服を着ている。というか、そういう服しか持っていないのではないかと思う。

前に家にお邪魔させてもらったときに、抜き打ちで箪笥をチェックしてみたんだ。その時も、入っていたのは何とも若々しい洋服たちだった。

…いや、今はそんなことはどうでもいいのだ。

「あのさー……昨日、考えたんだけど……」

その時、彼が発した言葉はあまりにも残酷だった。































___________________来栖さんって、誰?

Re: 哀昧喪糊。−あいまいもこ− ( No.5 )
日時: 2015/02/27 20:34
名前: レム* (ID: xy9VqjvI)

 どうもおおおおおおお!((

 まさかのもこちゃん……

 妖怪か!?←

 あれ、違う違う。
 妖怪じゃなくて妖怪だよ!
 あれ、言えない……
 
 ハッ!

 もしや、妖怪のせいじゃ……(違う)

 更新頑張ってね!


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